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1.追放の少女

新作です。

無双ものです。

書籍化を目指しています。

楽しんでいただけると嬉しいです。



 私は凄い凄~い魔法使い――ミーシャ。

 見た目は10歳くらいの少女、魔法使いらしいローブに片手には少女の身の丈より大きな白い杖に魔法が付与されている白い服装にスカートに靴、革の素材で厚い魔法書を巻き、背中に背負っている。



 数か月前に宮廷魔法使いとして仕えるようになった。

 まぁ、理由としては安定した職に就きたかったからであって、大した理由はない!


 私の中で宮廷魔法使いの良い所としては待遇がいいことだ。

 宮廷魔法使いの専用の一人部屋があり、三食付きの何という素晴らしい待遇で、お金も申し分ない。

 部屋の設備は魔法使いに必要な道具や宿屋以上のベット……シャワーとバスタブ付き!

 

 だけど平和な王国だからか、新人だからわからないが、私がいつも外に駆り出されすることと言えば、王国周囲に出没するモンスターを討伐する討伐隊のサポートをするというものだった。

 

 正直退屈だった。

 宮廷魔法使いって言えば、カッコいいイメージがあったが……見かけだけだったのかもしれないな。


 だけど念のためバフ&デバフスキル【万能領域】を展開しながら、同行する。

 

「はぁぁぁッ!!」

「グギャァァァァァッ!!」


 討伐隊は冒険者ギルドから人材を得て、同行した私にもお金は支払われる。


 

「……まさか、モンスターが急激に強くなってる?」ミーシャは初の討伐仕事でモンスターの強さに疑問を覚える。


 ミーシャのバフ&デバフスキル【万能領域】は範囲内にいる敵に大幅なデバフを付与し、逆に味方に大幅なバフを付与する効果がある。

 これのおかげでモンスターに苦戦なく討伐できる。


「最近の討伐は余裕だな!」

「あぁ、恐らくモンスターが弱体化したんだろ?」


 そんなことを討伐隊の男達は話しているが、私が討伐隊に来た時から変化していることに気付いてもいないなんて少しは勘づいてもいいくらいだけど……。

 今の私の趣味は魔法開発!

 まだ未知な魔法を探すのもいいけど、自分で自分好みの魔法を開発した方が今は楽しい。


「宮廷魔法使い様は必要なかったみだいだな!」


 最初はそんな感じで要らないと言われていたが二か月が経ち、私は完全に付き添いとなった。


 そして……。


「おい、宮廷魔法使い様! 貴方この二か月何もやっていませんよね? 正直、討伐隊は我々だけで十分対処出来ていますので……」

「は? 今までモンスターを討伐できたのは――」とミーシャは反論しようとしたが、討伐隊のリーダーの男の拒まれる。


「何言ってんだ!? 討伐は散歩じゃねぇんだよぉ!!」とガチギレされた。


 

 その言葉で反論する気がなくなった私はそのまま討伐隊から離れ、自分の自室に戻り、豪華な椅子に座る。

 支援魔法にも気づかないほどの討伐隊員、構成員は剣士のみっていう条件で集められたのかと思うくらいに剣を振るしか能がない奴等だ。


「ってか、あの討伐隊……」


 最初に配属された時に構成員の違和感に気付き、その討伐隊のことに少し調べてみたら、構成されている者共は冒険者ギルドから外れた者達で、正確には所属はしているが、ギルドのクエストなどを積極的に活動していない底辺野郎たちだ。

 

 つまりあの討伐隊は底辺の金稼ぎということだ。

 何でそんな討伐隊に私が支援役として配属されたのかが、不明だ。

 まぁ、時間の関係で私が無名って言う理由もあるかもしれないけど……。


「一応、宮廷魔法使いっていう肩書があるんだけどなぁ~」椅子に横たわり、討伐隊の資料を眺める。


 ミーシャの部屋は殆どが私物で埋め尽くされている。

 あちこちに積み重なった魔法書、魔道具が左右の棚に置かれている。

 ミーシャの性格上、殺風景な部屋は苦手なので有り余るほど保有している魔法書と魔道具を床や棚に置きまくるのだ。

 

 最近は身をどこかに置こうとし、この宮廷魔法使いを受けたのだが……。


 はっきり言って、意外とつまらない。

 宮廷魔法使いは偉い方に区別される職業だと思うが、蓋を開けてみたら待遇はいいが、それだけだ。

 自分という魔術師には合わなかっただけなのかもしれない……と思っていた所、ミーシャの自室の扉にノックされる。


「は~い!」扉を開くと銀白の華奢な男が険しい表情でミーシャを睨みつけて立っていた。


 彼、ライゲル・ルージェルトは私と同じ宮廷魔法使いに属しているが、その筆頭兼指導役である。

 つまり私の上司ということだ。

 そしてその表情から察するに……何か嫌なことが……。

 でも私は何もしてないし、いつも通りに接すれば……。


「ら、ライゲルさんこんにちは! え~と、どうかされました?」容姿通りの無邪気さと誰にでも懐く子供を作り、接する。


「おい、ミーシャ……」


 だがそんなミーシャの接しは圧倒的に低い声音で空気が一瞬にして下がった。


「……は、はい~」

「お前、討伐隊から外されたらしいな!」


「ッ――――」


 まさか、それのことか!? でも……。


「は、はい。でも奴等は私の支援を――」

「はぁ!? 討伐隊の報告書には今までの二か月間、お前は何もしていなかったらしいな! 高い地位に属する宮廷魔法使いの恥さらしの行動だ!!」


「うぇ!?」罵声と共にミーシャの目の前に一枚の紙が差し出された。


 

 その一番上には……。


「宮廷、魔法使い……解雇……」

「そう言うことだ。今日中に荷物をまとめて、この部屋を引き渡してもらうからな!! 一応言っておくが、言い訳など聞かないからな。今日は国外からの来訪者を招かないといけないんだ!!」耳に来るデカい声を小さな少女に浴びせる男、宮廷魔法使い指導役のライゲル・ルージェルトは大変お怒りだった。


 そして私は、解雇……いやその書類の最後に追放と書いてあった。


「つ・い・ほ・う……」


 その文字を見て、私はちゃんとやっていたのに……ただ状況のせいでこうなった。

 真実を認められずに至ったこの結果に少女の感情は激しく揺れる。


「ぐぬぬぬ……クソがぁ……」声を上げず、自身の憤怒を抑えながら去っていくライゲルを睨むのだった。

 

 

 


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