209文字で切り取った世界 ―― 一番小さなストーリー ――
209文字で切り取った世界 ―― 一番小さなストーリー ―― 列
珍しくコンビニのレジに並んで会計をすることに
これまた珍しく『並んでするくらいなら』と、いつもなら諦める俺が列に加わる
滅多にないことだ
並ぶことに慣れていないからか、ぼんやりとしていたからか、自分のひとり前が会計するときになって初めて気づいた
レジの向こうに、つい最近別れた元・彼女
なんだかな?
「いらっしゃいませ」
「ありがとうございます、〇〇円です」
「元気?」
「ああ」
俺は財布の中から一番大きな札を出す。あと一言を言うために