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短編集

愛人さん、私はいつでも妻の座を渡しましょう

作者: 天冨 七緒

「旦那様は昨日、ジョエル様のいる別邸にお泊りだったようです」


 夫が愛人を別邸に住まわせているのは、この屋敷で知らない者はいない。

 使用人達も当然のように愛人の話題を妻である私に報告する。


「そう……この手紙を、ポンフィス男爵に届けてくれるかしら」


 手紙を使用人に届けるよう差し出す。


「……畏まりました」


 使用人は私の反応に不満を示す。


 我が家はアズヴォール公爵家。

 歴史ある家門。

 当主、トリスターノ・アズヴォール、二十ニ歳。

 夫人、シャローン・アズヴォール、二十四歳。

 愛人、ジョエル・ミュルバリ……伯爵令嬢、十七歳。


「奥様、ドレスや宝石の贈り物が届いております」


「私に?」


「はっ……失礼いたしました」


 使用人は届いたばかりの贈り物が私宛ではないと知ると、失態を謝罪する。

 私にとっては失態だが、彼女達にとっては任務を遂行したと言える。

 使用人達は、トリスターノがジョエル宛に贈り物をしているのを私に見せつけ立場を分からせたかったのだ。

 当主でありながらトリスターノは別邸に入り浸り、仕事は私任せ。

 彼の仕事といえば私からの報告を受け、領民や貴族に決定事項を発表し優越感に浸る事。

 周囲からの信頼も厚く、誰も彼の仕事ぶりを疑う事はしない。 

 立場など、最近雇われたばかりの使用人に見せつけられることなどなくとも私の方が理解している。


「はぁ……あとは、この資料を纏めて……」


 終わらせても終わらせても舞い込んでくる仕事。

 その間、トリスターノはジョエルとお楽しみ中。

 

「奥様、お茶をお持ち……あっ……、申し訳ありません」


 最近入ったばかりの使用人は、私がどのような扱いを受けても文句も言わない静かな夫人だと思い込んでいる。

 使用人はカップを置く際に何に躓いたのか分からないが躓き、カップの中身を溢す。

 紅茶は机を伝いドレスに掛かる。


「……ドレスはいいから、すぐに片付けなさい」


 ドレスは構わない。

 しかし、終わらせたばかりの書類にまで紅茶が掛かりやり直しとなる。


「はい」


 頭を下げながらも使用人は笑っている。

 愛人を優先する夫の妻。

 使用人との関係性によって、同情されるか蔑ろにされるのかが決まる。

 私は今、嫌がらせの真っただ中。

 不憫な食事に行き届いていない掃除、愛人との仲睦まじい様子を見せつけるなど嫌がらせは様々。

 先程の紅茶は可愛いもの。

 ベッドがゴミだらけの時もあれば、深夜に訪れたのか暖炉の火が消え窓が僅かに開いていて凍える程の寒さで目覚めることもあった。

 

「別邸にいる、トリスターノを呼んできて」


「奥様、旦那様をお呼びしたところでいらっしゃるかどうか……」


 愛人とお楽しみ中の夫を呼びに行ったところで来るはずがないと見下す使用人。


「いいから呼んできなさい」


「……畏まりました」


 不服な様子を隠すことなく、使用人は渋々別邸へ向かう。

 私は椅子に座ったまま、書類を眺め続ける。


「奥様。旦那様がお越しになりました」


 使用人は何故か勝ち誇った様子で報告する。


「そう」


「……奥様」


「何?」


「旦那様を迎えに向かわれないのですか?」


「ここで待つわ」


 私は椅子から立つ事なく、トリスターノを待ち続ける。


「シャローン、俺を呼んでいると聞いたがどうした?」


 微笑むトリスターノは社交界で有名な美男子。

 性格も優しく、女性には特に。

 なので勘違いしてしまう令嬢が後を絶たない。

 使用人もいつか自分にも機会があるのではないかと意識している。


「使用人の管理は私に一任されていますよね?」


「あぁ。君の仕事ぶりに文句はない」


「では、この使用人を解雇してもよろしいですね?」


「あぁ、構わない」


「ぁっ……お待ちください……旦那様、私は真面目に仕事をしていて……今回の失態は二度と……」


 使用人はあっさりと自分が解雇される事に困惑する。


「だけど、シャローンが決定したことだからね」


「それは、あんまりではありませんか?」


 夫婦の会話に割り込むのは愛人であるジョエル。

 トリスターノの隣は『私よ』と言わんばかりに立っている。

 

