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~修完(しゅうかん)の忘却―The perfect scheme in forgotten―~(『夢時代』より)

作者: 天川裕司

初めまして、天川裕司です。

ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。

また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。

どうぞよろしくお願い致します。

少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬


【アメーバブログ】

https://blog.ameba.jp/ucs/top.do


【男山教会ホームページ】

https://otokoyamakyoukai.jimdofree.com/


【YouTube】(不思議のパルプンテ)

https://www.youtube.com/@user-vh3fk4nl7i/videos


【ノート】

https://note.com/unique_panda3782


【カクヨム】

https://kakuyomu.jp/my/works


【YouTubeドラマにつきまして】

無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、

お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。

基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。

創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪

出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬

でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、

どうぞよろしくお願いします(^^♪


修完しゅうかんの忘却―The perfect scheme in forgotten―~

 香ばしく成る初春はるに漏れ出す〝思春の上気〟が人間ひとの蒸気と絡まりそらに還るをはなから見下みおろ幻想ゆめの〝送り〟に企図を置く儘、俺のやみへと準じる総出の手腕すべには晩夏なつ主流あるじをほとほと待てない身欲みよくに根付ける暗黙が在る。孤高に根付けるゆめ最中さなかにきっとまみえる詩文の情緒の片鱗等には、個人ひと経歴きおくが未だてない時制のしかけ神秘ひみつに根付き、幻想ゆめに寝床に射止める若い自己おのれ活歩かつほ自導みちびく牧歌の謳歌が散乱している…。孤独と「黄泉」から気楼を意図して根向ねむかう主情あるじは、現代いまを活き跳ね、思考をまどわす未完みじゅくの「Mr. Childrenしんし」につかめて居らずに、安い一場面パート文学がくを培う手持ち無沙汰の容易に咲き逝き、二度と還らぬ現行いまの黄泉から死中に息衝く死臭においの成就を延々捥ぎ取る無機の酒宴うたげに屈服して居た…。

      *

 …恐らくローラースケートでマラソンをしていた。統合失調症に煩う奇特の暴君か他の誰かと一緒に俺は良い子して走って居た。他の皆は助かっていたようだ。鈴木ほなずが後から一緒に走っていた。ほなずの両足は若い頃のようにむっちりとしており、それほど太くないながらにセルライトが出ていた。ほなずは結構速そうだったが俺達に結局負けていた。走るコースは昔の国道一号線のようで、何処どこかの海岸沿いのようで、又田舎のようだった。体育会系のSMAPと光ゲンジがちらと出て来た。彼等は暴君・外人(少しスタローンにも似ている)を少し劣等に見て、

