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64.必要なもの



 そんな三十年前の話をミーシャ直々から聞いた現在の弟子二人は驚愕する。


「え……じゃあ、師匠の初めての弟子は?」


「私達は……」


「い、いや……あれは弟子と言うより友達だったし、ただ剣技を編み出す時に口を出しただけで責任なんて自覚もなかったし……」


「そうだな。一言でいうなら無邪気だった」


「そうそう!」


 ミーシャの認識は本当に友達関係だった。

 嘘偽りなく、師匠という気持ちになったのはリーネやシナの時が初めてなのだ。


「そんなことより、弟子に少し力をつけてほしいんだ。いいよね?」


「……あぁ、ってか何で戻って来たんだ?」


「まぁ、色々あって……ここに滞在しているのは必要なものがあるから、今では武道の天才と言われている君が拒否するわけじゃないよね。それとも君がかつて師匠と認識していた人物の頼みだよ?」


「ッ……あぁ、分かった。俺のやり方であるがいいな?」


「うん。じゃあ私はやることがあるから、二人共、頑張ってね! 少し投げやりだけど私も大変なことがあるから」


「分かりました。師匠、頑張ります」


「私も頑張る!」


 そうしてミーシャとアカリは道場を出て、話し始める。


「ミーシャ様、戻られた理由は何ですか?」


「武器製造を、試したくて……ここ一番の鍛冶師、ガラクドは生きている?」


「はい、まだまだご存命ですよ」


 正直、今のミーシャに鍛冶師なんて必要ない。

 今までも神器の製造は自力で、独学で、完成させてきたミーシャという人物が今頃鍛冶師に何以下を必要するとは思えないが、ミーシャが必要なものはこの国特有の武器の特徴と新たな製造の方法と改良を目的としたものだ。


 あと一つくらいは手札を持っておきたい。

 一つは自分の白い杖、一つは《聖魔剣ミアルス》、一つは《死神大鎌グリムリーパー》と一つは《大地元槍アステラード》と四つあるが、今回は退魔に特化したものが欲しい。

 魔王軍、幹部と戦うなら絶対に効果を発揮するものが必要不可欠だ。


「退魔のもの……もう時間はあるようでないからね」


 ミーシャはこの先の事を常に考えている。


 この修行が良い結果になることを祈り、自分の必要な案件が上手くなることを祈り、ミーシャは全てを決意してかつての仲間、そして黒幕であろう奴を倒す。


 それを絶対に成し遂げる。


 ――命を懸けてでも




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