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諦めた夢 1
その後月森清明は自首した。大野はストーカー事件が解決したことを報告するために東都美術館にいた。隣には合田がいる。
小川麻里子に会いに来たことを伝えると事務所から小川麻里子が出て来た。大野は早速報告をする。
「ストーカー事件が解決しました。犯人は中林巧でしたよ」
小川はほっとしたような表情をした。ストーカーに悩まされてきたから仕方ないと大野は思った。合田は補足をする。
「ただしあなたの彼氏。月森清明が逮捕されるという結末になったがね」
ほっとしたのも束の間。小川は驚く。
「なぜですか」
大野は真相を打ち明けた。
「ストーカーの中林巧をバットで襲ったからです。三年経過すれば出所するでしょう」
「ここからが本題だ。あなたと中林敦さんとの関係は」
「会ったこともありません。月森君の上司だということくらいしか知りません」
大野は質問をした。
「再会した時に聞き忘れたのだけどなぜこの美術館で働いているのですか。高校の美術コンクールで最優秀賞を取ったあなたなら画家になっていてもおかしくはないのに」