「ちゃんと走れるか?大丈夫か?」

等と、心配して居た。

      *

 開拓前から〝死病〟が先立つ蝙蝠けものの巣箱が奇妙に仕上がり、仕上がるそらから二極ふたつ蝙蝠けものは〝俺〟と君主に二つの人道みち等きちんと設けて、明日あすへ旅立つ人間ひとの古巣をおおきく既視おおきく、幻想ゆめへ紛らす未知の道標しるべへぽつんと遣った。現行いまを逝き交うおおきな〝道標しるべ〟の導く成果はてには、結構矢鱈に古傷きず吐露つぶや未情みじょう主観あるじが果敢に蹴上がり、進歩をてずに駆逐に乱され生気を自葬ほうむ現行いま現代人ひとには、未知に引かれて奈落へ堕ち着く孤高の自然あるじ幻影アニメを揺るがし、気鋭に準ずる夜半よわ理性はどめ私義しぎを忘れて暴君を観た。人間ひとの肌理から未曾有の宗派を遮る経過ときには、女性おんな裸体からだ未完みかんを呈して、黄泉の臭気を一切冠する被脆ひよわ寿命いのちを鵜呑みにする儘、生気に宿れぬ個人ひと順路まつろ到底豊穣ゆたか私産しさんじゅうじて暗黙やみさやかな夢想ゆめの論破に犠牲を通じて追従ついしょうして逝く無財の調理に滑稽味おかしみを見て、逝くも還るも既視おおきく捗るsympaシンパ許容うちから、当面保てない辛気しんき要因かなめちゅうへ忘れて夜気よぎを頬張り、独走して行く自機じきの生果は既視おおめに気取れる二局ふたつの生き俗世このよで射止める旧い進化に没頭させ得た。夢中の最中さなか自己おのれが跳ね活き女性おんなの背中を追い駆け生く頃、俗世このよわたれるすべを知らずに孤高にれ出し、俺の身元は安気やすきを求めて暫く彷徨う独身ひとり表情かおなど上手に観て居る。俗世このよ荒波間なみま執拗しつこ競歩あるける人間ひとの郷里をふっと想うと、現行ここまで来たのが変にゆかしい無益の労苦を啄むようにて、純白しろ郷地アジト自己おのれの拍手にふらふら蹴踊けおどり、羽二重はぶたえさえ無い孤独の勇気を自分に設え陽気を吟味あじわう「未覚みかくの神秘」に道標みちしるべを観て、昨日に配する〝身分〟のそばから非行の進度しんどを巧みに測れる…。何時いつまで経っても現代人ひと愚行おろかが止まない俗世このよで、とっくに死に逝く〝悶えの主情あるじ〟を追走したまま現代人ひと浮騒さわぎと真面に対した億年を観て、俺の心身からだやみ許容うちより好く好く仕上がり孤独を蹴散らす傘下の像には吐息いきを投げても反応さえ無く、「絶望」ばかりがちゅうを飛び交う俗世このよの上気に憤気ふんきった。通り縋りの男女だんじょの馴れには元から落ち込む凋落さえ観え、潔白しろ花輪はなわ女性おんな頭上うえからゆらゆら落ちても男性おとこの君には如何どうする間も無く、相手をするにもゆめに同じの裸体らたいを取り持つ〝女性おんな〟で在るから、女性おんな生気いきには微塵も沿そぐわぬ鋭気が落ち込み理想は奮わず、純白しろい怪奇は女性おんなを連れ添い俗世このよに死んだ。死んだ盲者ものから英気えいきは返らず、黄泉へ辿れる俗世このよふちから人へ逆行もどれるさんは立たずに、どんどん羽ばたき無機へしなれる陽気の坩堝は人間ひとを離して俗世このよの生気に乖離の利かない夢遊の突破を論じていながら、俺の躍起は空虚を切れない不断の暖気を俗世このよで観て居る。男性おとこ女性おんなも俺の身元もとから素通りして活き、遠目に見守る金縁ふち範囲なかでは小躍こおどりするまま路頭にぬが、意味をせない空気しとね最中さなか常識かたちを宿して競歩あるける乱歩は、俺の視野から可細かぼそかえれる未完みじゅくの使徒への挑戦とも成る。孤独の共癖ドグマ未完みじゅくを宿せる歩幅の間隔うちにて鼓動うごきをめない未覚みかくの〝児童こども〟をそのにした時、初歩はじめから無い大きな財産たから白雲くもの上から俺へ臨んで、俗世このよを過ぎ去る苦労に絶えない無味むみ主観あるじを覚醒させ得た。

      *

 一緒に走って居た俺は「大丈夫ですよ」と軽く言い、又良い人に成った。円福寺前の食堂の駐車場が折り返し地点のようだった。海の、湖の香りが何故なぜか仄かにしていた。前方まえを走って居たほなずやもう一人(知ってる誰か男でマラソンのやり手)が居たが、下り坂で俺達は一緒に追い抜く。その際、BGMのように流れていたのがサザンの「希望の轍」でり、「ホッホッホッホ♪」と合わせ調子に調子ペースを付けて俺は、順調に二人、時折り一人で、走って行った。

