流星会アジト爆破事件 5
木原たちにこのことが伝えられると爆発物処理班の刑事が現場に派遣された。
「爆発物処理班の中井です」
中井は黙々と爆弾を解体する。爆破まで後五分という所で中井の手が止まった。
「違う。これは流星会の製造した爆弾じゃない」
とその時窓から銃口がのぞかせた。標準は中井に向けられている。この異変に気がついた大野は叫んだ。
「あぶない」
叫び声に反応して中井は銃弾を避けた。三人は中井に駆け寄る。
「大丈夫だ。心配はいらない。だが右手が撃たれた。これでは解体が出来ない。二人で俺を撃ったスナイパーを追え。残った一人は俺に変わって爆弾を解体しろ。大丈夫だ。指示は出せる」
木原と神津はスナイパーを追った。残った大野は中井の指示の元爆弾を解体する。大野は気になったことを聞いてみた。
「先ほど流星会の製造した爆弾じゃないと言っていましたがどういう事ですか」
「この爆弾は最後に二つのコードが残る。どちらかを切ったら爆発するというベタなものではない。妙な携帯電話が装着してあるだろう」
爆弾の中で不自然に携帯電話が設置されていた。中井は推理を話す。
「爆発物処理班の勘だがあの携帯は最後の罠だろう。一か所でも間違ったコードを切ると十か所の爆弾が誘発するような仕掛けがあってもおかしくない」
「卑怯なやつだ」
中井の方を見ると中井は気絶していた。タイムリミットまで後三分。残ったのは中井の言った黒と白のコード。中井の言ったことが正しいならどちらかが間違えれば今岡の仕掛けた全ての爆弾が爆発する。大野の手はプレッシャーで震える。