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23.魔法国会議



 ミーシャは会議室の扉を勢いよく開いた。

 

 それと同時に出席者全員が一方を向く。


「……遅れました。申し訳ありません!!」

「……」

「……」


 突如、銀髪の少女が扉を開けてきたのだ。

 固まるのも無理もないと思うが……。


「お、おい、お嬢ちゃん……どこかと間違えて――」扉に近い男が話しかけるとミーシャはさっきのペンダントを見せる。


「な……」

「嘘だろ?」

「超級魔法使い!?」


 そんな言葉が聞こえてくる。

 すると奥の席に座る一人の人物が立ち上がった。


「彼女こそが世界最高にして最強の魔法使い……ミーシャである!! ミーシャ、こっちへ」


 この中で最年長である男、魔法の知識は私という例外を除けば彼が一番だろう。

 ベルゼンダーク……管理者代理リーダー格であり、国の運営をまとめている。


 彼に促され、彼の横に座る。

 超級魔法使いという存在は規格外そのものである。


 だがミーシャは普通の少女を装うように魔力感知妨害効果の指輪を装備しているため外見で判断できない。

 魔法発動や本気になれば自身の魔力保有量が露わになる。


 腰を下ろすと会議室に備えている椅子が豪華なのがわかる。

 天然の毛でも詰め込んだのか、座り心地がとても良い。

 腰が沈み、目の前に机が肩の高さまで上がる。


「で、何しに来たんだ? 後、数年は来ないかと思ったのだが……」

「あぁ、無論用事と君に話したいことが……」


「ほう……わかった」

「会議はいつも通りか?」


 何があったのか、ハイルから聞いているが様子見だ。

 管理者しか知らない魔法の存在が明るみに出た。

 だが管理者のそれは徹底して隠し通しているはずなのだが、漏れたということは誰が自力でその魔法の存在を証明したのか、管理者の誰かが……。


 疑うならまずは身内をとか言うが、この状況で外部の人間が関わっている線は圧倒的に薄い。

 問題の魔法を保有しているのは管理者であり、御内だ。


「いや……」

「ハイルから聞いた話では管理者が知る魔法の存在……言い出したのは誰だ?」ミーシャの問いに一人の男が立ち上がった。


 その男を見て、ミーシャの銀色の眉が動く。

 嫌いな人間に似たような雰囲気を感じた……王国宮廷魔法使いのあいつに……。


「誰だ? 名乗れ!」

「ライゲルト・フォーリオンです」金髪に明らかに貴族出身の男。


 風格は問題ないようだが、人格は破綻しているだろう。

 私の経験上、そうゆう男は性格破綻者だ。

 それに服装と装備品全てが豪華だ。

 まぁ、凄腕魔法使いなら使用する杖などはこだわるのは当然であり、価格に測れば高くなるのも自然だがそうゆうことじゃない。


 私の杖は売っていない。

 だが彼の全てが高い金で売られている品々だ。

 ここに出席するくらいだから、魔法の才能はあるはずだが……才能があるから認められるという決まりがその組織の目的に反する人材まで加えてしまう。

 しかしそれを加えないことは不可能だ。

  

 だからどこの組織でも少数以外なら現れるだろう。


「で、その根拠は何だ?」

「はい、私がシルドゥーリ様が例の魔法を使用しておりました……」


「……」

「な、何!?」会議は始まったばかりで魔法の情報漏洩の人物はまだ明かされていなかった。


「なるほど……」

「彼は虚偽は言っていないみたいだ……」


 嘘も見破る二人はシルドゥーリを見る。

 痩せ細ったような男、紫色の長髪が特徴だ。

 確か攻撃系ではなく、精神系専門に研究している奴だ。

 

「どうゆうことだ。シルドゥーリ?」

「うッ……私は、別に……」


 嘘をついている。

 魔法を使うか……。

 奴は精神系魔法専門だが、私には及ばない。

 

 精神系上位魔法――《記憶情報メモリー・インフォメイション》を発動した。

 

 するとミーシャの脳内に記憶を一部が映り込む。

 シルドゥーリと別の誰か……。

 まぁ、絶対秘密の魔法を管理者である者が何も理由に魔法を発動はしないだろう……なら、薄いと思っていた外部か?


「そうか……」


 だがこの魔法の存在はこれからも隠した方がいい。

 でも、シルドゥーリの態度で魔法の存在証明が上がっている。

 もう隠すことはできないか?


「お前はもうダメか……」ミーシャは物騒なことを言う。


「ミーシャ……」

「裏切り者のせいであの魔法の存在は明るみに出た。が、一目見て、それが何なのかわかるはずもない……だからはっきりとは断言はしないが、シルドゥーリ!! 君は今日で管理者のこの塔所属の魔法使いを抜けてもらおう……」


 そしてミーシャはパチンと指を鳴らす。

 するとシルドゥーリが持っていた管理者の証であるペンダントが消失していた。


「ぐ……」

 

 最後に表情を歪ませ、会議室を後にした。


「ふぅ~……」


 そして不穏な空気が漂いながら、国のことについてあれこれ会議が進んだ。

 管理者しか知らない魔法……それは原初の魔法の一粒に過ぎないもの……。

 

 さっきのミーシャの指鳴らしで原初の魔法の使い方だけを消したのだ。

 次から次へと厄介ごとが現れる。

 

 これは偶然なのか、今は分からない。


 


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