表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/49

見舞客 2

 松原はそっぽを向く。中林巧は木原たちに小声で耳打ちをした。

「松原雲彩先生と言わなければ口を利きませんよ」

 変なプライドがある人だなと木原は思った。

彼は訂正する。

「松原雲彩先生ですか」

「いかにも」

「では中林敦さんが先日殺されたことはご存じですか」

 松原は扇子を取り出し仰いだ。

「そういえばニュースでやっていたな。なんだ。わしは疑われているのか」

 神津は淡々と答える。

「はい。松原雲彩先生も容疑者の一人です。あなたには中林敦さんを殺す動機があるそうですからね」


 松原は鼻で笑う。

「プライドを傷つけられたから殺したとでもいいたいのか。これだけの動機では犯人が特定できんよ。わしの他にもプライドを傷つけられた人がいるからな。そいつが殺したかもしれない」

「最後に昨日の正午から午後一時まで何をしていましたか」

『山に籠って絵を描いていた。アリバイの証人はいない』

 

 木原は右手で左手を打つ。

「すっかり忘れていました。巧さんには彼女がいるそうですね。その方は見舞いに来ましたか」

「たしか午前九時頃に来たかな。机の上にあるお守りを置いていったよ。彼女も疑われているのかな」

「交際を反対された報復という動機もあるからな」


 二人は挨拶をして病室を退室する。

「ありがとうございます」

 二人は病室を後にした。そして病室の前でひそひそ話をする。切りだしたのは神津だ。

「それでこれからどうする」

「受付で聞き込みです。今日の午前九時頃中林巧の病室を訪ねて来た女性と聞けば分かるでしょう。彼女の正体がね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