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《アリアの歌を貴方に捧げ》プロローグ


「ラーラーララーラララー‥‥‥‥」ギシッ!‥‥‥‥


「あぁ‥‥君は最後まで‥‥‥僕の為に歌ってくれるのかい?‥‥‥こんな僕の為に‥‥‥君は‥‥‥」


「‥‥‥‥えぇ、だって私は貴方の為に捧げる‥‥‥このう‥‥‥」パキンッ!‥‥‥‥








昨日の〖政庁記録院〗


「クリス商会のオークションですか?」


「えぇ、それとその前には、彼の‥‥‥クリス会長の合唱団による。オペラが行われる予定だそうですよ。マリアさん」


あの久しぶりに元学友同士で集まったお食事会から数日、私はリク先生からとある〖記録書〗を渡された。


「‥‥‥‥〖マキナ公国〗最大の魔具(ミーティア)オークションですか?これが私と何か関係があるんですか?」


「えぇ、大いにあります‥‥何せ今回のクリス商会が開くオークションの最大の出品品は僕達が求める〖ユグドラの万能薬〗なんですからね」


リク先生がそう言いながら、〖記録書〗に色つきで絵描かれた〖ユグドラの万能薬〗らしき物に指を指した。


「へー、そうなんですか‥‥‥これがユグドラの万能薬で‥‥‥これがクリスさんの商会が今回、主催するオークションの最大の出品品‥‥‥ん?‥‥‥エエエエエ?!!!!」


「‥‥‥良いリアクションですね。マリアさん。素敵です」


「リ、リク先生。クリスさんのオ、オークションに〖ユグドラの万能薬〗が出品品で出るんです、す、す、す!!!!」


「はい。それは僕が今、説明しましたよ。大丈夫ですか?故障しましたか?〖発明課〗に行きますか?修理します?」


「い、行きませんし!これでも修理(メンテナンス)は一人でできます!」


「おぉ、それは良かった。そして、落ち着かれましたか?マリアさん」


‥‥‥‥この人は今、絶対に私をからかった。私が絶対に同様すると思ってからかったんだ。


「‥‥‥‥はい。大丈夫です。で、ても、確か、クリスさんのオークション会場に入るには会員ではないと入れませんよね?それに〖ユグドラの万能薬〗を競り落とす資金はどこから?」


「はい!ですから、当日は彼の付き添いという事で付いて行きます」


「‥‥‥‥付き添い?‥‥‥付いていく‥‥ですか?」


そんなやり取りが合ったのが昨日の事で、それから時間は流れて、〖政庁〗のお仕事が終わり、明日から休みの夜、私、リク先生とクリス商会の会員と言う人の三人で、ある場所に来ていた。



〖クリス商会本社〗


「ハハハハ!!!来たぜ!この日が!来たぜ!新しい出会いが!待ってろよ!俺の新たな魔具(ミーティア)達。行くぜっ!リク!マリー!大物求めてな!ハハハハ!!!」


「ロロギアさん?!が何で此処に?」


「ロロはクリス商会の上客なんですよ。会員書もこの通りです」


「おうっ!勿論。(ネロ)だ。凄いだろう?クリスに聞いたら、特別に貴様の為に用意した。とか言ってたしな」


「‥‥‥リク先生。クリス商会での(ネロ)って確か‥‥‥」


「‥‥‥‥僕は何も知りません」


「‥‥リク先生はロロギアさんの親友ではないのですか?」


「ロロならどんなに破滅しようとも生きられるので、大丈夫ですよ。マリアさん」


「何でそんなに素敵な笑顔なんですか。それよりもオークションに出られたとしても資金はどこから‥‥‥」


「はい!それがですね。先日に撮ったマリアさんのコス写真ですか?これを〖財務課〗の方達(女性陣)に見せたところ、資金を出してやるからそれを寄越せと皆さん必死に‥‥‥」


私はリク先生が右手に持つヒラヒラと(なび)く紙を凝視した。その紙には私が恥ずかしい顔をしながら、メイド服の恥ずかしい格好でポーズを決めている所を撮ったものだった。


私は少しの間、硬直した。


「お陰で三億ティア程、経費で落として良いという事になりました。良かったですね。マリアさん」


「おぉ!!三億ティアもあれば何でも競り落とせるな!良くやった!相棒!!」


リク先生は腹黒い笑顔を浮かべ、ロロギアさんは嬉しそうな満面の笑顔。そして、私は羞恥の顔です。


「‥‥‥‥何も良くありません!!リク先生!!その絵写真。渡して下さいぃぃ!!」


「オイッ!そこの奴等。さっきから五月蝿いぞ。此処は子供が来る様な‥‥‥」


騒がしい私達を警備の方が注意し始めた。


「ん?‥‥‥‥おや?アイツ等は‥‥」


「‥‥‥お前。ロロギアか?何で一文無しの(ネロ)がこんな所に入るんだ?お前は確か、クリス会長に多額の借金をして、オークション会場から追い出された筈だよな」


嘘ですよね?ロロギアさん。貴方、こんな場所でも借金していたの?


「ハハハハ!!!そんな事もあったな。数年前に」


「数日前だ。馬鹿やろ!金の無い奴は此処から‥‥‥」


「いーやー、ロロギアは金はちゃんとある。通して良いぞ。ダルカス」


「おっ!お前はっ!」


「‥‥‥‥」


‥‥‥‥この低音の声。昔、聴いたことがある様な。


「会長?!しかし‥‥‥‥」


「俺の命令は絶対だ。ダルカス。従え。それにロロギアは数日前に返済は終わっている」


「は、はい!ど、どうぞ皆様こちらの入り口から中へと入れます‥‥‥」


「良かったな!お前等。俺のお陰で中に入れる!感謝しろよ。この元学友様になぁ!!感謝しろよ!旧友共!!」

〖クリス商会会長・クリス・ドルイス〗



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