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ミノル 2
「警視庁の大野です。小木実さんですね。少し話を聞いてもいいですか」
「はい」
大野は月森清明の写真を見せる。
「昨日の正午頃あなたはこの男と会っていましたよね。何の話をしていたのでしょう」
「ただの世間話ですよ」
合田は小木の肩を叩いた。
「また会ったな。小木」
「二度あることは三度あるという諺は本当なのですね。また殺人事件の容疑者扱いでしょうか」
「いいえ。三度目の正直だ。今回は容疑者としてではないからな。この男のアリバイを証明する証人として話が聞きたい。まずあなたと月森清明との関係だ」
「大学の同級生です。学部が違いましたが。彼も同じ島根の出身だということを知って仲良くなりました。二ヶ月くらい前に再開してよくこの公園で一緒に弁当を食べていましたよ」
大野は質問をする。
「昨日も同じでしたか」
「昨日は十分くらい清明が遅刻したかな。交通事故がどうこうと言っていました」
「ありがとうございました。と言いたいのですが最後に一つだけ。なぜスケッチブックを持っているのでしょう」