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トゥルーテークオーバー  作者: 新村夜遊
獣王邂逅

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35/246

#35 休日訓練

「そういえば来るのは初めてか嬢ちゃん達は、ようこそアルドリアへ!ってか」

「それ、マイオアのベルゴフさんが言うんですか・・・」

「先言われちったよガハハハハ!」


 そう、自分達はあの場所でアルドリア騎士団に会った。その場にはなんと騎士団長であるゴルドレスさんがいた。おかげで道中で迷うどころか最短でアルドリアへ向かったので自分達の本来の予定よりも1日早く着いた。


「やっと着いたよぉ、お風呂入りたーい宿行こうよー」

「ウェルン嬢そんな疲れてるんだったらいいところ紹介出来るぞ」

「えっほんとですか!」

「お前らは先城戻っててくれちょっと案内してくるわ、なんなら今日はもうやす...」

「「「「「「「「「「休ませていただきます!お疲れ様でした!!」」」」」」」」」」

「うぉ・・・お、お疲れ...なんだどうしたんだあいつらいつもなら城に戻って訓練しているんだがな、何かあったけか?」

「私達の警護をしながらここまで連れてきてくださったからではないですか?いつもとは違う気を使っていたからではないでしょうか?」

「そうかそれもそうだな!いつの間にか違う訓練になってたか!」


 騎士団の人の後ろ姿は疲れきっている。何故こんな疲れているか自分は知っている。あれは昨日の夜のこと、寝る前稽古と称してベルゴフさん対騎士団の精鋭10人が戦っていた。

 その内容というのも一太刀入れたら寝れる、というものでそれなら良いだろうとゴルドレスさんも許可を出していた。自分達はそれぞれのテントに戻って次の日に備えて寝たのだった。夜も更けていき自分が朝の修練を始める為にテントから出た。

 そこには砂の上に横たわる騎士団の方々、そして模擬戦をしているベルゴフさんとゴルドレスさんがいた。その光景を見て正直ホッとしてしまった。もし自分が寝る前の稽古に参加していたらここに横たわっていたかもしれないからだ。

 それと同時にベルゴフさんの強さ。そんなベルゴフさんと対等に戦うゴルドレスさんの強さを再認識した。自分が思うのは2人とも豪快すぎてやりすぎることがあるのは自覚してほしいものだ。


「おにいちゃん?みんないっちゃったよ?」

「あぁごめんごめん、キュミー行こうか!」

「うん、おふろごはんたのしみー♪」






 あれから自分達はゴルドレスさんに案内され宿に辿り着き。旅で疲れた身体を休養させ、今日は街中を散策することにしたのだった。


「ソールちょっと早く来てー、次のお店に行かないと」

「そうですよソールさんまだ5軒しか回れてないんですよ!」


 主に食べ歩きだ。昼も過ぎ、時間としては15:00ぐらいだろうか。ここまで朝ご飯を含めるともう6食食べてるぞ。流石にそろそろお腹が、主食2回スイーツ4回食べてまたスイーツ食べるのか。こ、こんなことならキュミーと遊んでるんだったな。ベルゴフさんがキュミーと遊んでくれるらしいので自分は新しい剣術をイメージしようとして剣を振っていた。そしたら折角だから美味しいもの食べに行こうよ、とウェルンに言われて街に繰り出すこととなった。その道中でネモリアさんに遭遇して一緒に回ることとなり現在に至る。


「ソールここからいい匂いするよ!!」

「ここ、特製特大パフェが人気らしいですよ!!」

「そ、そうなんだた、楽しみだな・・・」

「笑顔引き攣ってるけど大丈夫?無理そうなら別にもういいけ...」


 ウェルンが悲しそうな表情になりそうになる。う、うう、楽しそうな表情からそうなるのは見たくない。うぉぉぉ食べるぞぉぉぉかかってこぉぉぉい!






「ねーおじちゃーん、こう?」

「そうそうそうその調子だキュミー頑張れよー」


 俺はキュミーと遊ぶといって少し広い公園へと来ていた。遊具で遊ぶキュミーを見ながら気づいてしまったことがある。他にもこの公園にはビース族の子供がいるのだがその子達と比べてもキュミーの身体能力が高いことが見て分かった。

待て、これもしかして才能の塊なんじゃないか?フィンシー族は水中で真価を発揮する種族のはずだ。でもこの子は身体能力が高いと言われているビース族よりも動けるなんて本当に一体何者なんだ。てことはだこれから厳しくなっていく、旅の手助けもできるんじゃないか。戦える奴が1人でも増えるのはいいことだしな善は急ぐとするか。


「キュミーちょっといいかー」

「うん?なーにー」


 ビース族の子供と遊んでいたキュミーが駆け寄ってくる。一緒に遊んでいたビース族の子達は各々散っていった。


「ちょっとおじさんと訓練しないか?」

「くんれん?なにそれおもしろいのー?」

「そうだなーこれが出来ると坊ちゃんも喜ぶだろうな」

「ほんと!?やる!くんれんやりたーい」

「そうかじゃあちょっと場所を変えようか、ここじゃ危ないからな」


 キュミーの手を取り肩の上に乗せる。子供ってのも良いもんだな俺にも嫁さんがいたらこれぐらいの子供がいたのかもな。まぁ、流石に女の子には拳術は教えられないし流石に野蛮すぎる。途中武器屋に寄ってある物を買って宿屋近くの空き地にやってきた。


「ここなにもないよ?なにするのー?」

「じゃあまずこれだな」


 キュミーの首にチョーカーをかけキュミーの身長と同じぐらいの槍を渡す。


「?あ!これもんのひとがもってたやつだー」

「そうそうこれはね槍って言う物だよ」


 そう武器屋では槍を買っていたのだ。この槍を買う時店員さんは俺が使うとでも思ったんだろうな。小さくないみたいな顔をされたがまぁそれはどうでもいい。

 キュミーが今付けているチョーカーは以前クエスト報酬でもらった{軽量のチョーカー}だ。これは装着者が自分以上の重さの物を持つと持てる重さにするという便利な術具だ。流石に子供が持てる程の重さの槍だと魔物に対しては武器とは言えないからな。

 何故槍にしたかって言われるとキュミーはフィンシー族だからな種族イメージ的にもピッタリだ。あとは俺が元々槍使ってたからなある程度は教えられるんだよな。


「良いかキュミー、こうやって...?あれどこ行った?」

「おじちゃーん後ろにいるよー」

「え?おおいつの間にそこに・・・!?」


 待て待て、気を抜いていたとはいえ後ろを取られたのか。と思ったら前にいる、どういうことだ?今後ろから声がしたよな。やっぱりこの子には何かある、それでこそ鍛えがいがあるってもんだ。

 それから俺は基本的な槍の使い方を教えて、時間も程々になったところで嬢ちゃんたちと合流して宿に戻った。坊ちゃん今日は苦労したんだなゆっくり休めよ・・・

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