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28.初心と法則



「うわぁ~……」


 日の出が登り、三人の部屋を覗いたラミーの反応だった。

 ミーシャは早速魔法実験で変な煙が漂い、リーネとシナは本に埋もれながら床に倒れていた。


「ふわぁ~……ん?」

「ミーシャ、部屋を散らかさないで……それとこれは中々ハードだね」


「いや……」ミーシャは目を擦りながら何かを言おうとする。


「ん……」

「二人には基本が載っている魔法書を読ませただけ……まさか基本書も読んだことのないなんて驚いたけど……結果、頭の中がパンクして倒れたんだ。まさかとは思ったけど……」


「失望した?」髪をかき上げ、少し苦労の表情を見せるミーシャにラミーははっきりと言う。


「……いや、それで投げ出すほど落ちぶれてもいないし、なんせ私が生きる理由だからね! さて――」ミーシャはテーブルの上にある部品が組み立てると内部が光り出す。


「また魔道具の製造……」

「あぁ、保身用でもあるし、直接魔力の消耗もかねて……」


「ミーシャの魔力量なら平気じゃないの?」

「いやいや、二千年生きているこの頭には最悪な場合もちゃんと把握して対抗策を考えているからね! 例えば、あの破滅の魔女との戦い……」


「確か、魔王が健在だった頃に魔王勢力と争っていたっていう……」

「あぁ、王国の宮廷魔法使いをクビになった時に私を認知してあっちから接触してきたんだ」


「うわぁ~……絶対何かあるんじゃない?」

「かもね……だけど仕掛けてくるまでは安心して過ごせる。まぁ、私は黙って殺されるほどの者じゃないし……よし、できた!」そう言い、魔道具をラミーに見せる。


「そ、それは?」

「もしものための装置……さてと、片付けね。魔法使いの部屋は散らかるのが当然!」ミーシャは黙々と部屋に散らばる本を壁沿いに積み重ねる。

  

「そういえば……」弟子、そして教えるということが初めてなミーシャの中に初心時代の光景が浮かび上がる。 


 ただの人間だった自分が才能があると拾われた。

 それから私は魔王の最高幹部の一人であるラズウィールに魔法や戦術を教えられ、幹部候補になるまで上り詰め、魔王様にも認められるほどとなった。

 その時間は三年、短いようで長いものだった。

 魔王復活は諦めたが、勇者は許せない。

 勇者が誕生するのは、魔王が現在に存在するかどうか……その法則は分からないが世界が決めたことなのだろう。


 そして魔王の復活は魔王に値する力で魔王の証である紋章が身体のどこかに浮かび上がる。

 その原理は一番最初の魔王が滅ぼされて、その力が散らばり、今でもその因子が宿っていると証拠はないが語られている。

 昔、魔王様から聞いた話だと、魔王は数人いて、昔は魔王同士でやり合っていたらしい……。

 

 なのに、二千年もの間、魔王が現れることはなかった。

 

 こんなに時が空いたことなんて歴史にはない。

 何故だろう。

 

「そういえば、何か用があって来たんでしょ?」

「あぁ、鍛冶師であり情報屋である私……え~と、ここに聖王国の人間が……どうやら観光ではなさそうなんてけど……」


「――――」


 早速、動いた聖王国……彼らの目的とは……。

  



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