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33.召喚魔法



「召喚魔法はその属性系統の生物を具現化させて使役する。戦闘面なら召喚した生物を前線に出して、術者は遠距離となるけど、最終的には個人のスタイルだが、召喚できるものによっても変わってくるね!」

「そう、なんですか……」


 やっぱり過度な情報を流すのは、止めにしよう。

 もう既に頭から煙が立ち込めている。

 召喚魔法で召喚できるものは古に存在し、その属性に根付くほどの生物……召喚魔法は属性に根付いている生物を呼び出す。

 他の魔法とは特殊で取得が困難でもあるものだ。

 

「召喚魔法……え~と……風と光だから融合して……」

「わくわく、ワクワク!!」


 召喚魔法が記載されている本をミーシャは目を釘付けにし、リーネが召喚可能な召喚獣を探す。

 

「これだな! 風と光の獣……」

「霊獣ヴェルバーディア……カッコ良すぎませんか!?」


 その召喚獣は確か二千年より更に昔に一度だけ召喚されたと聞いた。

 元々は獣人であり、強者であった存在……死後は世界に縛り付けられた形となる。

 召喚獣はこの世界とは別の存在にいて、召喚魔法で通路が繋がるとか……元々種族だった個体や自然と生まれたものといて、今では召喚魔法は一つの学問となっている。

 分かりやすく言えば、攻撃魔法と同じか超えるほどに種類がいるらしい……。


「情報も少ないが、見た目は人狼、狐……曖昧だな。だけど召喚できる属性として風と光なのは明確だから大丈夫だと思うが……まぁ、私もサポートするから……」

「じゃあ早速――」とリーネがそう言うとミーシャが一瞬の隙間もなく、塞ぐ。


「――いや、まずは魔力操作からだ!」

「えぇ~……」涙目になったリーネだが、そんな表情を見せてもミーシャの魔法の修行は止められない。


 魔法に関しては厳しく、分かりやすく教える。

 その理由はミーシャが教わった師匠ラズウィールのやり方だ。

 魔法の修行の中では精密な操作と完璧な魔法、そしてその魔法をどう使うかという独自性も自分の中にある全てをラズウィールは突いてきた。


「こ、こうですか……」

「うん、いいね。その感じを覚えてね!」魔力操作は最初の難問と呼ばれているほど、大抵の魔法使いは辛いものだ。


 新たな感覚を開花させるものであるため、初めであり、その感覚を保ち、覚え、慣れなければ、そいつは魔法の才能がないと、弾かれる地点でもある。

 

「ミーシャ様、こうですか?」

「あぁ、上手いね。それが慣れれば、それぞれの魔力、そして融合に行こう!」


「ぐぬぬ……」シナの評価にリーネは素直に悔しがる。


 シナの方が上手いという事実に対抗心を燃やし、更に集中力を高める。

 二人の修行はもう二時間も経っている。

 他人と比較されるということは、片方が嫉妬する。


 だがそれが下にいくか上に行くかはその人次第。

 リーネは対抗心で上達しようとする上の方だ。

 そんな光景をラミーも眺める。


「やっぱり二人の修行の効果があったみたいだね!」

「あぁ、それぞれが比較対象、二人なら対抗心を燃やして、いい方向に進んでくれるって……伊達に二千年も生きちゃいないからね!」


「ミーシャの教え方なら魔法学院の教師にも慣れると思うけど……」

「……いや、魔法使いは孤高だし……私は光か闇で言ったら、闇の存在だし……かつて人魔大戦のことを忘れるわけにはいかないし……」


「だから人々を避けて……」


 二千年前の人と魔の大戦、人魔大戦。

 魔王アビルスが勇者に打倒された戦い……魔王の他に自分以外の全てを失った日。

 心に大きな傷を負った日。

 魔王を復活させようと自身の力を更に極め始めた日。

 一瞬でも人間に復讐しようと思った日。

 だけど諦め、生きようと思った……。


 今の自分の中には弟子は別である言い訳、いいや魔王に敵対するものには容赦はしない。

 だけど今はそんなものはいない……とは言い切れない。

 だけどもうそんなことは忘れたい。

 弟子という存在と楽しく、新たな人生を送りたい……だけど――


「心が完全に変わることはない……時間はかかるとだけ言っておくよ――」


 この胸騒ぎ……確かに感じるこれは――――

 

 

 その瞬間だった。

 ドコォォォォォッ――――!!!

 巨大な音と共に大地が揺れた。


「な、何!?」ミーシャは窓に駆け、外を見る。


 すると魔法師塔の方面から黒煙が立ち込めていた。

 

「魔法師塔から煙!?」

「襲撃?」ラミーが呟く。


「まさか、何もなしに列記とした国の一つにしかも軍事力も劣らない魔法国に……一体、誰が!?」



 キィィィッ!!


 更に音が鳴り響く。

   

「伝達魔法……」


 すぐに魔法を展開すると空間にベルゼンダークの顔が映る。


「ミーシャ!!」

「ベル! さっきの音は――」


「魔法師塔が攻撃されたが、正体は不明だ! まさか、聖王国の最強部隊ではないだろうな!」

「いや、いくら最強部隊でもこんな公に攻撃をするなんてないと思うけど……」


「クソ、防御魔法がさっきの一撃で……」

「待ってて、今向か――」と言い切る途中で送信が切れた。


「……みんな、行くよ!」

「え、逆に危険じゃないか?」とラミーは反論する。


「いや、候補として聖王国……だけど私が標的なら、魔法師塔を攻撃する理由がない……なら囮の可能性があるから……そして標的が私じゃなくても、仲間もこんな所に置いてはいけないし、どこの勢力か知らないけどこれは完全な宣戦布告だ!!」


 アリュラ魔法国が襲撃された。

 それは誰だ。

 とある勢力が大きく動く。


 そして二千年の形が露わとなる瞬間である。


 

 

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