      *

 足りない調子に調子ペースを取り添え、自分に見紛う二人の男女を羽ばたく空気しとねにぽつんと据え置き、苦手な〝順序〟を独白ひそかに講じて、俺に纏わる眠たい辛気しんきは加齢に乗じて倦怠を観た。単色主義モノクロリズム幻想ゆめ主流あるじは自分の身近に堅く繋げる未完みじゅく感覚いしきを陽気と敷いて、俺の心身からだそらへ対して独走はしって来るのを何処どこか虚しく待機して居り、男女だんじょの派閥が幻夢ゆめに巻かれて姿態かたちを送るは過去の最中さなか人煙けむりに巻かれるよわ愚行おろかさらけても居る。俺とひとには幾つも宿らぬ〝合せ上手な小人〟が行き付け、あいして止まない未知の感動うごき衝動ゆらぎにして細弱よわ感覚いしき下手したてに採り往く〝傀儡・盲者もうじゃ〟が自体おのれを仕立てて微妙に息衝き、〝合せ調子ちょうし〟に一本見紛う目的地あてを外れた細い脇路みちまで死力を尽せる独歩が強いられ、ほかの〝黄泉〟とは結束出来ない暗い「路地」から「土手」へ辿れる不吉な目測はかりをそのにして居た。「俺とひとへと自ず対する主情あるじかた」には、目測はかりを調度に開拓して往く俺の神秘が姿形すがたを変え生き、微温ぬるい囃しを雑踏ノイズえ得る空気しとね焦燥ゆらぎがその肌理さえせ、漂白しろ周辺あたりよう明灯あかり正体からだを曇らす未完みじゅくの進歩が駆逐され行く。何時いつ時代ときでもひとと対する煩わしさとはその目を以てもえぬ代物ものだと、ぐつぐつ煮え行く憤怒の周囲まわり浪衰ろうすいしながら、俺に宿れる滑稽おかし神秘ふしぎしくみを取り添え「せい」を逃がした。

      *

 二度目の夢。

 前進でエロスに対抗して居る上摺うわずり調子の女医が出て来て、俺と、他の誰かと、軽い店の中を歩いて居り、俺は女医に質問した。

「あ、そや!聞きたい事があんねんけど、これネットでも結構質問で挙がってたりするねんけど、八十年から九十年代のアイドルで、誰が一番奇麗?ってやつなねんけどぉ、中森明菜ぁ、河合奈保子ぉ、えーとあと誰やったっけな、えーと、あれ?くそ、出てこーへん、あ!そや、確か、中山美穂!」、

 そこまで言って女医が直ぐさまめに入る。

「中山美穂は違うやろ(笑)。」

 活躍した時代が違うだろう、と言うのだ。

「あっ、じゃあ~、えーと、あそうそう小泉今日子やわ」

と俺が言うと、

「小泉も…」

等と言いながら女医は仕方なく俺の質問に答え出した。

「誰が一番奇麗と思う?」

 もう一度念押しに俺が訊くと、

「二番…(微笑)」

と女医は答えた。中森明菜を指しているようだったが、後で冷静に考えれば、明菜、奈保子、今日子の順で訊いたので、二番は、奈保子になりそうだった。店を出る迄に終えた質問であった。

      *

 孤独の次には黄泉に独歩あるける未来が先立ち、明日あすたせる気鋭のかなめは見事に落ち着き俺を呑み込み、現行いま主流あるじに直ぐさま気取れる豊穣ゆたかな安堵を根差して在った。偶像アイドルから観た俺の覚悟は現行いまを活き抜く神秘に足りなく、ひと現行人ひととが折好く二重かさなり、よう許容うちから並んで協歩あるくを不意にのがさず揚々召し取り、昨日に埋れたひとへの律儀を黄泉の彼方へ充満して往く俺の懐疑に悶絶しながら端正きれいに割かれた五月蠅あわ残骸むくろを「主流あるじ」に呑ませて陶酔うっとりして居る。「独創こごと主流あるじ現行いま猛進すすみ如何どうする間も無く、純白しろ大海うみへと海馬うまを観るまま進んだようだ…。万葉ことばの尽きない現行いま最中さなかに、若い労苦はだんまり決め込み、俺が吟味あじわう無益の孤独を体裁好くして冷観れいかんしている…――」、途切れ途切れに発音おとの切り目を黙索もくさくするちょうを冠する二語にご感覚いしきを活きながらにして独学して生き、人間ひとの孤独を何する間も無く、無為の意識をつかむ迄には俗世このよ至闘しとうを終えて逝くのを黙して按じて眺めて居るよりほかに得てする所業わざらない。俺の仰げる丁度低目に位置する白雲くもにはひとの故意など何する間も無く、「寝息」を費やし黙って幻見ゆめみ現行人ひとの孤独が浮かれて在った。

