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52.VS 氷竜ヴィーゼ①



「少しは楽しませてくれよ!」


「私の方こそ!」


 戦闘開始と同時にヴィーゼは翼を広げ、羽ばたく。


 その動きで風、いや冷気が迫るが《絶対身体アブソリュート・ボディ》の効果で大抵の攻撃は受け付けない。

 そして絶対的な力……。

 スキル――【万能領域】である程度の弱体化、そして自身の強化が期待できる。

 

「ッ――ハァァァッ!!」


 ミーシャは《武器召喚サモン・ウェポン》で聖魔剣ミアルスを手に地面を蹴り上げ、一気に氷竜ヴィーゼの頭部へ一気に迫る。

 それと同時にヴィーゼは氷の吐息の咆哮を放つ。

 空間を削るような凄まじい音、空間そのものが凍り付く。構わずミーシャは突っ込み、すぐ後に剣がぶつかる音が聞こえた。


「硬い……」


 すぐに地面に足を付け、そう呟いた。

 一撃で殺せるはずがないのは分かってはいたが、さすが『四大竜』の一角だ。ミーシャが扱う武器《聖魔剣ミアルス》はこの世界に存在する武器の中でも最高クラスの威力を持つが、『四大竜』のほどの個体ならこの武器でも決定打にはならないのか。

 でも、時間次第で何とかなる。

 彼女の奥の手と言われる力、スキル――【万能領域】が発動しているなら、勝ち目はある。


 だがこの状況で時間を無駄遣いなどできない。


「上位魔法――《死神召喚サモン・リーパー》・《武器召喚サモン・ウェポン》」


 ミーシャは囮役として上位魔法の死神召喚と同時に《死神大鎌グリムリーパー》を召喚する。


「命令……行け!」


 脳内で命令をしたのか、黒いフードを被った骸骨、上位種の死神が《死神大鎌グリムリーパー》を持たせ、二人は散開する。


「ほう、死神か……。それは貴様だけで我を倒せないということか?」


「上位魔法――《暗黒領域ダークネス・フィールド》」


 今回は目くらましのために使用する。

 絶対に惑わせるとは思えないが、一瞬だけでいい。

 相手には対策させない。

 まぁ、見た目通りに氷系統の魔法しか使用できないのなら、これで倒せる可能性は高いだろう。


「ハァァァァァッ――」


 咆哮とともに《聖魔剣ミアルス》を振り下ろす。


 だが氷竜ヴィーゼは自分の腕で受け止める。


「ぐッ――」


「良い剣だ。我の鱗をこうも容易く砕くとは……だが足りない」


「ふ、そんなの分かっているよ!!」


 ここは長きに渡ってこの氷竜の魔力が満ち、他者が行う魔力操作を妨害してしまう。

 それはミーシャも同じであり、長い時間固定された一種の魔力を動かすには膨大な魔力が消費する。


 こんな不効率なことなんてやるわけがない。


「ガァッ――――」


 氷竜ヴィーゼが悲鳴を上げる。

 死神の《死神大鎌グリムリーパー》が竜の背に炸裂する。


「それは竜種であっても効くでしょ!」


「グゥゥゥッ……」


 もう既にミーシャのスキル【万能領域】は発動済みだ。

 これが発動されたなら、長期戦になればなるほどに発動者であるミーシャが有利になっていくスキル。

 千年単位で生きてきたからこそ、このスキルを生み出すことに成功した。

 天才であっても約千年という時間を必要としてスキルという魔法とは別の全く新しい概念を生み出した。


 それが彼女の一番の強みであり、最大の武器。


 これこそが彼女の人生を消化した化身。

 彼女が『万能の魔法使い』と評される力である。




【面白いと思ったらお願い!!】

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