4話
ダンジョン♪ダンジョン♪
はっ!?
ダンジョンとの単語につい浮かれた僕は悪くない…はず。(唐突)
7万人を超えの独立記念セールなんて言葉も聞こえたけど、それ以上にダンジョンですよ。ダンジョン。
ダンジョンと聞いて心躍らない男子がいるだろうか?いや、いない。(断言)
はいそこ、元とか昔の話だろ?とか言わない。
性別が変わったとしても、認めたくないけど女の子になったとしても、少年心って大事だと思うの。
と言うか、ダンジョンって人工的に作れるものなんだね。
や、疑ってる訳じゃあないんだけど、ダンジョン=神が与え給うた試練みたいな…あ、凛様神様だった。
今更ながら、フランク過ぎる神ってどうかと思うの。
なんて光景から目を逸らしつつ、説明を耳にする僕。
ダンジョン設立の最大の目的は人々の強化、死滅の森へ挑める割合を増やすが理念としてあるみたい。
確かに、死滅の森って単語だけで逃げたくなるもん。
僕みたいに足が遠ざかるどころか、逆に向かわせられれば成功だとか御の字ってところだろうね。
何より死亡率の減少。
事故は勿論、最も多いであろう新人や見習い、駆け出しと呼ばれる人達へ実戦…或いはそれ以上の経験を積ませるとの意味合いが強い。
単体、2体同時、3体以上、連携…的な感じでね。
要は、いずれ訪れる脅威へ向けて抵抗力の増大を図ろう、そう言う事なんだねぇ。
なんて頷いてたら、凛様達から温かい視線を向けられちゃったよ。解せぬ。
しかも急に沢山の人が…!
慌てる僕を回収した凛様達と共に、屋敷へ一旦避難。
数時間後に戻ったら、減るどころか逆に増えてるし…。
仕組みが仕組みだし、システムから死亡判定されたら外に追い出される…ココ大事!
あくまで判定であって、実際死ぬには至らない=リベンジ出来るからリスクなんてあってない様なものだよね。
…って、凛様から参考になった経緯を聞いたけど、ルルちゃん何やってるのさ。
仮想魔物相手に暴れ回った?
最後はオーガキングで、プロレスみたいな負け方?
てへーじゃないよ、舌を出すんじゃありません。
可愛いから許すけどこ、今回だけなんだからねっ…え?違う?
「あ、そう言えば。王都にいた時、アンジェリーナ様から声を掛けられたな。」
「何っ!?それは本当か!?」
むむっ、波乱の予感が。
波乱どころじゃなかった。
翌日、そのアンジェリーナ様━━━まさかの王女様でした━━━がご登場。
だけでなく、もう1人の王女(妹様みたい)に、皇子と皇女まで何故か同じタイミングで。
その後には死滅の森探索に行った美羽ちゃん達が帰還。
不満があるのか、火燐ちゃんがぎゃーぎゃー喚きながらだったけど。
次の日には翠ちゃんが進化。
ユグドラシルって、あのユグドラシルだよね?世界樹とかで親しまれる。
異世界もので定番と言うか、割と根幹にある…実際その通りだったし。
んでもって…侵入者?
僕達が住んでる土地に、外部から入り込んだ人が出たみたい。
ルーカスさん、カインさん、サイラスさん、イライザさんの4人で、パーティー名は『虎狼の牙』。
女性のイライザさんだけはダサいと思ってるみたいで、でも多数決でその名前になっちゃったそう。彼女だけ不服そうにしてた。
サルーンの運動場で実力が上がり、実際に試したいからと前から気になってた高い壁を乗り越えたんだって。
普通に犯罪だし、お偉方のありがた〜いお言葉で分かって貰えたみたい。
青い顔で俯いてたけど、まぁ自業自得って事で。
結果的に、彼らは外部委託って形で(有無を言わさずに)雇い、警備の仕事に就職。
給料良いし、福利厚生もだから大喜びしてた。
ルーカスさん達は好奇心、次こそが本当の侵入者。
完全に悪意しかない人達がサルーンに来た。
お昼の時間帯だからか、まずは昼食からなのがちょっとだけ面白かったけど。
昼食と言えば、王族皇族のロイヤル組も楽しんで…おっと、呼ばれちゃった。
相手は…凛様?
何だろ、取り敢えず行ってみますか。
「凛様ー、来たよー。」
向こうが手を挙げたのでハイタッチで応対。
「その顔…まさかヒナか?」
え?どうして前世の略称が?
なんて考えながら口にした男の人、アレックス第3皇子を見てみるけど…知らないなぁ。
あ、でも…
「…もしかして、トモ?」
って答えたら、いきなり抱き着かれた!?
