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1話

皆やほーー、ステラだよーーー!


え?知らない?

むしろお前誰だよって?


何と、このプリティーキャットガールステラちゃんを知らない、だと…って。

ちょっと雫ちゃん、変なカンペを出さない。


え?面白そうな気配がしたから来た?


多分勘違いだよ。

むしろ話が進まなくなりそうだから、今はあっち行ってて。


「むぅ、ケチ。」


むぅ、じゃないしケチでもありません。

全く雫ちゃんは…。


さて、今出て来た女の子はひとまず置いておくとして。

いきなりだけど本題に入らせて貰うね?


僕の()()の名前は佐藤(さとう) 日向(ひなた)

ヒナとかヒナちゃんって呼ばれるけど、これでも一応男だったんだよ?


男だった。

そうなんだよ、ちょっと聞いて聞いてー。


前世…あ、日本にいた時の話ね。

前世ではたまに、いやちょこーーーっと女の子と間違われる事はあったんだけど、それでも性別上では男で過ごしてたの。


でも高校に上がってしばらくした頃。

幼稚園からずっと一緒の親友が事故で亡くなっちゃってさー。

ショック過ぎるあまり、自分も事故で死んじゃった。


あはは♪


いや、ホントは笑ってる場合じゃないんだけど、笑いたくなる状況になっちゃったんだよ。


と言うのもね…




「ようこそリルアースへー♪」


なんて言いながら、すんごい綺麗な白い人(?)が楽しそうにクラッカーを鳴らすんだもん。

その音にビックリして飛び上が…飛び上が…あれ?


体中が痛く、ない。

確か、車とぶつかって意識が朦朧としてた様な…。


と言うかここどこ…って。

何か女の人の後ろに『ようこそ、地球の方!我々は貴方を歓迎します』って横断幕が!

それもデカデカと!


一体どこから吊り下げて…え、ワイヤーとかは使ってない?

魔法的な力が働いてて、実は意外と疲れる?


へー。


ならやらなきゃ良いのにって思ったけど、口にしない方が良さそうなのは分かった。


だって『やりたくてやってる訳じゃありません』って顔に書いてるんだもん。

下手に突いて不機嫌になられでもしたら困るのはこっちだろうし、ひとまず黙ってようっと。


そもそも、絶対あれ僕用じゃなくて既に何回かは使い回してるとかだよね。

良く見たら汚れてる箇所がいくつか…ん?日本人じゃなくて地球人表記なんだ。


って事は、アメリカとか中国とか、イタリア辺りからも来る可能性がある訳か。(※正解)


何はともあれ、ここって夢の世界とかですよね。

ちょっと色んな意味で衝撃が強く、現実世界に響きそうなので、すみませんが寝させて貰っても良いですか?


「ダメです。貴方様は亡くなられてここにいますので。それより、普段でしたら『やった、異世界だ、チートだ』なんて喜ぶ場面なのですよ?」


そうなの?

ごめんなさい、友人を亡くしたばかりで心に余裕が…。


「ふむふむ、佐藤陽向様と仰るのですか。見た目に負けない位、可愛らしい名前なのですね。髪の色と同じ、猫獣人辺りが似合いそうです。」


どうして僕の名前…。

それよりもちょっと待って。

今絶対僕を女だと━━━


「ではそう言う事で〜…あら、二階堂智也?どこかで聞いた様な…どこだったかの。」


ちょっと!

そう言う事って何!?

扱いが適当過ぎません!?

それに口調!口調変わってますよ!


それにトモ(二階堂智也)の名前を知ってるって、そこが1番知りたいんですけど!

あ、なんか意識が━━━




おぎ()ゃあ()!」


え?あれ?

さっき(天界)と場所が変わってる?


「あなた!ステラが…!」


うわ、西洋人っぽいお姉さんだ。

多分だけど20歳いってない?


なのに赤茶色の髪で猫耳…猫耳?

そう言えばさっき猫獣人がどうとかって━━━


「ああ良かった。」


あ、今度は銀髪のお兄さんだ。

こちらは20代前半って感じ。


やっぱり顔立ちは西洋人だけど猫耳がある。

しかも灰色と黒…アメリカンショートヘア?


後、女の人があなたって言ってたし、2人は夫婦なのかも。


「生まれてから産声どころか全くと言って良い位に泣かないから心配だったが…これからは必要なさそうだな。これも神の思し召し、か?」


ちょ、ちょっといきなり抱き抱えようとするとか何!?

平均男子よりも軽いとは言われるけど、そこそこ重く…なさそうですね、はい。


むしろ軽々と持ち上げてるみたいだし、実は凄い細マッチョとか?


「ステラー、お父さんだぞー。女の子だろうが関係なくすくすく育ってくれよー?」


「もう、あなたったら。」


お父さん…それに女の子!?

うわ、手ぇちっちゃ!

え、僕、赤ちゃんになっただけじゃなく性別まで変わっちゃったの!?