「ジョエル様ぁ」


 使用人は救いを求めるようにジョエルに視線を向ける。


「トリスターノ様、この使用人を解雇するなんて厳しすぎではありませんか?」


「そうか? シャローン考え直す気はないか?」


 慈悲を見せるジョエルの言葉にあっさりと意見を変えるトリスターノ。


「そうですか? この使用人はトリスターノの大切な書類に紅茶を溢したのですよ。それだけでなく、私の仕事の邪魔ばかりで……これでは本日の仕事を終了させる事はできず、トリスターノには多くの人の前で恥をかかせてしまいますわね。こちらなんて王宮からの依頼ですのに……ですが、トリスターノが仰るのでしたら従います。彼女を雇い続けましょう。その代わり、トリスターノにも仕事を手伝って頂かねばなりませんがよろしいですね?」


 紅茶が滴る書類を持ち上げる。


「仕事が終わらない? 王宮からの依頼に紅茶を溢した? 私の邪魔をするような仕事しか出来ない者はここには必要ない。解雇だ」


 彼女の仕事ぶりを説明すると、トリスターノは態度を一変。

 解雇を言い渡す。

 

「えっ私は……ジョエル様っ」


 当主に宣言された事で、使用人はジョエルに助けを求める。

 追いだそうとしている私とそれに同意してしまったトリスターノにいくら訴えても残れないと察し、この場で唯一助けてくれるであろうジョエルに縋る。

 全員の視線がジョエルに集まるとジョエルは分かりやすく使用人から視線を逸らす。


「そんな、私はジョエル様の指示で……」


 使用人の言葉は、私に嫌がらせするようにジョエルから指示でもあったかのよう。

 私はその一言を逃さない。


「まさか、あなた。今回の件はジョエル様に指示されたというの?」


 少し大げさすぎるような演技でジョエルに注目させる。


「違います、私はそんな指示しておりません。その使用人とも会話した事などありません」


 尋ねただけなのに、慌てた様子で否定するジョエル。

 私が指示していましたと告白したようなもの。

 

「ジョエル……様……」


 主の為に悪事を働いたというのに、切り捨てられたことに衝撃を受ける使用人。


「そうよね、ジョエル様がトリスターノの妻である私に対して嫌がらせをしているだなんて。私は寛大な心でジョエル様の存在を許しているというのに」


「えっ……えぇ」


 厭味ったらしく伝えると、ジョエルは頬を引き攣らせながらも私の慈悲によって許されている立場であるのを肯定するしかなかった。

 

「トリスターノ。この使用人ですが解雇ではなく、王宮で募集しているアレに推薦しようと思います」


 自身が解雇ではなく、別の王宮での仕事先を提案され今後どうなるのか不安な様子の使用人。

 

「アレとはなんだ?」


「今、ボントゥイ地方の戦況がよろしくなく、長引いていると。そこでの物資や人材を募集していると報告がありました。公爵家から使用人を推薦したとなれば、大変喜ばれるかと」


 ボントゥイはかなりの危険地帯。

 ほとんどの者が生きて帰れる場所ではない。

 家族に金を残したい者・問題を起こした騎士や貴族に使用人が行く場所。

 戦争が終わるまで戻ることは許されず、今のところ戦争も終わりは見えない。

 そんな場所に送られることがどういう意味なのか理解した途端、使用人は顔色を悪くする。


「申し訳ございませんでした。二度とこのような失態は犯しません。奥様に忠誠を誓います。ですので、どうか……どうか、それだけはお許しください」


 先程までジョエルに縋っていたのに、今では私に必死に懇願する。


「安心して頂戴」


「……奥様」


「貴方一人では行かせないわ」


 私が笑顔を見せると、ジョエルが顔を引き攣らせる。

 使用人は、自身がボントゥイ行きが覆ることがないと知ると抜け殻のようになっていた。

 

