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15.大蛇、開戦!



 ビービービー!!!

 夜中、モンスターを察知した魔道具が凄い音を発する。

 

「ん~ん! 来たか!!」

「うわッ、何です?」音と共に地面が揺れる。


 何かが這いずり回っているような揺れだ。

 ゴゴゴゴ……と音が聞こえる場所を家から顔を出して見る。

 

「え……」

「うわぁ~……」


 その姿は巨大だった。

 この這いずる揺れは、奴に人のような足がなかったからだ。

 その胴体は長く太く、自身を起こすほどの巨体。


「師匠……あれが推定SS級の?」

「いや、SSじゃない……騙されたな。あれは余裕のSSS級モンスターだ!!」


 長い胴体、その先には異様な頭。

 口から長い下をチロチロと出す生物……そう蛇。

 モンスターの一種であり、大きさは育ち方で様々だが、あの巨体はかなりの長寿で戦闘能力もあるだろう。


 しかもミーシャは一目見て、あれをSSS級と評価した。

 それくらいの存在感が奴には存在した。

 

「でも、SSS級なんて……」

「あぁ、いくら世界ギルドでもSSS級は……いや単独なら無理だが、神典協会の連中ならどうにかできそうだが、攻略組や冒険者ギルドが口出しは確かできなかったはずだ!」


 ぶっちゃけ世界ギルドの最大戦力は融通が利かない神典協会である。

 あそこの精鋭部隊は一人一人がSS級のレベルだ。

 二千年前と違いなければ……。


「まさか、SSS級なんて……」

「あぁ、偵察に行った奴がバカだったのか、それとも偽りやがったのか……」


「どうします?」

「……あれほどのモンスターは流石に厳しいな。戦闘スタイルだが、私が前でリーネが後ろ! そして障壁を張る魔道具を渡しておくからそれで身を守って! 蛇か……後は戦闘してみないと分からないな」



 そしてミーシャは《絶対身体アブソリュート・ボディ》・《絶対障壁アブソリュート・ウォール》と《呪詛耐性カース・レジスタンス》を発動させる。

 

「まぁ、まずは私の絶対有利戦法が崩れない限りは大丈夫だね。じゃあ準備はいい?」

「はい! 頑張ります!!」


 

 そしてミーシャとリーネは家を出る。

 デカ蛇は奥へと進んで行った。


「帰っていくのか……?」

「夜だから?」


 まぁ、昼行性だから……。

 いやこれはチャンスかも!!


「じゃあ寝ている間に――」

「――そんな簡単に行きますでしょうか?」


「先制攻撃は大事……だけどそれでSSS級モンスターが倒せるとは思えない。そんなに簡単な話じゃない……だけどそうだな。相手の能力も分からないなら、寝ている間に叩きのめして……」

「師匠……?」


「やってやる!!」


 その言葉と共にミーシャは遺跡の奥へと走り出した。

 遺跡の奥に見えたのは巨大な建物、城を思わせるものが現れた。

 砂で覆われ、原型をとどめていないが城の前の地面が異常に凹んでいる。

 

「蛇の巣となっている場所か……まぁ、SSS級に似合う場所かもね!」


 

 そして中に入ると意外としっかりしており、風も入ることなく、蛇が住処にするのも納得の場所だ。

 広い空間には巨大な蛇が身体を巻いた状態で寝ていた。


「……」

「ッ――」リーネは声を出そうとしたが口を抑えた。


「よし……ふッ!」と杖に意識を集中させると《気配遮断サイン・ブロック》と《音声遮断ボイス・ブロック》が発動した。


「よし、これで大蛇には聞こえないな。しかし暴風で形だけだったが……」

「はい、黄金の様ですね!」


 その大蛇の鱗は黄金を思わせるような輝きを放っている。


「じゃあ作戦通りで、リーネは下にまずは隠れてて! 私が先制したらその都度指示は出すから! 魔道具三つ頼んだよ!」

「はい、師匠。頑張ります!」


 二階に上がる階段を登り、上から蛇を見る。

 

 あの蛇、黄金で頭から白い翼のようなものが生えている。

 自分で判定したSSS級……その理由は魔力保有量が国の宮廷魔法使いを余裕で越えていることだ。

 まぁ、魔力保有量で相手の強さが比較できるわけではないが、異常な巨体に加えて評価したのだ。

 モンスターの大きさは基準から大きければ、大きいほど強力である。


「さぁ……SSS級モンスター。それはたかが大蛇じゃないことを期待しているぞ……――【万能領域】、展開!!」


 絶対有利スキルをミーシャは発動させる。

 ぱっと見、光属性と思ったが、蛇は大抵呪いの効果を持っている。

 確実な情報に耐性をつけ、後は加えればいい。 

 上位魔法では物足りない……だが最強の魔法ではリーネも巻き込む。

 ならその真ん中の魔法で……。


「行くぞ! 上位魔法――《蹂躙する暗黒(オーバー・ダークネス)》ッ!!」


 二階の柵から飛び降り、大蛇に杖を向けて叫んだ。

 



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