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すれ違いが生んだ悲劇 2

 月森はとぼける。

「何のことですか」

「それは傷害事件です」

 

 大野は隠された事件の真相を話す。

「事件が発生したのはおそらく交通事故が発生した直前。あなたは路地裏で中林巧さんをバットで殴り逃走した。それから意識を取り戻した巧さんはフラフラな状態で外に出た。その状態で巧さんは交通事故に遭ってしまった」

 

 月森は怒りだす。

「でたらめだ。証拠があるはずがない」

「証拠はあります。まず頭から血を流して路地裏から出て来た中林巧さんを目撃した証人がいました。さらに現場近くには中林巧さんの血液が付着したバットが落ちていました。さらにあなたの指紋が検出されました。そろそろ真実を話してくれませんか」


 月森は自供する。

「そうだ。俺が中林巧を襲った。あいつは俺の彼女を盗撮していた。ストーカー行為を止めさせるため何度も説得したさ。だが何度も言う事を聞かなかった。だから罰を与えてやった。なぜ俺の彼女にストーカーがいたことを知っていた」

「あなたの彼女。小川麻里子さんから相談を受けていたからです。さらに彼女の掲示した証拠だけでストーカーが中林巧だと断定されました」

 

 月森は泣き崩れる。

「あいつは警察に相談していたのか。何のために。何のために傷害事件を起こしたのだ」

 

 すれ違いが生んだ悲劇。男の涙を隠すように雲が空を覆い雨が降り出した。中林巧は退院後逮捕されるだろう。これで残る容疑者は五人。その中の二人が犯人ではないということを信じて大野は捜査を続ける。


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