81.VS 神典協会直属最強部隊②
「地上で攻めるぞ!! ガムルド・カズザルドの後ろに!!」
「へぇ、指揮官は優秀かな。慌てて、逃げるかと思いきや、でもそんなことが叶うとでも――《重力操作》」
上空にいるミーシャ。
地上にいる最強部隊は上へと舞い上がる。
数人は逃れたのか、残り八人中五人。
「あれ、見たことのある顔」
そう、確か『神典協会直属最強部隊・第四席』ファルス・ロンバルトだ。
剣と魔法を両立させているミーシャなら、空中戦もお手の物だが、ただの剣使いならもう何もできないだろう。
「さぁ、無残に死ね!!」
冷酷の少女。
最初に対峙した時に察していればよかった。
彼女、目の前にいる少女に勝てるものなんて誰もいないということを……。
「中位魔法――《天聖渦》」
「クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ――――」
ただ光の渦が迫るのを見ることしかできない。
これが本気だが、しかし全力ではない。
ファルスの絶叫、また一人が消えた。
「嘘、貴方は」
「――《獄炎》」
そしてまた一人、『神典協会直属最強部隊・第五席』であるハルルト・ミーレイスが獄炎に焼かれ、朽ち果てる。
「うぉぉぉぉぉッ!!!」
背後から大男が大斧を振り下ろす。
だが少女の手にする白い剣で防ぐ。
『神典協会直属最強部隊・第十席』であるバロウル・バーミッシュは自分の一撃を容易に受け止めたことが本当に受け入れられない。
認めたくない。
人類最強の部類に入るだろう部隊、全員で対峙しても絶対に覆ることはない存在が眼前に存在し、その容姿は予想もつかない少女の姿。
男はもうわかっている。
絶対に勝てないことを……。
「潔い良いな」
その瞬間、大男バロウルは氷結に包まれる。
上位魔法――《氷結粉砕》を発動し、大男は粉々に砕けて散った。
「あぁぁぁぁぁッ!!!」
『神典協会直辱最強部隊・第六席』である暗殺者ベロウス・ファムルスが狂乱に陥る。
「上位魔法――《大地操作》」
大地の一部が二つ、浮遊し、暗殺を押しつぶす。
「最後の一人……」
秒単位で最強部隊を一人一人瞬殺する。
上空へ浮いた五人の最後の一人『神典協会直属最強部隊・第二席』ガムルド・カズザルドの方を向き、彼は盾を構える。
もう成す術などない。
「――《閃光大剣》」
その手に閃光の大剣を出現させ、ガムルドに投擲しようとした瞬間、ミーシャは炎に包まれる。
残りは四人。
その内に魔法使いがいることに気付く。
「中位魔法――《獄炎渦》」
地上から炎の渦が打ち上げられる。
「上位魔法――《不動水盾》」
水の盾が獄炎を防ぐが、相性から完全に防ぐことが出来ない。
だがこれは防御に使用したわけではなく、相手の魔法の実力、その威力を測ったのだ。
「いいね。流石、流石……――《氷結千槍》!!」
天空に展開され、広域に氷の槍が降り荒れる。
上位魔法――《重力操作》の効果が消え、ガムルドは地上に落下する。
ミーシャも地上へと降り、早くも戦いは終盤となる。
残りは大盾、魔法使い、リーダー、それと吸血鬼?
すぐに態勢を整え、リーダーであるアリアが前に出る。
やる気なのは、あからさまに分かっている。
「ここで、聞こうか……依頼主は誰だ?」
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