12の能力
4247回目の世界。この時点で全てのプロテクコードに対応する能力を創り終えた。
エンシェントは、自身の共命する権限の一部を、自然の協力を得る力とし、自然の力を借りて現象を起こす、天候能力とした。それとは逆に、自然に共命し、大地に力を流す。そして、大地に影響を付加する、地形能力の二つを作成した。
イニシエンは、道を繋ぐ権限の、結果の部分だけを抽出し、行動の伴わない、見せかけだけの結果を見せる、幻影能力とした。もう一つは、自身の肉体を変化させる力をそのまま能力に落とし込み、姿を変える能力、変化能力の二つを作成した。
メビウスは、結界の外部を拒否する部分の力を削いで、影響を及ぼす範囲を構築する、調和能力とした。創造する権限は祈りによって形になるものであり、その祈り、想いを物に向ける事によって、それを操る事が出来る力、操作能力の二つを作成した。
レアルは、最も、根源に対する理解が深かった。だからこそ、自身の権限に依らない能力、創言能力と、虚言能力の二つを作成した。魔力はあり得ない事を起こす力、それを物体の発生、又は消失と言う形でまとめたのだ。
能力の確立もそうではあるが、それとは別に4体の管理者は、ある目的があった。イニシエンは、世界の転生が起きるたびに、悪い方へ向かっている予感がしていた。だからこそ、中立の管理者を打倒する為に、他の管理者に協力を望んだ。
中立の管理者は、世界の壁である。その壁を破壊することが出来れば、この世界の中枢〈零の映写機希構〉へとアクセスできるはずだと、そして〈世界転生システム〉を止めてしまえば、こんな悲劇は起きるはずがないと、行動を起こすことにした。
「希望を抱け、全力前進! やっとこの時が来た! 皆が幸せになれる、楽園を手にするぞ!」
「未来の為に、アタイは手段を択ばない。準備は万端!」
「これも、より良き世の為」
「……。いや、今は、私も未来の為に協力しよう」
中立の管理者、世界の壁であり、絶対的な存在。フォルフルゴートを倒すべく、4体の管理者は戦いを挑み……。