そゆとこやでぇ、自分…っと。
つい関西弁が出そうになっちゃった。
生前住んでたのは東京。
母の妹さんが大阪で、軽くうつりかけたんだよね。
今の性格になったのも叔母さんの影響だし、矯正もされたけど。
だから油断するとたまに出ちゃう時が…気を付けよ。
ともあれ、トモは相変わらずだなぁ。
勿論、モールス信号みたいな笑い方も。
いや、それこそ直そうよとの話なんだけど、本人が気に入ってるから直しようがないんだよね。まぁそれで良ければこちらとしては構わない…のかな?
あぁ、でもやっぱりトモといるのは楽しい。
そうそう、折角だからコレを飲んで貰おう。
テテテテーーーン!
と言う訳でハイ。
「何だコレ?」
「良いから飲んでみて。」
「いや良いからって…匂いは…甘い?果物みたいな…!まさか、ノーp」
「ドク◯もどき。」
「そっちかよ!?ん?もどき?」
「ミスターペッパーって言う、水に漬けると出来上がる草が死滅の森中層に生えてるらしいよ?凛様曰くミスペだって。」
「ミ ス ペ !!完っ全にネタじゃねえか!」
あらら、お腹抱えて笑い出しちゃった。
なのに零さないとか無駄に器用。
でもね、意外と栄養あるんだよ?ビタミンとミネラルが豊富だし。
特に、揚げ物狂いで野菜を摂りたがらないトモにはピッタリだと思うの。
「揚げ物狂い言うなし。」
ミスペを飲みながらトモが1言。
懐かしい味だぜ、と漏らす彼の通り、味はド◯ペ似ている。
この、妙な薬っぽさが良くも悪くもと表現したいんだろうね。
ついでに、水に漬けるだけなのに泡が出るのも不思議。
コーラは良く飲んでた(今もだけど)し、火燐ちゃんが手作りのコーラ。
クラフトコーラにハマってるって言ったっけ。
「その話詳しく。」
コーラも揚げ物と合うもんねー。
性格も似てるし、あっという間に仲良くなれそうな気がする。
「ほらほら見てみてー、僕のお気に入りーーー!」
「うおっ、少しみじけぇけど刀じゃねぇか!しかも2本!」
「へへー、でしょでしょ♪これはねー、特殊加工したアダマンタイトに隕鉄を混ぜたものなんだよっ!」
刀を羨ましがるトモに、手裏剣と苦無も見せるのだー。どやぁ。
「…マジモンじゃねぇか。さっきの刀と言い、てっきり本気でコスプレに目覚めたのかとばかり思ったぜ。」
「コスプレって…酷いなぁ〜。」
いやまぁ自覚はあるけど、にしたって言い方…。
「銃か〜、まぁ確かにあると便利だろうね。」
コレは嬉しそうに(懐から)出したトモへの答え。
彼の持つ銃…魔銃は護身用の魔道具で、対魔物への備えとして販売。
いかなる理由があろうが、人へ向ける行為は禁止にしてる。
自衛目的で〜を口実に、言い逃れする人が確実に出るからとの処置なんだって。
どこの世界にも悪い考えの人が一定数いる、残念だけど仕方ないよね。
それからもトモ、アレックス第3皇子殿下との話は弾んだ。アイテム袋についてとか。
「けどそうかー、もうヒナって呼べなくなるのかー。」
「だね。でもそんなに残念がる事?」
「皆へ気遣えるヒナ…ステラにピッタリだったからな。影に日向に誰かを支えて欲しい、が親父さんの願いだそうだ。」
初耳ですけど?
普通、実の子供に伝えるべきじゃないの?え、恥ずかしかったから?なんだかなぁ…。
「…ステラ様。」
「ん?」
「怪しい動きをした者が3名。今は拘束して尋問中です。」
「分かった。引き続きお願いするね。」
「はっ。」
僕と同じ黒装束の猫獣人がスッと現れ、短いやり取りの後にその場から消え…
「殿下。お耳に入れたい事が━━━」
「そうか。その件はお前に任せる。やりたい様にやれ。」
「畏まりました。」
なんて、トモが従者らしき人とやり取り。
それら含めて呆れ半分、笑い半分で盛り上がる僕ら2人に帝国侯爵令嬢アイシャ様が混ざり、軽くカオス状態に。
けど話へ夢中になるあまり、雫ちゃん達がライアンさんに消毒用アルコールやら水を落とす場面は勿論。
物凄い目付きでこっちを見ている人がいる事に、3人共気付かないのでした。
後に出会う、エセ関西弁っ子とのファーストコンタクトがこちら↓
「邪魔すんでー」
「邪魔すんなら帰ってー」
「そうかー、分かったわー。ほななー…ってなんでやねーん」
「はっ…!つい甥っ子姪っ子が来た時の反応が出てしまった!」
「よー分からんけど姉さんオモロイなー」(ケラケラ)