      *

 (次の日に見た夢)

 俺は何処どこかの店にアルバイトかパートか、非常勤かで、見習いとして働いて居た。図書館と書店とを足したような店だった。一度働き、二度目に働いている俺の姿を、俺は例によって客観的に観ていた。一度目は、相性が悪そうな小母ちゃんと少々気不味い経験をしたが、二度目では偶々(シフトで)一緒になったその小母ちゃんの方から一方的に謝って来てくれて、俺も「いやいやそんな事はないですよ」と微笑を以て応え、何とかやって行けそうだった。

      *

 定期的にと「自分を目指せる私欲の溜まり」に口火を切り出し、万象網羅を常に企図する俺の分身からだがふわりと現れ、可細かぼそ路地みちから大通りへ迄その身を射止めぬ気丈な独気オーラがぽつんと投げ立ち、身欲の呈した孤独の末路を行くも儚く未知の果てから、一つ、二つ、煩悩なやみ健忘わすれる真価を察して群庸ぐんようへと就き、二進も三進も決して往かないやみ呼笛あいずを待ち続けて居た。やみの身許をかいして明かさず人の人煙けむりに敢えて目に付く古参の情緒を拝して居ながら、俗世ぞくせ暗幕やみでは俺の純心こころに決してれない現代人けものの身欲が横行して居り、大股歩きに〝女子〟の身元を蹴散らす二欲によく美神めがみ男性おとこ実力ちからを屈服させつつ自明に纏わる自体おのれ理性たち等、あかるい往来ちまたで生き活きさせ得た。「空想裡くうそうなべ」から私宝しほうに纏わる謳花おうかが生じて俺の片身かたみろくるでも具体をあかせる振起しんきも乱さず、生涯相あいする乱歩に徹した自己おのれの在り処を確信するべく、その高貴ひかりそら目下ふもとへ準じて止まない勝手の行為に邁進して往く。あおに付くおのに着く〝身許〟を訴え、隠しこうべに純粋なる哉、幾つの優雅に分れた神秘は疾風の海馬に疾走して行き、明然はっきり成せない至極の〝旧巣ふるす〟へ一歩も届かずそのを萎えた。逡巡して逝く二相にそうの窓から傀儡どうぐが跳びつ行為を追い抜き、萎びた男女だんじょは年嵩問わずに悶絶して活き、俗世このよわいから岐路に就け得る波動の神秘ふしぎへその身を遣った。小母の孤独がやきもきしながら自身を訴え、小さく覗かす黄泉の寝言に俺の目耳を併せて据え置き、若い大樹へ寄り添う姿形かたち姿態すがたを呈さず姿勢しせいを設けて、明日あすの益まで現行いまに頬張る無欲の神秘しんぴ自体すべてを費やす。寡黙しずか神秘ふしぎに孤島を想わす条理が働き、二度にわたれる既視いしきの海馬は二語にごに尽せる嗣業を手招き、旧い黄泉路よみじの孤独のふもとへぽつんと置かれた劣等おとりは淋しく、旧い口文ふみにて足踏ちゅうちょを顕す現人ひとの憐れを上手にいた。無謀の晴嵐あらしが俺を目掛けて猛進して居り、生来目にした〝嘆きの対象オブジェ〟は知識を排して創作して居り、俺の孤独が〝死なぬように〟と無根の幻想ゆめなどさずけてくれた。俗世このよの果てから極小かよわく昇れる人間ひとを突き刺す無用の陽光ひかりは、涼しいかおして無駄を配する右翼にも似た熱尾ねつびを下さり、持って生れた二履にばきの自然あるじに俺の孤独を任せて居ながら〝活きる為に…〟と苦労を要する二重ふたえの隔離を俺へと遣った。無言の空間すきまに無音が這い出し、俺の孤独が寝屋を求めて闊歩をするには矮小ちいさな盛りがようを曇らす活歩かつほ手術すべなど必要とも成り、眩んだ両眼まなこに故意をしゅうする記憶の賛歌が褒美をった。眩む両眼まなこに試算の乗ずる憤怒が身悶え、やみえきにて労苦に徹する不義の主輩やからが撤収して活き、乳白しろい躰に文字がり出す大海うみ光沢ひかり残光ひかりを射止めて、嗣業ことの初めを円らに目にする俺の人陰かげには、純白差しろさ驚愕おどろく無理の呼笛あいずが木霊しかえる。生歴きおく明朗あかりにぽつんと敷かれた両眼りょうめが見開き、かすかな季節風かぜさえ暗夜あんや許容うちから木霊を空転ころがし俺の身許もとまでゆるりとかえれる鼓動を設けて、日本にとどまる気色の初歩いろは無意むいの彼方へつかんで放り、感覚いしき十切とぎれた〝旧巣ふるす〟のなかでは微妙を愛して創作していた…。無駄におわれる労苦の所作には個別の空間すきまがふわりと表れ、未知へ繋げる道標しるべ依存たよれるきの旋律しらべに余興を発し、お笑いびとから稀有の人まで事毎束ねてちゅうへ抛るは人間ひとの歴史がかこに定めた神秘の片鱗かけらに纏わる対象ものにてどうを定めずせいに寄り添い、未覚みかくの〝文化〟に矢張り生育そだつを児童こども期間ころから倣った挙句にいまを以ても信じて在った…。――。

