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真犯人のプライド 1
東京湾の第二コンビナートの中は薄暗い。その中にロープで拘束された富山栄一郎はいた。彼は椅子に座らされた状態で監禁されている。口にガムテープが貼ってあるため助けを求めることは出来ない。
そして富山を監禁した犯人がやってきた。犯人は捨て台詞を言う。
「お前の座っている椅子の下には爆弾が仕掛けてある。恨むなら流星会を恨め」
犯人は突然開いたドアに驚く。
「誰だ」
「警視庁の木原ですよ。真犯人の今岡正巳さん。」
木原がそう言うと灯りが突然着いた。そのタイミングで神津と大野が遅れて来た。今岡はとぼける。
「真犯人。何のことじゃ」
「とぼけても無駄です。あなたが中林敦さんと深海卯吉さんを殺したのでしょう」
今岡はそっぽを向く。
「だいたいわしに殺人なんてできるはずがないじゃろ。どうやって殺したというのじゃ」
神津は密室トリックの説明をする。
「まずあなたはどうどうと被害者の部屋に行き氷で作った鈍器で被害者を撲殺した。そしてドアに鍵を掛けて窓からワイヤーを使って外側から鍵を掛けた。もちろんドアの鍵を部屋の中に放り込んだ後で」