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現実系ショートショート

終の寝床、品質保証済

 飼っていたペットがつい先ごろ死んだ僕は、ペットもきちんと埋葬することができると知って棺桶を買いに来た。

 意外と言うべきか、それとも当然なのだろうか、僕のようにペットを埋葬したいと考える人が多いのかその棺桶屋は僕の想像よりも賑わっていた。売っているものが棺桶でさえなければ普通の家具屋と変わりがないように見える。


 きょろきょろと辺りを見ていた僕に、一人の店員さんが近付いてきた。

 神妙でありながら暗い気分を掻き立てるほどではない、絶妙な態度だった。


「ペットが亡くなられたのですね。私たちがあなたの小さなご家族が最後に憩うことになる最高の寝床をご用意いたします」


 僕の話を聞いた店員さんは少々大げさとも思える態度で僕の悲しみに同調してくれるとそう言った。そして一つの棺桶をお勧めしてくる。


「こちらは私が自信を持ってお勧めしている品質保証済みの棺桶です」


 その言葉に僕は首を傾げる。当然のことではあるが僕は棺桶というものを買うのは今回が初めてだ。棺桶の良し悪しなど分かるはずがない。そんな疑問を口にする僕に対して店員さんはこう言った。


「なにしろいままでこちらの棺桶でお眠りになった方から苦情が来たことはありませんから」

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