美夜とぽよぽよ
美夜は夢世を散歩していた。
世界にバラを咲かせながら。
美夜を着いていくように咲き乱れていくバラは、美夜にエールを送る。
「楽しそうだねお姫様。」
木々の問いかけに美夜は答える。
「そりゃそうよ。」
「鉄砲持ってどこ行くの?」
風の問いかけに美夜は答える。
「獣狩り。」
「獣ならあっちの方で見たよ。」
話を聞いていたネズミは自身の後ろを指差した。
「ありがとう、ねずみさん。」
ネズミが示した方向に足を運ぶと、開けた草原に出た。
「よしっ。」
左腕の機関銃を担ぎ上げ、美夜は草原を歩き進む。
5分ほど歩いたところで少し遠い場所から助けを呼ぶ声が美夜の耳に入ってきた。
「僕、何もしてないよ。やめて、やめて!」
か細い少年のような声だ。
美夜は嬉々として声の方向に向かった。
「この辺りだ。」
美夜は声がしたであろう茂みを覗いてみた。
「お前にいくら賭けたと思ってるんだ。クソ野郎。」
まるで岩のような巨体が何かを捲し立てている。
その何かが何なのかは、その身体に隠れて見えなかった。
美夜はかつかつと巨体に近づくと、感情の一切こもっていない声で巨体に話しかける。
「おいこら。」
そして巨体が美夜の方を見ようと振り返ろうとしたその瞬間・・・
ズガガガという音と共に発光し、光が消える頃には顔だった部分は蜂の巣のように穴が空いていた。
ズドンと崩れ落ちる巨体を美夜は蹴って脇にどけると、ようやく助けを呼んでいた何かの方を見た。
そこにいたのはまるで典型的なスライムのような、ポヨポヨと弾む小さく丸い何かだった。
是非リアルな評価、コメント、ブクマをお願いします。
参考にいたします。




