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96/100

96.VS 黒灰にして終焉の魔王カイン②



 俺は他の奴等と同じく強くなりたかった。

 妹も同じ道を目指した。


 その結果、俺は頂点には至れなかった。

 それが、それが……俺は、俺は……納得できなかった。

 だから……俺に奴が契約を持ちかけた時、俺は迷わず、それを承諾した。


 俺が生まれた時から願ったことが遂に手の中に……。


「がはッ――」


 流石の神器を兵器として扱う戦法は『終焉の魔王』の身体に効いただろう。

 明らかに吐血している。


「ふッ――」


 その大きな隙を見逃すことはないミーシャは《聖魔剣ミアルス》を手に斬りかかる。

 これまで蓄積された思いが殺意へと変換された激しい感情、そこから解き放たれる神速の斬撃。

 カインの実力とミーシャの実力はハッキリ言って素の戦闘技術、戦闘能力はミーシャの方が上だ。


 ただ『終焉の魔王』の力を手にしても扱う者次第ということだ。

 実力が高ければ、良く扱えるし、悪ければ、上手く使えないだろう。


「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」


 隙をつかれて身体を切り刻まれる。

 痛みに押されるが、それを押し返して力を放つ。


 ドゴォンッと強い衝撃が走り、ミーシャは吹き飛ばされる。


「ぐッ、ぐあッ……」


 剣を地面に刺し、半壊している城へと落ちずに堪える。


「ぐッ……クソ、まだまだか」


 自分の持てる力を出しつつあるが、やはりまだ打倒できる可能性は半分も届いていない状況だ。

 ミーシャの魔力量は『終焉の魔王』に次ぐ魔力量を誇る。


「ん……け、結構速いな?」


 ミーシャは後方から何かが何者かが来るのを期待していた。


「お前……魔王の手下じゃないのか?」


 そう、勇者アウレスだ。

 恐らく魔王に対抗できる唯一の存在だ。


「そうだよ。これで分かってくれた?」


「ん……まだ確信はないが、今は魔王を倒すことだ!!」


 流石、正義感が人間の中で最高の野郎。

 目の前にいるのは明確な悪であり、勇者が存在する起因でもある魔王だから自然の流れだろう。


「じゃあ、そっちは頼むよ」


 ぶっちゃけ、カインに関してはそこまでだ。

 二千年前、『終焉の魔王』がアビルス様だった時には反逆することもなく、ただ結果的に自分が死にぞこないとなり、ナイラが手を貸したからであり、この原因はあの女だ。


 だからカインにはそこまでない。

 二千年分の怒りは、全て奴にぶつける。


「おい、お前はどこにいくんだ?」


「私はこの事態の元凶を殺しに行くの!!」


「まだ、お前との関係は終わっていないからな!!」


「あっそ……あ、その前に――《天聖身体ヘブンリィ・ボディ》」


 一応、支援をしておく。

 これで負けたら、元も子もないからな。

 『終焉の魔王』カイン・シィル・ルヴォロワールの事は勇者に任せてミーシャは姿を消した『破滅の魔女』ナイラ・ディルリオンへと向かう。


「どこに行った?」


「リーネ達は、大丈夫か……え~と……」


 見つけた。

 予想外だっただろうか。


 だがもう逃がすわけがないだろう。


「さぁ、『破滅の魔女』ナイラ・ディルリオン。終わりにしよう――」




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