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42.おとぎ話



「な、何ですか……これ?」

「し、死体が……これ、全部竜です、か……」


 真夜中、ミーシャが竜の軍勢と戦っているのに全く気付かず、朝まで寝ていた二人は鼻につく異様な悪臭に気付き、屋上への扉が開いていたためそこに上がると魔王城の周辺にドラゴンの幾つもの死体が転がっていた。

 種族の中でも上位に位置する存在である竜が地面が見えないほどにその死骸で埋め尽くされていた。


「貴様……何者だ?」

「ふん、朝まで戦い続けて結局それですか……じゃあこちらから聞くけど、最近竜の動きが活発になっていたけどあれは何?」


「それは我が竜の姫君を探しに……」もう飛ぶこともそれよりか立ち上がることもできないほどに傷を負った上位個体は悶えながら答えた。


「ということは活発化していると人間達が不安になるほどに血眼になって探しているということね。流石に大げさのようだね……一度捨てた娘を今になって……それは答えてくれるの?」

「……無論、言うわけが」


「それは誇りか……ならもういい。貴様の失態は私がいるにも関わらず、魔王領に侵入したことだ!」ミーシャは腕を上げ、手刀を振りかざす。


 当たり前だがその手は竜の首に届いていないが、光の斬撃が竜の首を一刀両断した。

 竜は誕生時から種族の中で上位に位置するため竜の殆どが傲慢な性格やほこりが高いとされている。

 確かにその通りかもしれない。

 ミーシャからすれば、少し相性が悪い。

 

「師匠!!」

「ミーシャ様!!」上位個体を倒れた直後に上から声が聞こえる。


 竜の軍勢との戦いに夢中になり、いつの間にか朝になっていた。

 

「おぉ~……何て説明しよう、か……」上を見上げると朝日が飛び込んできて、目を細めながら、この光景をどうやって説明しようが頭を悩ます。


 ミーシャは二人に風魔法――《飛行フライ》を付与し、地面まで浮遊させる。


「師匠、何で竜の死体がこんなに……」

「や、やっぱり……」シナが何か不安そうに動揺する。


「そう、シナのこと探していた。だけど気にくわなかったから私が皆殺しにしたから! シナは自分のやりたいようにやればいいの! 今になってシナを探しに来るなんて、だけど私にも黙っていたことは見逃せない。ちゃんと話してもらうよ」

「はい、分かりました……」

 

 彼女の表情は不安に満ちていた。

 ミーシャはすぐに理解した。

 過去の記憶が決して楽しいものではないということを……恐らくその気持ちが存在しないほどに辛いものに埋め尽くされているのだろう。





 私は竜王の娘。

 代々竜王は最初に存在した竜王の血族から代々継承されている。

 竜種は弱い個体を下位個体、強い個体を上位個体と呼び、種の中でも実力主義であり、竜王を含めた四つ個体が『四大竜』と呼ばれている。

 その他は上位個体の中でも最強の強さを持つ個体が選ばれている。

 その一角であり、その強さは竜種の中でも最強の強さを持ち、竜種の中でも限られた者しか使用できない竜人形態に変化できる。

 恐らくその形態で興味本位に人間の女性と交わった結果、私が生まれた。

 

 しかし正式なものではなかったためシナは後継者にはならず、そのまま放り出された。

 

「やっぱり……今になって竜たちが探しているのか……理由は分かる?」

「い、いえ……」

「師匠、竜王関係ならあるおとぎ話があります!」


「竜王、おとぎ話……? あぁ! 最古の竜剣!!」


 そのおとぎ話はミーシャでも知り、人間で知らないものはいない最古の竜剣の話。




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