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54.四大竜



「お前は私に負けた。じゃあ私の言うことに答えて」


「……答えられることなら」


 氷竜ヴィーゼは致命傷を受けて、地面にへばりつく。


「竜剣はどこ?」


「……この奥に進めば、竜剣が眠る迷宮に出る。竜王は娘を利用して竜剣の力を利用、上手くいけば我が物としようとしている」


「そんなこと出来るのか?」


「血縁関係なら、繋がりを持つことは可能だろう。つまり娘をとことん利用するということだ」


「まさか竜王があんなに外道とは」


「まぁ、力も地位もあっていい気分になったんだろうよ。先代の竜王の息子とは到底思えないがな……竜王は生物として気高くなければ統率は出来ないと思うが……恐らく」


 傷ついた氷竜ヴィーゼは何かを勘づく。


「どうした?」


「……竜王の死因は急死。寿命は俺と同じ数百年もあっただろうが」


「まさか父を殺したの?」


 彼の言葉から何を予想しているかミーシャは言い当てた。

 断片的な情報しかないが、可能性は高い。

 あの竜王のクソ度が上がっただけだが、それと同時に殺したい欲が強くなった。

 なら、迷宮を出て、奴の首をブチ斬るしかないが、流石に何も情報がないのは不安だ。


「じゃあ今から竜王を倒しに行くが、何かアドバイスとかないか?」


「そうだな。貴様の奥の手があれば大丈夫だと思うが、この我を倒したのだから、しかし貴様でも上位竜たちをまとめて相手取るには死神のような即死級の攻撃を全体に齎すことが出来れば、手っ取り早いだろう」


「簡単に言ってくれるな!」


「ハハ、貴様なら容易いことだろう? 恐らくこの迷宮に転移しなかったら、あいつの側近を一瞬で切り殺し、竜王の首を絶てるだろう?」


「……あいつを殺したら、お前は竜王にならないのか?」


 普通に考えたら竜王と同じく四大竜に数えられている個体が指導者として立つと思う。


「いや俺には似合わない。やるんだったら、炎竜フレイが指導者として立つだろう。あれが竜王となって俺達、炎竜フレイ、風竜エール、そして俺はずっと不信感を感じていたんだよ。あの女が来てから、更に増し、俺達は距離を置いていた」


「へぇ~……あの女、なるほど。恐らく魔法を使えない竜種に魔法を提供したのはあいつだろうな。クソ野郎が……」


「ん、憎しみだな。それくらいの理由が貴様にあるのか……あれは、見た目は人間だったが貴様のように強者の感じがしたぞ」


「まぁ、強くなかったらあの時代を生き残っていないから」


「……用が済んだなら早く言った方がいい。竜剣の融合はどのくらいか分からないが、あの子ならそう遅くはないだろう」


「わかった。リーネ、私が戦って、シナを救ったらすぐにルナを呼び出して戦線を離脱して」


「師匠……分かりました。任せてください!」


「では、行け。我はもしもの時に備えておく」


 そう言い、氷竜ヴィーゼはミーシャ達を送り出した。


 彼は先代の竜王と同じ世代であり、彼にとっては自分自身の存在を保つ役割をしていた。

 『四大竜』に数えられる条件としては実力主義である他の竜種、上位竜が竜王の戦闘力に比肩する実力の個体が登録される。


 氷竜ヴィーゼもその一体。

 彼も奴が竜王になった経緯を不審に思っていたが、竜王の最大の強みは権力と力。

 奴からしたら『四大竜』の他の竜は力があっても権力がないため逆らうことはないから何も言うことはしない。

 実際そうだ。

 自身の地位が『四大竜』として支えられているだけに過ぎない。


「……分かった。せっかくだから私がこの状況を変えるよ!」




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