さらばぽに子。決死のぽよぽよ
「あ、スライム。」
美夜がそのポヨポヨした生物に声をかけた。
「僕はスライムじゃないよ!」
スライムのような生物が主張する。
「あんたまた揉め事なの?まぁ、弱そうだもんね。」
スライムは少し恥ずかしそうに俯いた。
「よわくなんか・・・」
突如緑色の巨体が声を上げる。
「こいつぁ弱いぞ。弱いからこそ騙して生きるしかねぇんだ。ウチからの借金も踏み倒そうとしてらぁ。」
美夜は少し驚く。
「えっ、金って概念あるんだ。」
スライムはバツが悪そうに俯いたまま、2人の会話を聞いていた。
「俺が金を貸してからの2週間、一切連絡がつかねぇからわざわざ返してもらいに来たのによ、こいつが持っていたのなんて貝二つだぜ。おい笑える。」
「貝ってお金なの?」
美夜は尋ねた。
「金?貝が?はっはっは。そんなわけねーだろ。きっとコイツ、それでなんとか誤魔化せるとか思ったんだろうよ。」
緑色の巨体は腹を抱えて笑うと、スライムの頭を爪でつついた。
「・・・それは悪人ね。」
美夜は両手を機関銃の形状にすると、スライムと巨体にそれぞれ銃口を向けた。
巨体はそれを見て騒ぐ。
「おい待てよ。俺はこいつから金を返してもらおうとしてただけだぜ。」
スライムは未だ俯いたままだ。
「ぽに子・・・」
スライムが口を開く。
「ごめん・・・ごめん。」
巨体はそれを聞き、汗をダラダラとかきながら美夜に言う。
「あ、ああ。俺も悪かったよお嬢さん。こいつも謝ってるし、俺もこいつも仲良くやるからよ。」
目を泳がしながら謝る巨体。
当然、上辺だけの謝罪だ。
なんとなく、創世者とやらになってから相手の感情が美夜には分かるようになっていた。
嘘つきはこいつだ。
美夜は構わず、機関銃から弾丸を放った。
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