「トリスターノ、わざわざ来ていただいて申し訳なかったわ」


「いや、問題ないよ。それより、仕事の方は大丈夫そうかい?」


「えぇ。今後も私の意志で使用人の異動を決定してもいいかしら?」


「もちろん、君に間違いはないからね」


「ありがとう。滞ってしまった仕事を考え、ジョエル様をお借りしてよろしいかしら?」


「もちろんだよ」


「えっ、トリスターノ様?」


 トリスターノが私に自身を差し出すとは思っていなかったジョエル。

 愛人が夫のいない場所で妻と二人きりになる事がどんな事か、想像したらしい。


「大丈夫。シャローンは優秀だから、分からないところは聞くと良い」


 トリスターノはいつもの優しい笑みを向けジョエルを残し去って行く。


「では、まずは……」


「シャ……ローン様……私は仕事に関しては無知なのでお役には……」


「そんなことないわ。まずは、一緒に来て見ているだけでいいのよ」


「……はい」


 『見ているだけでいい』という言葉で、ジョエルは受け入れるしかなかった。


「侍女長、使用人と騎士の全員をホールに集めてほしいの」


「畏まりました」


 ホールへ移動し、全員が集まるのを待つ。

 使用人達は何事かと分かっていないが、呼んだ相手がトリスターノに蔑ろにされている私であると分かると数名の使用人の態度が変わる。


「奥様、集まりました」


「では、私が名前を呼んだ人は前に出なさい」


 私が名指しした者は洗濯係や料理人、掃除担当など様々。

 だが、ある人物だけ表情を引き攣らせていく。


「奥様、私達が何でしょう?」


 代表して話す使用人の態度からして、私を軽視しているのが分かる。


「貴方達には新たな場所で働いてもらうことになったわ」


「新たな場所ですか?」


「えぇ、トリスターノからは既に許可を貰ったから安心して頂戴ね」


「……新たな場所とはどこでしょうか?」


「それは、ボントゥイよ」


「「「「「「ボントゥイ……」」」」」」


 ボントゥイがどんな場所なのか言わなくても皆知っている。

 何故急にそんな場所を指名されたのか理解が追い付いていない様子。


「この子がね行くことになったんだけど、一人は寂しいだろうから皆も一緒にね? 貴方達とても仲がいいものね」


 抜け殻となっている使用人を紹介すると、全員が顔色を悪くする。

 私が指名したのは、私に嫌がらせをしていた者達。

 使用人同士顔を見合わせ、どうして自分達が選ばれたのか理解した様子。

 そして、ある人物に視線を向ける。


「トリスターノも同意しているの。私が王宮に推薦状を提出しておくから、皆さんは安心して働いて頂戴ね。優秀な皆さんであれば如何なる場所でも自身の素晴らしい『能力』を発揮できると期待しているわ」


「ぉぉぉぉぉ奥様っ、申し訳ございませんでした。私はジョエル様に脅されて仕方なく」


「私もです、逆らえなかったんです」


「俺もです。やりたくなかったんですが、するしかなかったんです」


「どうかお願いします。今後は心を入れ替え誠心誠意尽くさせていただきます。お願いします」


「ここで、働かせてください」


「何でもします、どうかボントゥイだけは……お願いします」


 指名された使用人は次々に嫌がらせをしていた事を認め命乞い、黒幕まで自供。


「ちょっと、勝手な事言わないで。私は何も知りません。シャローン様、信じてください。この者達は自身の罪を私になすり付けようとしているのです」


 ジョエルも必死に否定する。

 愛人とはいえトリスターノに置いて行かれた事で、使用人達と共にボントゥイに送られる可能性もあるかもしれないと恐怖している。


「ジョエル様。私はジョエル様を疑ったりなどしていませんよ」


「えっ……ありがとう……ございます」


「ジョエル様にはして頂きたいことがありますから」


「私に……なんでしょう」


「続きは私の部屋で。侍女長、この者達の推薦状は既に準備してあるからあなたも一緒に来て。騎士は推薦状と共に彼らを王宮へ送って頂戴。それまでは見張っておくように」


「畏まりました」


 嫌がらせに加担した者達は各々自分の行いを振り返り嘆く。

 隙を見て逃げようとする者もいたが、騎士に取り押さえられ涙を流す。

 騎士に推薦状を渡し、彼らを王宮へ送らせる。

 

 私の部屋では……


「ジョエル様」


「はっはい」


 緊張しているジョエル。

 今まで私と対面してもそのような姿を見せた事は一度もない。

 いつも勝ち誇った様子で微笑んでいた。


「私は、貴方にアズヴォール公爵家を任せても良いと思っているのよ」


「……それは……どういう意味でしょうか?」


 私の予想外の提案に困惑している。


「貴方にアズヴォール公爵夫人を譲っても構わないと言っているの」


「……それだと……シャローン様は……」


「私は、トリスターノと離縁し実家に戻るわ」


「……本当に、よろしいんですか?」


「えぇ、貴方さえその気があるのであれば」


「……はい。私はトリスターノ様をお慕いしております」


「そう。その言葉を聞けて良かったわ」


「シャローン様は本当によろしいんですか?」


「えぇ。嬉しいくらいよ」


「……嬉しい?」


「ジョエル様は、トリスターノがいつ仕事をしているか考えたことある?」


「それは……普通に皆さんが仕事している間にしているのでは?」


「本当にそう思う?」


 私の問いに、ジョエルは瞬きを繰り返す。


「王宮や領地に報告へ向かう時は、事前に書類を纏めなければならないのよ? 屋敷にいる間、あの人は何処で何をしているかしら?」


「それは……」


 妻の私に遠慮したのか、ジョエルは『私のところで、愛を確かめ合っている』とは言わなかった。


「ジョエル様のところに入り浸りで、仕事している姿を一度でも目撃した事があるのかしら?」


「……いえ」


「あの人はね、仕事を一切しないのよ。アズヴォール公爵の仕事は夫人である私が全て行っていたの」


「……全て……」


「そうなの。だからジョエル様には今後、私がトリスターノに代わって行っていた全ての仕事を引き継いでもらうわね」


「それは……」


 ジョエルはようやくアズヴォール公爵家の真実を知り、私の机の上に山積みの書類に視線を向ける。


「あぁ、あの書類は一部だから。公爵家の仕事はこの程度ではないのよ」


「……シャローン様……私……」


「ジョエル様は、ミュルバリ伯爵家の三女でしたわよね?」


「……はぃ」


「高位貴族であれば、夫人がただ着飾っていればいいとは思っていませんよね?」


「ぇ……ぁっ……はぃ……」

 