      *

 遣る中、俺は又、早稲田受験を目標と出来る為、絶対に辞められないのだ、等と殊勝な心掛けを持ち始めて、ずんずん仕事に向かって行く様子に在った。そしてカウンターに立った時、客が何人か居て、俺は試雇段階ながらに接客しなければいけない状態にも既に成って居た様子で、カウンターに他のベテラン職員と一緒に立つ事に成った。何か、コンビニのようでもあった。又、そのカウンターに立つ以前に既に俺は、一度同じようにして働いて居り、それなりに少しは接客、CP(レジのような物)の扱い方を覚えて居て、何とか遣れそうだったのである。

      *

 矛盾のきわまる不屈の暗夜よるでのおおきな共嘆なげきは、自然あるじ小人こびとを俺へ添わせる無機の振動うごきに少し似ていて、俺の〝向き〟から自然しぜんに発するしるべを見詰めた鼓動の猶予ゆらぎは果てるでさえ終ぞさもしく、自体おのれ裸体かたち自然あるじへ魅せ往く不毛の輪舞曲ロンドを結集させ活き、俺の身欲を終ぞ培う魅惑の連想ドラマ歴史かこを忘れて忘却ものわすれを問う「不問の共鳴なげき」に奇しくも似ている。空虚の強靭差つよさをそっとよわめる無智むち道標しるべ歩先ほさき頭上うえには、端麗きれいに並べた夜半よわしるし忘却ものわすれに似てすっと辟易たじろぎ、機会ときに乗じてそのを見紛う無憶むおく新芽しんめに雨をらせる。思春の時期ころ観た〝少女かのじょ〟の姿態すがたは揺蕩い容姿すがた自体じぶんとどめて、その場を目にする俺の孤独に微温差ぬるさを興させ、曇りまなこに始終を突き出る興味の切先きさきをひょいと撮んで、俺の背後をそっと晦ます透った裸体からだを自然に寝かせる。過去の空間すきまように照らされ協歩あるける内には俺と少女かのじょの無益の明朗あかりは自然に恵まれ育まれもして、少女かのじょ周囲まわりに飛び交うは具に畳まれ〝せい〟を採り出し、日本を離れておうの彼方へ両翼つばさを拡げてわんさか跳び立ち、やがては観得ない異国の望郷ふるすへ見栄を魅せ突けかえって仕舞う。俺の寝床は少女かのじょを置き去る旧い死臭かおりに漸く嗅ぎ付け、彼女を射止めた細小ちいさ純心こころように衒わず独歩をめ付け、彼女の生還かえり現行ここで待つのに努力ちからに止まない労役さえ見た。泥む町には疲労のにする旧巣ふるすが佇み塵芥ほこりかぶれる未完みじゅく寝室ねむろようを恋して少女しょうじょを仰ぎ、誰も無いのに襖で隔てた寝室へや隣室よこから最小ちいさ容姿すがた童子わらべが這い出し俺へと表れ、俺の記憶は生気を採れ得る黄泉の吐息を密かに噛んだ。

