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主婦の動機

 その時合田の携帯が鳴った。

『合田警部。木原です。中林玲子に息子がストーカー行為で逮捕されたことを伝えましたよ』

「そうか」


『ここからが本題です。深海卯吉が殺された時刻彼女は近所のスーパーに買い物に行っていました。一応深海卯吉を殺す動機があるかと聞きました。どうやら借金の原因は中林敦が他人名義のクレジットカードで深海卯吉の店で買い物をしたから恨んでいるそうです。何でもそれで借金を作ってしまったらしいです』

「ありがとう。松原雲彩のアトリエに行って犯行時刻のアリバイがないか聞いてこい。動機も忘れるな」

 

 合田は電話を切り状況を整理した。

「今のところ容疑者の五人中三人には動機がある。小川麻里子は容疑者ではなかった」

 大野はこの推理を否定する。

「まだ彼女を容疑者から外すには早すぎますよ。動機が隠されているかもしれませんからね」

 

 合田はこの発言に驚いた。

「知り合いが容疑者に外れそうになってうれしくないのか」

「いいえ。知り合いだったとしても犯人は犯人でしょう。我々警察には逮捕する責任がある。こういう覚悟がないと警察の仕事は出来ないでしょう」


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