「これからは仕事をしつつ、公爵夫人として相応しい行動や知識も学んでもらいますからね」


「学ぶ?」


「トリスターノは人の顔を覚えたりすることが苦手なの。パーティーの際は隣で、相手の名前と爵位、領地に特産品、仕事について囁いてあげるのよ。覚えるのに苦労はするけど、若いあなたなら寝ずに三日もあれば覚えられるでしょうね」


「三日……私は……パーティーなど、相応しく……」


「次回のパーティーシーズンに間に合うよう、ドレスや宝石を購入したのではないのですか?」


「……それは……」


 散財しているのは知っている。

 嫌がらせで私に購入したドレスや宝石を見せつけたのだから。

 まさかそれが自身の足を引っ張るとは思っていなかったのだろう。


「その予定でトリスターノも購入を許可したのだと思いますよ。高額な贈り物を妻でもない人間に差し上げるような方ではありませんもの」


「……トリスターノ……様は……」


「あの人は『私の代わりになるのであれば、貴方が妻になっても構わない』と仰っているわ」


「私に……シャローン様の変わりは……」


「私の代わりは出来ないのに、公爵夫人になりたかったのかしら?」


「……私は……このままで……」


「このまま? だけどトリスターノは新しい愛人候補の元へ行ったんじゃないかしら?」


「……愛人候補?」


「あの人、寂しがり屋だから。公爵夫人の仕事は膨大で一緒にいられないと分かると、他に構ってくれる人のところに行ってしまうのよ。貴方もそうだったでしょ?」


「あっ……私は……」


 ジョエルはトリスターノとの出会い。

 シャローンと離れた一瞬の隙にトリスターノに甘い声で近づいた。

 会話の中で、トリスターノは『妻が優秀過ぎて寂しくて』と悲し気に微笑む。

 ジョエルは切なげなトリスターノの表情に胸を締め付けられ『私が傍に居ります』と自身からトリスターノを誘った事を思い出す。


「さっ、貴方にはこの書類を全て処理して頂くわ」


「そんな……私には……」


「この程度でたじろぐようでは公爵夫人は務まらないわよ」


「私……私……」


「何か迷っているようだから、私から貴方に選択肢を差し上げましょうか?」


「選択……肢……」


「全てを覚悟した上で公爵夫人になるか、諦めてここから去るか」


「……ぁっぁの……愛人に……」


「それとも……貴方も皆さんと一緒にボントゥイに行きたいのかしら?」


「はっ……わ、わ、私、私……お世話に……なりました……伯爵家へ……戻りたいと思います」


「そう、とっても残念だわ。私も公爵家から解放されると思ったのに……」


「い、今まで、大変すみませんでした」


「そう? 私から最後の忠告をよろしいかしら?」


「……はい」


「この程度の事で怖気付くようでは高位貴族に嫁ぐのは難しいわよ。貴方の理想が愛人のような待遇を望むのであれば、歳の離れた下位貴族の後妻に入った方が望みは叶うわよ」


 私の言葉が届いたのか分からないが、ジョエルは震えながら去って行く。


「残念ね」


 ジョエルは去ったが、購入したドレスや宝石などは屋敷に残したまま。

 彼女は持ち去る事は無かった。

 それから、静かな日常を過ごす。


「奥様、本日の手紙と贈り物が届いております」


 手紙の束から、気になる物を手に取り確認する。


「ポンフィス男爵からね……そう、無事に後妻を迎える事が出来たのね。お礼だなんて必要ないのに……」


 読み終えた手紙を暖炉の中へ。

 アズヴォール公爵家には沢山の手紙が今日も届く。


「はぁ、皆さん私に言えば何でも解決すると思っているのではなくて?」


「それほど、奥様の手腕を認めているのかと」


「それは喜ばしい事なのかしら……」


 積み重なった手紙を一つ取り、内容を確認。


「……これは、また……ねぇ、トリスターノは何処に?」


「旦那様でしたら、本日はエディンガー令嬢に誘われ朝から出掛けております」


「そう。そろそろ必要になるからトリスターノには急いでもらわないと。次の愛人はまだかしら?」

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