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流星会アジト爆破事件 1
事件は解決したかに思えた。その音は突然港に鳴り響く。なぜかコンビナートの中からアラーム音が聞こえたのだ。最初は何の音なのかを理解出来なかった。まさかと思い木原は椅子まで駆け寄る。アラーム音は爆弾のタイムリミットが十五分を切ったということを意味していた。木原は叫ぶ。
「爆弾だ。爆弾が作動している」
神津は今岡の胸倉をつかむ。
「タイムリミットを解除する方法を教えろ」
今岡は高笑いする。
「そんな物なんてないのじゃよ。わしは贋作が無くなればこんな流星会のアジトなんてどうなってもいい。そうじゃ。中林敦の煙草は盗んで置いてなぜ深海卯吉の手帳を奪わなかったか分かるか。挑戦状じゃよ。都内にある流星会のアジト十か所に爆弾を仕掛けた。ここ以外にも贋作が隠されているとも考えられるからな。後十五分で流星会は終わるよ。十一か所目のアジトに盗作を集めたから目的は達成される」
周囲の刑事たちはこの事実に青ざめる。