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トゥルーテークオーバー  作者: 新村夜遊
運命の雪山

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140/246

#140 魔の読み合い

 2人が各々の武器で分身体に攻撃を仕掛けに行き交戦が始まる。分身体で意思がないとはいえかなりの強さのようだ。レイピアを構え直し本体を見据える引き続き幻を使うキング。しかも根に触れてしまうと俺の魔の力は奴の物となってしまう。それなら触れずに倒せばいいのだが幻は無視出来ても、そもそも視界に入らない地中から飛び出してくる根の攻撃は予測がしづらい。


「どうした来ないのか?ビースとフィンシーの様に勢いはないのか?」

「そんな単純に動くとお前みたいなやつの掌の上だろ?」

「怖気づいたのか情けないのぉ」


 昔の俺なら今の煽りに乗ってたかもしれない。それでこれまでにどれだけ痛い目を見てきたのやら流石に歳を喰って学んだぞ。特に相手が賢ければこういう煽りに乗って確実にいいことはなかったからな。


「フォッフォッフォッ流石に見抜かれておるか、じゃがそこまで慎重じゃといいことはないぞ」

「どういうことだ?」

「自然と我は一心同体我の魔力が潰えぬかぎり分身体は無限に生み出せるのじゃよ。このままゆっくり戦ってもいいが後悔はするのはお主かも知れぬぞ?」


 俺の見立てに過ぎないが魔力量としてはおそらく先代勇者一行と同じぐらいは持っている気がする。これまでの奴の消費具合から考えても分身体を生み出すのも幻を作るのも個能を扱うのにもあまり消費していないだろう。

 そう考えたらやはり長期戦は向いていないのだがそれにしてもこいつは大技らしい大技も先程の巨大なボールぐらいなものだ。もしそれだけならばこちらにも勝機はあるかもしれない。無尽蔵に湧き続ける分身体を相手にしている姫様達の手も借りなければやはり厳しいだろう。もう一度自身に{操人形(マリオネット)}をかけ宙に浮く。


「そうくると思ったのじゃよ!」

「なっ!?」


 地中から生えてきた根に脚を掴まれ魔力が吸われてしまう。{操人形(マリオネット)}自身の手足を動かすのとは訳が違いそこまでの反応速度で反応することは出来ないところを狙われたようだ。

 もしかしたらこのまま魔力を吸われてしまえば俺のネクロパイレーツとしての第二の生も終わってしまいそのまま他の2人がやられてしまうだろう。

 そんなことをすれば預けてくれたフィオルンとミュリルに申し訳がたたない。自身の脚を取り外して緊急脱出をし一旦自身の周りに{ドーム}を展開して一旦体制を整える。


「ほぉさらに固めてしまうのか。次はどう動くのじゃ海賊は?」

「陸にいたら海賊がどうとかクソもあるかよ。別に海の上でも俺は以前変わらねぇブレインペアレンツ号の船長であることにはな!」


 {ドーム}を解除しレイピアを構え突き出し急降下攻撃を放つ。地中から生えてきた根に当然のように捕らえられてしまい魔力を吸収される。


「結局挑発に乗るではないか貴様もこのまま終わりじゃな」

「何の策もなしだと思うかキング。なんで俺がお前の幻を見破れたと思う?」

「それはまぞ...グハァ!!」


 自分の背後で戦っていたキュミー王女が{水竜弾}をこちらに向けて放つ。それを纏いながら中でフォル王女が獣剣術ではなく属性剣の合体攻撃を放ち俺の身体とキングの身体に風穴を開けた。


「えっなんで船長を攻撃して...」

「どうして!?」

「貴様何をしたぁ!?シーウェーブ!!」

「隠すことは得意でな。俺がお前の魔術が見えていたのもここまで俺が()()使()()()()()()()()をしていたのもこの為さ」

「き、きさまぁぁぁ!!」


 地中から根が飛び出してくるが反応できる速度だった。それほど奴も追い込まれているようだ。幻を自分の辺りに巡らせて外からはまるで俺とやつが激しい戦闘をしているように見せる。そして幻にこんなことを言わせる。

 『今なら攻撃が当たるぞ手を貸してくれ!』と、その幻を見た2人はその光景に合わせて術弾と属性剣を放つ。その幻の中にいる俺とキングに攻撃が直撃する。


「なんでどうして船長に...」

「もう何も分からないよ」


 俺はまだ耐えられているがやはり予想通りキングは耐久力がなく見るからに満身創痍だ。これだけの力を持っているから今まで攻撃を喰らったことが無かったんだろうな。魔族としては正しいがこいつは俺らとは違う点で相手の力が圧倒的だと勝負や力比べを基本的に挑まない。その為自分達の様に力を抑えながら生活している人類に足元をすくわれてしまうのだ。


「見事じゃったぞシーウェーブ。まさかお前が幻も魔の力も儂よりも上じゃったとは思いもしなかった」

「俺もこれほどまで対処するのに悩んだ相手は初めてだよ。あんたは誇るべきだ、このシーウェーブが褒めてやるんだからよ」


 俺は膝をつきキングは後ろに倒れていく。俺の力の源はキングの魔の力だから奴の攻撃を察知できたし幻も使っていることが分かった。もしこいつの相手が他の人ならば確実に苦戦していただろう。運が良かった、ただその言葉しか出てこない。まぁ運がないのはキングと俺かも知れないが。


「{水竜弾}直撃してたけど大丈夫!?」

「属性剣も当たってたけど・・・」

「気にすんな少し待てば骨戻ってくるからよ」


 マントを拾いつつ自身の状態を確認する。倒してから徐々に骨の回復が始まってきたが前よりもかなり遅い。やはりキングが言っていたのは本当のことのようだ。前よりも魔力量が少ないというよりかは段々と最大が無くなっているのか。この研究所を攻略するまで持ってくれるだろうか。来た道をとりあえず戻っていく他の所は攻略が終わったのだろうか。

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