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66.退魔の御伽噺



 この国には魔という人を食らい、闇を巻き散らすという行為で国を覆すものが存在していた。

 闇に似た力を使い、人々に危害を与え、魔は悦に浸る。

 剣を持つ者達は対抗したが、人の域を超える力を持つ魔に対抗できるほどの力を昔の人々は備えてはいなかった。


 そのため人々は時間の経過とともに国の一端へと追いやられた。

 この事態を解決する方法は剣を持つ武士だけが戦う手段を持ち、全滅すれば女子供では成す術もない。


 そんな事態になり、武士の中でも名高い者が武器を製造する鍛冶師と相談し、通常の武器では効果が今一つなのなら、新たな武器を作ればいいと……。

 通常の金属ではなく、魔に通用するもの……。


 しかしそんなものは簡単には手に入ることなんてない。

 ここら辺の金属は取り揃えており、吸血鬼に通用すると言われている銀も効果はなかった。

 だがここまで魔に通用するものが一つもないかと言われればそうではなかった。

 魔の侵入を一時的に止める結界。

 聖なる魔力に目を付けたが、それは闇を払うものであり、魔という亜種のようなものには今一つなのだ。


 邪悪なものという点では共通しているが、それでも少し成り立ちが違えば、効くものも違う。

 人間でいう好き嫌いというものだろう。


 結局、解決方法はなかったが、その時期に魔の方から提案として紙に文字を記したものが送られてきた。


 その内容は全滅を防ぎたければ、生贄として若い者を差し出せと……。

 それはこの国を救う唯一の方法だった。

 一人の命で国の安全が保たれるものだが、当然信じられないものもいた。

 話し合いの場は混沌化し、これでは埒が明かないのは周囲の者達は思うのも時間はかからなかった。


 その時、一人の女が行くと挙手した。

 その女は神に仕える巫女だった。

 魔に捧げられる生贄が神に仕える者という侮辱のようなものだが、生贄だなんて他の誰もやりたがらない役目を彼女は進んでやろうとしたのだ。


 彼女の本心。

 それは本当に自分が育った国を救うために少しの可能性でも縋りつく。

 ただみっともないと言われればそうだが、彼女はそれでも自分の身を捧げたのだ。


 そしてどうなったのか。

 彼女はその身を魔の首領がいる洞窟の奥に連れられて全身を燃やされたのだ。

 それは正に生贄だった。

 何でそんな方法なのかは知らないが、そこで事件は起きた。


 その巫女が炎に包まれた瞬間に大爆発が起こった。

 それはまるで最後の最後で抗ったような事態となり、洞窟内に満ちた爆発は退魔の特性を秘めており、魔の首領も傷を負う事態となった。


 その結果、魔の首領は人間達は自分達に有利に効くものを持っていることを恐れ、一時は襲撃を控えるようになった。

 その隙に過去の者達は洞窟の中にあった鉱石を調べ、精鋭人の数人に退魔の鉱石で鍛え上げられた刀を装備させたことで戦力は拮抗し、退けるに至った。


 そして長きに渡り、一人の武士が魔の首領の所に辿り着き、それを打倒して今に至る。

 今でも魔という存在はいるが、強大な出現はしていない。


 だからか、退魔の特性を持った鉱石も発生していないと言う。


「情報はこれくらいだ。その洞窟なら、あの一際目立つ山奥にある……お主なら魔力関係で何とか出来るだろうが……期待はしないことだな」


 ミーシャは情報をもらい、鍛冶師の家を出る。


「ミーシャ様、早速行くのですか?」


「そうだね。行ってみよう!」




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