流星会アジト爆破事件 4
合田は望月にこのことを伝える。
「くれぐれも二人で爆弾の仕掛けてある部屋に入らないように伝えてください」
望月は無線で指示を出す。
『こちら望月。爆弾を見つけても決して中に入らず爆発物処理班が到着するまで待機してください』
望月が指示を与えた時千間刑事部長が現れた。
「合田。爆弾事件が発生したそうだな。捜査本部でも設置するか」
「時間がない。早く設置してくれ」
望月の指示に従い組織犯罪対策課は爆弾の捜索をした。捜査本部を設置してから一分もたたない内に無線から連絡が届いた。
『こちら。井上。爆弾を発見』
モニターには爆弾の発見された場所に赤い印が着いている。それを見て合田は望月に質問した。
「部下にGPS機能の着いた携帯を持たせているのですか」
「はい。暴力団の連中は一人だけの力では逮捕できませんから。どこに誰がいるのかを把握する必要があるのです。まさか爆弾事件の捜査に役に立つとは思いませんでしたけど」
一分も経たない内に二十一か所の流星会のアジトを捜索した。千間は爆発物処理班にモニターに映された画像を送信した。残された二か所の内どちらかに最後の爆弾がある。その時連絡が届いた。
「こちら。松田。爆弾はありません」
合田と望月は互いの目を合わせる。
「ということは最後の一個は」
「最後に残ったあのアジトでしょう」
しかしこの推理は覆される。最後に残った流星会のアジトでも爆弾は発見されなかったという報告が届いたからだ。合田は焦る。
「最後に一個は流星会のアジトじゃないということか。ではどこに」
望月は土壇場である仮設を立てる。
「もしかしたらあそこに今岡が一番葬りたい贋作があるかもしれません」