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43.最古の竜王



 この世界で魔王や勇者という例外を除けば、竜は生まれた時から最上位に位置する。

 そんな竜はいつ、どこで生まれたのか?

 

 それは世界が創造された時、竜は大地の中から這い出た生き物だ。 

 もし神という存在がいるのなら、竜は最初の創造物である。

 

 このおとぎ話は竜から人へと大昔から語られた実話であり、最古の竜の物語。

 最初に誕生した竜は、後から生まれた生物を捕食し、数を増やしていった。

 時が経ち、自身と同じく知性がある種族が現れると竜たちの中から強大な力を持つ個体が現れた。

 その個体は皆を束ねる『最初の竜王』、その王の名はハールゼリア。

 

「『最初の竜王』ハールゼリア……私が持っている竜種関係の本でも情報は少ないね。その竜王の容姿や属性すら記載されていないし、前の記述が本当なら他種族が誕生する前の話だから……これを書いている人も竜……」

「でも、竜人って珍しいんですよね?」

「あぁ、シナが竜人なのは今まで受け継がれている最初の竜王の血族かもしれない。現在の竜王は複数個体いて、竜種の住処にいるものや氷結の洞窟に住まうものや、竜王という肩書は力を極めた個体に与えられるものだからね……」


 ミーシャは何で魔王城周辺に竜の死体が転がっている理由を説明し、竜種について自分が保管している本を漁りながら、今になってシナを探している理由を探していると竜のおとぎ話にたどり着いた。

 竜種の誕生と最初の竜王。

 おとぎ話と続きを読み上げる。


 しかし草木が一本も生えない暗黒の大地に強大な存在が生まれた。

 それが初代魔王べヴァール。

 当初は種族間での境目はなく、一致団結し、魔王と争った。

 しかしそれくらいで勝てるほど甘くはなく、最初の竜王ハールゼリアは初代魔王べヴァールによって打たれてしまった。


 すると天から差す光に竜王の亡骸が包まれた瞬間、光が溢れ、気付くと大地に一本の剣が突き刺さっていた。

 それを手にした人間は軍勢を率いて、再びべヴァールに挑んだ。

 その人間が初代勇者であり、魔王と勇者の戦いが続き、勇者は見事に魔王を打倒した。

 しかし初代勇者は自身の力と竜剣の強大さに満身創痍の状態だった。

 その竜剣は強大過ぎる故に使用者の身体を蝕んで行ったが、勇者の力がそれを阻害していたが、それでも満身創痍の状態となった。

 

 その後、竜剣ハールゼリアは勇者によってどこかの地下深くに封印された。

 おとぎ話を読み終え、現状を整理する。 


「シナは竜王の隠し子、しかし待遇は良くなく捨てられたが、今になって探しに来ているということは……」

「何か必要としているのは、確かですよね?」

「上位個体の竜は口を割らなかった。でもそれで竜の活発化が止まるわけないと思うけど……」


「ご、ごめんさない! 私、のせいで……ミーシャ様の言う通り、正直に話せば……」ミーシャに迷惑をかけていると気にかけ謝った。


 しかしミーシャはそんなことを望んでいない。

 それを予め知っていようがいまいが、この結果は変わらない。

 そしてミーシャの目的である弟子育成の妨げになっている。


「そんなことは気にしていない。でも私の目的であることが阻害されてしまうということならば、少し危険だが、奴等の誘いに乗ってやるしかないね。奴等の目的が何であれ、説得しないかぎりは追いかけてくる可能性は高い」


 竜種の活発化と評されるほどに血眼になって探している理由は私も気になる。

 

 その理由が現在取り入れられる情報の中には一切ないということだ。


「じゃあどうしましょうか?」

「そうだな。まずは竜が住まう山脈に行こうか!」

「う~ん……」シナの表情は不安に染まる。


「大丈夫だ。あの大群にも勝った私に竜王なんて肩慣らしだよ!!」

「まぁ、師匠ならそうだよね!」

「お願いします。ミーシャ様」


 そしてミーシャ達はシナの問題を解決することに決め、竜たちが住まう山脈ハウレスレイブへと向かった。




【面白いと思ったら下の星「☆☆☆☆☆」の評価よろしくお願いします。_(._.)_作者のモチベーションに繋がります。】

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