      *

 そのカウンターに立った時、既に少年客と、俺と相性の悪かった小母ちゃんは接客中であり、その少年客との接客を俺は任された。その時、カウンターに置かれた〝おまけ〟のような、小じんまりしながらも結構しっかりした造りの物を、店で買った、店を利用した客に渡さなければ成らなかったらしく、

「…んで、これを買ったお客様にお渡しして」

と言う小母ちゃんに俺は、ふむふむ、と殊勝に返事をして居た。

      *

 無音の経過けいかがこつこつ鳴りつつ、俺の隣室よこから無機を呈して過ぎて逝く頃、俺の自体からだおおきく射止める嗣業を含める小さなやみには、現行人ひとの夜さえ決して寄らない白壁かべを隔てた孤独が表れ、現行人ひと許容うちから現代人ひとが出て来てゆめを葬り理算りさんに就く頃、無機に頼れる自己おのれやみには現代人ひとの生果が煩わしく成り、現代人ひとの海馬が事毎宙そらから解体され行き〝死亡〟の寝室ねむろに集まる頃には、人間ひとさずけた生来もと能力ちから暗海うみに静まりを絆され活き、行き場の見得ない「死んだ海馬」に「逃げ水」ばかりを浮きに仕上げる「未完みかんの王者」が君臨して居た。

 活きる上での覇気を失くせるしどろもどろのよう片鱗かけらちゅうを見上げて独自を得る頃、俺の白紙はそらを透せる余程の活気を寝耳に遣った。Idolぐうぞうから得る神秘ふしぎ脚力ちからそら一等星ほしから用途を放り、礼儀の姿勢かたちに一切向かない周囲まわり女性おんなやみへと遣った。やみの彼方へ段々静まる彼女おんなの覇気には恋の情緒が段々死に逝く露骨な上手うわてが徐々にひかって、俗世このよやみから死地を数える夜気よぎの憤怒に見舞われ始めて、俗世このよの身元に〝稀有〟を欲しがる幼稚な音頭を踏み固めて居た。俺に養う「二履にばきの坊」には厚い白壁かべから熱気の漏れ出す活きた死臭かおり鼻中びちゅうに収めるわった能力ちからが散々働き、ようの見得ない人煙けむりの籠ったやしろの内ではそらを始めに大地へ飛び交う人間ひと感覚いしきが〝躍起〟を噛み出し、噛み付き始めた憎悪の行方の未明の主流ながれは、万葉ことば限りの現代人ひと足元もとから段々外されちゅうへ途切れて、俺の孤独を揚々にする神秘ふしぎ初出いろはを数えて在った。乳白色した彼女おんな肌理はだには脚色いろが付き出し、涼風かぜに透る残骸むくろは思春の上気を一気に従え、青春はる晴嵐あらしにその気を込ませる透った蒸気と白壁かべを造って、意味をたない人間ひとの陰から影響ひびきに見紛う化身を観て採り、明日あすに昇れる微妙の脚力ちから感覚いしきたせて当面を観た。ほうづらした俺を象る瞬間ときの笑みには、俺の背後に真向きに望める意味の集体シグマを全て覗いて、当り障りに支障を成せない神秘ふしぎ空間すきま脚色いろで埋め生く海馬の主流あるじをぽんぽん蹴散らし、俺と一緒にみやこへ臨める旧前むかし少女おんなは桃の表色いろして、俗世このよの夜風に寸ともえずの感覚いしきの生気を開拓して居る…。漆黒くろい老婆が俺の目前まえから身許を寄らせてちゅう然中さなかへ気流をむずかる欲の賛美に夢中をしたため、慌て無沙汰に俺へ集める現行人ひと表情かおには生気が無い儘、俺の身許は足場を失い籍を失い、仮初ながらに曇天そらを晴らせる無欲の謳歌を歴然ともした。無理にむずか少女おんな理性はどめ感覚いしききには、俺の独創こごとが口を利くのに当面流行ながれる辛気しんきを片付け、西日の片付く黄泉のとどめに終ぞ哀しむ憐れさえ無く、明日あす現行いまとの境へつまま無意むいを見詰めて活き生くしのぎを、鼓動にかれた不意の夢路は小躍りしたまま参照して居た。

