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醜悪を探しに



ヨミは今、果てのない旅にいる。



花の歌声も、最初は心地よかった。



ただ、いつしかそれは無音と変わらないものとなった。




七色のこの世界も、色がないのと何ら変わらない。



だからヨミは探しに行くことにした。



新しい色と、新しい歌。



「黒がないな。」




ヨミはふと足を止めた。



「この世界は私の望んだ通りになる。ゼロから始まり、私の意のままに着色していける。」



彼女は顎に指を当てて考えた。



「しかしながらそれで不満を覚えるなんて、私は本当に我儘(わがまま)なんだな。」



彼女は左に右に足を進めた。



「結局、素敵なものって素敵じゃないモノを知っているから綺麗だったのだ。」



彼女は歌っている花に話しかけた。



「私は、この世界に存在させられないほどの下劣が欲しい。」



彼女は踊っている木々に話しかけた。



「私は想像さえ凌駕する醜悪なモノが見たい。」



彼女は煌めく星に話しかけた。



「私は低劣で下衆で 陋劣で卑しいモノと触れ合わねばならない。」



「そうでないと私の描く美が美であると、私自身が認識できないのだ。」



彼女は両手を上に上げると、身体をなぞるように手を動かした。



彼女の目の前には、徐々に巨大で煌びやかな門が生まれる。



そして彼女その門を押すと、門はその重厚さに似合わないスムーズな音で開いた。



「行こう。醜悪を探しに。」



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