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能力の制約

 4158回目の世界。管理者達は能力に制約を課すことを決定した。その制約と言うのは、能力を使用する際に能力名を宣言するという、制約と言うには緩いものだった。エンシェントはもっと強い拘束力のある制約にしたかったようだが、イニシエンとレアルの反対によって、こういう形で収まった。


「レアル、お前よく納得したよな。俺はもっと反対すると思ってたぞ」


「まぁ、アタイとしては縛られるってこと自体が気に入らないから、もっと食い下がっても良かったんだけどね」


「心境の変化でもあったのか?」


「いや、これ以上は無理かなって、流石にエンシェントが納得しないでしょ?」


 実際に、エンシェントはこの時点で嫌々ながら受け入れている感じであったので、これ以上は余計な言い争いになるだけで、進展はしないだろう。ならば、この辺で切り上げておくのが最良とも言えた。


「寧ろ此処までエンシェントから引き出したことに、私は驚きを隠せない」


「驚いてるように見えないんだけど……? それにね、能力を使う時宣言するって、ロマン有ると思わない!? ほら、必殺技みたいな、食らえ! なんとかー、みたいなね!」


 レアルは楽しそうにしている。どうやら宣言するというものに、引っかかる部分があったらしい。元々、宣言名を考えたのはレアルであったりするので、そういうものが好きなのかもしれない。因みに、宣言名を考案した時の他の管理者の態度は、好きにすればと言う、結構冷めたものであったりもした。


「お前が納得すれば良いんじゃないか? 俺は普段の行使に問題が無いレベルなら気にしないしな」


「ふっふっふー、それにね。シールコードと、この宣言のシステムを流用して、権限の行使を気楽にできるように出来るかもしれないんだよねぇー」


 能力の場合は、魔力を表す言葉である、プロテクコードと、それを制御するシールコード、その組み合わせを根源と言い、宣言によって根源を呼び出し、それに沿った能力を発現すると言う仕組みである。権限の場合は、頭の中で力を組み上げなくてはならない、だからこそ、特定の道筋だけを暗記して発現するにとどめているのだ。その場で瞬時に、新たな力を組み上げるなんて出来たものでは無い。解き方の解らないパズルを頭の中で一瞬で解けと言っているようなもの。


「ほう、興味ある。聞かせてみろ」


「メビウスが反応するなんて珍しいね? 簡単だよ、どうせ権限持ってても特定の事しかしないでしょ? だったら、シールコードで力の道筋を作っておいて、それを宣言で呼び出せるようにしとけば良いてこと!」


 つまり、シールコードによって組みあがった状態にしておいて、宣言と言う鍵ですぐに呼び出せるようにしておくという事。予め複数の宣言を創っておけば、その時に応じて発現させたい力の宣言を行えば良いのだから、固定化する事によって、ある意味幅を広げることが出来るのだ。


「そうか、可能性として考えてはいたが、貴様が言うのであれば、可能という事か」


「そうそう、折角だからアタイの作ってあげた宣言名を使うと良いよー。あれはもう権限と繋がってるからね、最初に慣らしで作るのに丁度良いよー」


 レアルの言う宣言名とは、イニシエンの道を繋ぐ権限、アブソリュート・コネクト。エンシェントの共命する権限、ニューロン・ルーラー。メビウスの創造する権限、アイン・ソフ・オウル。レアルの法則を書き換える権限、レアル・ネットワークの事である。それぞれ、メインの権限に繋がっているので、確かに最初に扱うには良いかも知れない。


「なぁ、お前はここまで見越して宣言名なんて創ったのか?」


「ん? 違うよ、アタイの趣味」


「おいおい」


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