…的な感じで。

女っぽい男の子から、正真正銘女の子として生まれましたー。(棒)

それも本当に猫人として。




ガッデム!

おのれ白い人(?)め、許すまじ。


猫の獣人はまだ良いとしても、性別変えるのはダメでしょーーー。

それも確認も何もなしでさー。


ヒナちゃんって女の子っぽいよねー

それに、実は猫の生まれ変わりとかー?

まっさかー、はははっ


なんて冗談交じりで話してたのか、全く笑えない状況になったじゃない!

次会ったら文句の1つでも言ってやるんだから!


あの後、ショックで大泣きして2人を困らせたけど、僕は悪くない。

悪くないよね?




「ステラちゃん、いつもありがとなー。」


「いえいえー。」


そんなこんなで優しい両親の愛情を一身に受け、すくすくと成長しました、ハイ。


僕は右手を挙げるおじさんに手を振って応える。

これはお肉を渡したお礼から来てて、あんな風に喜んで貰えるとこちらとしても嬉しい。


3歳位の頃に分かったんだけど、どうやら僕にはスキルがある。


それも少しチートに近いスキルが。

闇と水を操りやすくなるってもので、1番の利点は影に潜れる事。


こちら(影の中)からは相手が見えるけど、向こうは見えない。

つまり安全な位置から、それも一方的に相手を攻撃出来るのは大きい。


影の中だと自動車並の速度で進めるし、飲み水だってその場で確保出来るから、少し位なら遠出も可能。

おかげであちこちで魔物を狩り、村の食料事情を改善出来る様になった。


勿論この事は皆へは内緒にしてるけどね。

だって、本格的に活動を開始したの5歳を過ぎてからだし。


普通なら間違いなく村の外に出れないし、注意とかされるレベル。

こう言う時、前世の記憶様々って感じだよね。


ただ、良くある知識無双…例えばマヨネーズなんかは無理だった。

まず、材料が高い。

物凄く高い。


なのに衛生面や鮮度的にちょっとと言いたくなる位、管理が杜撰(ずさん)

冷蔵庫なんてものは当然ないし、食中毒を引き起こすかもとの懸念から控える事にした。


うぅ…生前の食事が恋しい。




話は戻って。

見た目5歳の幼女が、スキルの練習がてら魔物の相手をして来る…なんて言えるはずもない。

それでも折角得た自衛の手段だし、使わないのは勿体ないので目一杯活用させて貰ったけど。


最初に戦ったのはホーンラビット。

家に魔法の扱いに関する本がなく、仕方ないから野球ボールに近い大きさの闇の魔力をぶつけてみたんだけど…結果は大失敗。


原型を全く留めていないどころか、木っ端微塵になっちゃってさ。

気持ち悪さがずっと残ったせいか、3日位ご飯が喉を通らなかったよ。


それを教訓に、極力傷は付けない方向へシフトしたのは自分なりに正解だったと思う。

(絵面が酷いとの意味で)見せられないよ!ってならないのもだし、罠だったり。

ピンチの時は囮としても使えたからね。


ただ、8歳の時に村を襲った狼達を倒して実力がバレてからは話が早かった。


狩った獲物は影の中に入れられるから、今みたく猪の魔物(ファングボア)を同じ村に住むおじさんにお裾分けしてるって訳。

残念ながら影に入れる収納方法(僕は影収納って呼んでる)は時間停止とかの機能は付いてない。

だからなるべく早く捌き終えたい気持ちから出た行動とも言えるかも。


その猪や狼の魔物もそうだけど、今ならゴブリンとかコボルト位なら何体来てもへっちゃらだし、年齢の割にはそこそこ強くなれたんじゃないかな?


(トモ…)


そうした時にふと思うのが、日本では10年以上の付き合いのある幼馴染━━━トモこと二階堂智也の存在だ。


あの白い人(?)はトモを知ってる風な口振り。

つまり、トモもこちらの世界に来ていると考えて間違いないと思う。


ただ、村は閉鎖的…とまではいかなくても、出て行く人は少数。

農業を生業にしてて、物々交換が基本だ。


長閑(のどか)を通り越して辺鄙(へんぴ)な場所にあるからか、行商人が来るのも月1回程度。

外の情報はほぼないに近いみたいで、当然トモの消息について何も得られていない状況なんだよねぇ。


そんな僕は現在、14歳。


誕生日を明後日に控えてて、15歳になったら(父さんと母さんには悪いけど)村を出るって話は付けてる。

半年から1年に1回は里帰りするが条件だったけどね。


それだけ大事に想われてるって分かったら涙が出て、まさか父さん達にも泣かれるなんて予想外。

まぁ、更に嬉しくなったし、何が何でも生きて帰ると前向きになれたのは良い事だと思う、うん。


まずは大きな街へ向かい、そこでトモに関する情報を得る。


当時はそう思ってたんだけど、まさかその次の日に運命の出会いをするなんて予想すらしなかったよ。

続きそうな雰囲気を醸し出しつつ、次回投稿予定は不明ってゆうw

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