20.アリュラ魔法国
その人は魔王の側近だった。
幼い容姿の王とは真逆の美しい美貌を持った女性。
その名は、ラズウィール。
魔王軍幹部のリーダーであり、魔王の側近。
ルエナは見る目に絶対の自信があり、幹部や配下の加入や配置なども決めていた。
そういえば、私が魔王軍に入るきっかけがあの人だった。
何故、あの人のことを思い出したか……。
何で今私の目の前に……だけどこれだけはわかる。
これは、ただの偶然ではないことを……。
「着いた!」
「ここが、魔法の国ですか!?」
その名の通り、魔法の印象を持つ国であり、王国のように王様が存在するのではなく、数人の魔法使いが管理している国家だ。
二千年前から存在しており、建国の理由は対魔王軍のために立てられ、人類に二大武力の一つである魔法の研究や発展、進化を掲げている。
魔王様がご存命の時は別に気にすることがない国だったが、今は魔法防衛が他の国より強力であり、上位魔法を数回耐えるほどだと言われている。
そして今の魔法国には他の市場に現れることのない魔法や魔道具が出回っている。
「さぁ、まずはあの蛇の鱗を売ろうかな!」
「あれって、いくらになるんでしょうか?」
そんな談笑しながら、ミーシャの行きつけの店へと向かう。
国内の入り口に入ると珍しいものが並ぶ商店街が国の中心まで伸びている。
ミーシャは慣れている動きで人々の間を抜けていき、暗い路地へと入っていった。
「師匠、この国……」
「ん? あぁ、リーネも魔法使いならなら感じるよね」魔力を操る魔法使いなら、国全体にあらゆる魔力が混ざり合った力が漂っているのだ。
何でそんなことになったのかはこの国のせいと言えるだろう。
この魔法の国は名前の通り魔法関係を取り扱っており、国内で様々な魔道具が流れているため自然と微妙な魔力が漏れ、長年この国を漂っている。
「私からすればこの魔力は匂いと同じだからね。今向かっている所は魔力で覚えているから!」
「へぇ~、本当に匂いで!!」魔法使いではない人間でも魔力を肌で感じ、何か違和感を一抱くことはできる。
だが微量な魔力が混ざり合ったここでミーシャは特徴のある魔力だけを感知できる。
それほど魔法の腕は世界の頂点に立つほどである。
「今から会う奴は数年前出会ったんだが、鍛錬に何年も費やす職人なのに若いんだ!」
「え、師匠のように長寿とかじゃないんですか?」
「いや十代で職人となった奴なんだが、技術も勿論情報屋としても優秀なんだ!」
「へぇ~、情報屋ですが……」
路地裏なため日差しはない道を二人は淡々を進み、とある扉の前で止まった。
路地を奥深くに位置しており、扉の前には武器やら魔道具が乱雑に箱に詰められ、いくつも置かれている。
そしてミーシャは扉を開き、大声で挨拶をする。
陰湿な室内は武器屋と変わりなく、武器や魔道具が置かれている。
電気などは小さな灯りが一つは薄暗い。
「こんちは~!! ラミー、来たよ~!!」室内の奥へ声を向ける。
「はいは~い!! 久しぶりだねミーシャ!!」店奥から現れたのは褐色の肌に赤い瞳の少女。
「あれ、その子は?」
「あぁ、弟子だ!」ラミーの質問にすぐにミーシャが答える。
その答えにラミーは大声を上げた。
「えぇ~!! ミーシャって弟子はとらないんじゃなかったっけ?」
「あぁ、まぁ……気が変わったんだ」
「そう……で、今日は何の用なの?」
その質問にミーシャは魔導書から蛇神ヴァルテスの鱗の入った袋を机の上に出す。
ラミーは袋を開けて、目を丸くする。
「ん……鉱石、じゃないみたいだね~。これはどこで?」
「ラキュール砂漠内に潜んでいたSSS級モンスターの鱗だ。まぁ、いい素材だったから売却だ」持ってきた内容を聞くとラミーは苦い表情を浮かべる。
「だけど、そんな金はうちにはないし――」
「――いや、別にすぐにとは言わない。その素材からの売り上げで構わないから今は金より情報が欲しいんだ……あとこれ!」
机に出したのは、ロエール大迷宮で採取した魔石。
「これは、魔石? だけど……」ラミーはその手に取り、内部を凝視する。
紫色に禍々しく輝く光は闇属性の魔石に似ているが、確かに違う。
「私も調べてみたが、目視では分からなかった。そこでそれも調べてほしんだ! 金が必要なら差し出す金額を下げてもいい……それは情報も含まれているよ」
「分かった。今回はSSS級モンスターの鱗の売却でまだ発生していない架空の売り上げをそっちが少なくして、この謎の魔石の解析と情報が欲しいと……何が知りたいの?」
「……神典協会に狙われている。明らかに私の正体を知っているようだった……聞きたい情報は神典協会と各国の異変な出来事を……」
ミーシャが質問を投げかける。
そしてラミーは暗い表情を浮かべ、口を開く。
やはり何かが動いている……。
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