      *

 「では、買われたお客様に、これをおまけとして付けてお渡しすれば良いんですかね?」

と俺が小母ちゃんに伺った辺りで目が覚めた。店で店員と話して居る最中さなかでも俺は、「お客様」や「お渡し」等と、とても丁寧で殊勝な言葉遣いをして居た。目覚めてから俺は、

「おまけとか、カードとか、ポイントとか、余計なもんが多過ぎんねん」

と、日頃思っていた最近の仕事の実態への不満を自然に覚えて居た。

      *

 書く事が何も無いと言う事が、俺がそらに見上げた最後の確認であり、白い紙には俺の黄泉から現行ここへ息衝く無数の輪舞曲ロンドが小躍りして居て、奇妙に仕上がる俺の私事しごとと重なり出した。俺のそばからやみ目下ふもとへ細々(ほそぼそ)消え行く現代人ひと主観あるじは解体して生き、微生に懐ける羽虫はむしていして活気を失い、するする逃がせる貴重のゆめには競う相手をひたすら求めるせい死臭かおりが充満していた。よわい者から次々淘汰にそのを委ねて恰好かたちの付かない無為の小躍ダンスそらへ目掛けて発信する頃、現代人ひとと俺との立場の間隔あいだは見る見る空転ころがり拡がり始めて、明日あすの身欲も今日の身欲も決して成らない無機の片鱗かけらに目敏く成り出し、貴重の意識を自由へ遣る頃「自由」の恰好かたちを見紛い始めて、現行いま支配あやつ現代人げんだいじんには、自分の身分すがたを充分曇らす途方の規律おきてが物言い始めた。

 荷風に詰め込む山路さんろの辺りは空気もぬけが意図した奇怪が現れ、吟味あじも調子も両掌りょうてに損ねた俺の背後の脚色かざりは、これまで信じた憂きを蹴散らす用途を失い、初めに見て来た山路さんろの傾斜の体裁すがたにほとほと見紛う原始のこだまわたって在った。人間ひとの価値から原始の価値まで、晴れたそらにて初春はる芳香かおりに充分紛れる花粉のちりなど浮遊に在るが、俺の背を押す交互の脚力ちから純白しろ表情かおした億尾を携え、〝向き〟とらずに古郷こきょうて得る元気のすえにて落胆へと着き、俺の周囲まわりに誰も無いのが唯一掌に取る無想のかなめで、未知の温床ねどこ感覚いしきを向かせて唯寝付かせ得るのが、自分の分身かわりに俺が出来得る一つの網羅に変りなかった。あお空間すきまそらが表れ身近へと逝き、俺のかおから未完みかんの芽が出て悪態をき、現代人ひと姿勢すがた俗世このよに集まり自然しぜんから退く優雅な調子に気運を委ねる…。俺の心身からだ俗世このよの活気を馬鹿にし始め、生気を脚色奪いろどる無機の空間すきま現代人ひとを立たせてぼうっと見送り、初めて目にした自然あるじの未知には俺の残骸むくろ俗世このよで蹴散らす優れた脚力ちからが散在して在り、廃人ひとに落ち着く直前まえ現行いまにて、俺の温床ねどこを用意して居た。―――――――(修完)。




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