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61.異邦の国



 丁度いい温度、涼しい風。

 サクラという樹から桃色の花が咲き誇る時期、宿屋の窓から宙に舞うのが見える。


「ん……朝、か」


 ここに来て、数日が経った。

 まずの目的は休息だから、ミーシャは長年の疲労を回復する。


「師匠、おはようございます!」


「ミーシャ様、おはようございます!」


 ハウレスレイブからルナ・ヴェルバーディアの背に乗って一日で桜花の国に到着した。


 ここには独特な文化が根付いているのが、特徴だ。

 片刃の剣の刀や武器製造に関しては他国に比肩する技術力を誇り、他国からその技術を欲しがるほどに貴重なものだ。

 武器製造は材料で芯を、構築する際に魔力を込めることが基礎となる。

 神器級の武器を製造できるのなら、その鍛冶師は魔法使いと同じと言われるほどに精密な魔力操作が必要となる。


 あの白い杖を完成させたのは、何十本も事前に神器級に次ぐ武器を製造し、数々の成功の上にあの白い杖を完成させた。

 一度、作った感覚を忘れずにミーシャはもう一度神器を作れと言われたら確実に製造できる世界でも一人いるかいないかの人物だ。


 布団から起きるとすぐ隣に二人はいた。

 師匠として純粋に慕っている。


「おはよう、二人共」


 金色の長い髪を靡かせて、重たかった身体が軽くなっていることを確認して起き上がる一人の魔法使い。

 人間の技術は形として武器製造、力として魔法が発展してきた。

 魔力から成る魔法。

 組み上げ、それは魔法となり、属性、系統からなる魔法で適正者は会得してきた。

 先人が築き上げてきたものを手に取り、新たなものへと改良することもできるが、まずはそれを極めることだ。


 三人はこの国の部屋着である浴衣を着ている。

 一枚の服、初めて着た感想は清々しい感覚で何も着ないのが風潮のようだ。


 こんな文化は他の国では決してないものだ。

 だからこそ、文化を楽しむ人ならば、観光としていいかもしれないが、位置的にハウレスレイブ山脈を乗り越えないといけないから、現状は無理だ。

 山を切り開くことをしなければいけないが、それは竜種が良いとは言わないだろう。

 彼らは生物の中で頂点に君臨し、最強であり、他国からむやみに手を出さないようにしている。


 神に次ぐ存在として崇められていることはあるが、人間と共存しているわけではない。

 立地の問題であのハウレスレイブ山脈全体に竜種が住み着いているため、迂回していくしか方法はない。


 現状はここは他国が侵入することは不可能だ。

 特殊部隊とか、軍勢でなければ悟られず乗り越えられる可能性はあるが、あの竜種たちもただ呑気に住んでいるわけでもなければ、感覚という能力も生物として優れているため、基礎性能で周囲に生物が存在するなら、感知できる。


 だから見つかったら、終わりなのだ。

 過去の前例で他国は絶対に近寄ろうとしないが……なら、私は言いたいことがある。

 だったら、竜種よりも凶悪って謳われている魔王様の領土に普通に侵入したのは何故だと問いたい。


 今、思えば勇者が居たからと舐められていたのだろう。

 確かに勇者は魔王のカウンターになる存在だ。

 何故、そんな存在が都合よくあらわれるのか不思議だった。魔王様はこの世界の理って言っていた。つまり原因は分かっていないのだろう。


 さて、話を現状に戻すが、休息と戦力の強化。

 私もそうだが、弟子二人のことも強化しないと魔王様の幹部達を相手にするなら、それくらいは必要最低限だ。


「さて、今日から始めるとしようか!」




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