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トゥルーテークオーバー  作者: 新村夜遊
獣王邂逅

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36/246

#36 竜の子供

 ・・・お腹が破裂する夢を見て目が覚めてしまった。昨日は食べた、いや食べ過ぎたな。まだ口の中が甘い感じがするぞ。


「とりあえず素振りしにいくか」


 早めに起きたならやることは一つだ。自身の剣術にもっと磨きをかけて強くなる。身支度をして宿屋を出るとそこにはゴルドレスさんがいた。


「ソール坊待ってたぜ」

「待ってた?それって...」

「お前も剣術士なら分かるだろう?」


 ゴルドレスさんが空き地の方へ向かっていく。自分もその後を着いていく、行こうとしていたところが同じだ。空き地の真ん中で待つゴルドレスさんの手には鞘に収まっていた大剣がに握られていた。


「剣術士は皆兄弟らしいからな、俺とも似ているところがあるのかもしれんな」

「ゴルドレスさんは剣術を誰に教わったんですか?」

「俺か?聞いて驚け剣術の基本を教えてくれたのはゴレリアス様だ」


 ゴレリアス様に直接教えてもらったのか。父親から聞いたことがあるな。ゴレリアスは魔王軍と戦いながら各国を巡っていた。その時に見つけた剣術の才を持つ者、通称{竜の子供}と呼ばれる人達がいるとは聞いていたがまさかそのうちの1人がゴルドレスさんだったとは。


「そうですか、ちなみに流派は?」

「いざ剣を振るってみたら魔獣みたいだと言われたから{獣剣術}、って名付けたそういうソール坊は?」

「自分は・・・小さい時に父から教わった{竜剣術}の使い手です」


 竜剣術と言ってから場の空気が変わってしまった気がする。ゴルドレスさんの顔もなんだか険し、突然大剣を振り下ろし襲い掛かってきた。それを防御するも身体ごと弾き飛ばされる。くぅ、なんて重さなんだ防御できていなかったら身体ごと壁にぶつけられていたところだった。


「渾身の振りだったんだが防がれるとはなやっぱ正統剣術は強いな」

「正統剣術?」

「うん?ああそうかそこまでは知らんのか」


 ゴレリアス様から竜剣術の基礎を教えられたものの竜を体現出来たわけではないらしい。ゴルドレスさんの場合は竜ではなく魔獣を纏った。そのため{竜剣術}ではなく派生剣術の{獣剣術}という武器術が出来上がった、その為、竜という親に教えられた子供達という言葉を称して{竜の子供}と言われてるらしい。


「というわけだあと個人的に1つだけ聞かせてくれ...お前さん拳神様を殺した逃亡犯てのは本当か?」

「・・・違います。拳神様は自らの力を全て出し切って消えていったんです。あの場にいた人はみんな分かっているはずです」

「要はエクスキューションの連中が嘘ついてるってことか?」

「はい、理由は分かりませんが何故か自分を亡き者にしたいようです」

「ふーんそういうことか、分かった!俺はソール坊を信じるぜ。なんだってお前さんはあの人の子孫だからよ!!」


 とりあえずこの人にやられることはなさそうだ。剣を納めようとするとゴルドレスさんに制された。


「いやまだやることあるんだよ、剣を俺と掲げるぞ」

「はいこ、こうですか?」


 ゴルドレスさんに言われて見様見真似で剣を掲げる。すると何かが伝わってきて目の前のゴルドレスさんの背後に何か魔獣のようなものが見えてきた。


「こ、これは!?なんだか力が湧いてきた感じがします!」

「いやぁゴレリアス様に言われてたんよ。俺と同じ剣術を使う奴が現れたらこうしてくれってな。やるまでは何が起こるか知らんかったがそういうことか」

「・・・!?なんか思いつけそうです!」


 目を閉じ新たな剣術をイメージする。剣に魔力を纏わせて頭の中でさらに細かく竜種を深くイメージする。だが何かが足りない、今の時点ではここまでだろう。弐の剣のように突然思いつくこともあれば、こんな感じでイメージを形作りきれずにまたイメージすることを繰り返す。そうして出来上がったのが壱の剣である。


「なんかきっかけは掴めたか?」

「はい!ありがとうございます!ゴルドレスさん!」

「いやいいよいいよ俺も良いもの見れたから」

「??」


 一体なにを見たというのだろう。それから少しゴルドレスさんを話をしながら宿へと戻るとロビーでみんなが待っていた。


「ソールどこ行ってたの?」

「朝の修練だよ、日々精進しないと真の勇者になれないからね」

「お!ゴルドもいるじゃねぇかちょうど良いやちょっとツラ貸してくれ」

「なんか用でもあるのか?」

「いやなーに俺らがこの国に来た理由だよ」

「じょおーさま!じょおーさま!」


 そうだ、自分達はこの国に観光しに来たわけではない。拳神様の遺言『アルドリアに行って勇者ゴレリアスが使った武器の在処を教えてもらえ』と言われ自分達はここまで来たのだ。


「あぁなるほどなそういえばそんなこと言ってたな」

「そうです、自分達は女王フィオルン・ビース様に会うまではこの国を離れられないんです!!」

「あんま大きな声は出さない方がいいぞ。そろそろソール坊が国王殺しの指名手配犯だって、この国の人にも伝わっててもおかしくはないからな」


 そう言われて周りを見渡すが特に誰も気にした様子はない。そうだった一応自分は人殺し扱いされてるんだった。目立った行動とか気をつけていきたいところだな。

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