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凡人男子とモ部  作者: 爽野恋子
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「第一話 第二部 日常生活の終わり そして出会い」

今回はメインヒロインの彼女の名前公開です♪

読んでいただければ幸いです。

おれは最初(さいしょ)冗談(じょうだん)で言っているのだと思った。


おれは別にそこまで平山に愛着(あいちゃく)があるわけではない。


しかしだ。たった一年だけでも通っていた学校が急に合併した?そんなことが本当にありえるのだろろうか。


いつもならおれがあほだといってもこの手の話には(だま)されない。


しかし今日ならばありえる。そう思っている自分もいた。


なぜならば、今日は実はかなり久しぶりに登校する日となっていた。


そう二学期が始まる日、つまり始業式(しぎょうしき)だ。


いや、そうはいっても納得できない自分がいた。


本当に平山と神宮寺が合併したのならば学校からの連絡(れんらく)があるのが普通なはずだ。


もしおれだけに連絡がきていない。もしくは忘れているという可能性もある。


だがもし仮に二つの可能性のうちどちらかが事実だとしても、それならばなぜ莉奈も野乃葉も教えてくれないんだ。


「これ落としたけど」


そもそも二人とも人を騙すような性格(せいかく)ではない。(噓はつくかもしれないが・・・)


第一、おれの後についてきている。


「お~い!聞いてますか~!!」


いやでも、う~ん?おれの頭の中には様々な可能性が渦巻(うずま)いていたが結論が出せずにいた。


そのとき、少し考え込んでしまっていたのか声をかけられていたのに気付かなかった。


「さっきから声かけてんだけど。あんた聞いてる?」


「あっすまん。少し考え事をしてた」


「まあいいけどさ。それよりこれ落としたでしょ」


「悪いな。ありがとう」


おれはそういってカバンを受け取る。


「なんかぼーっとしてたけど・・・はっまさかあんた私が噓ついてるとか思ってないでしょうね?」


「ごめん。色々と考えてはみたがやっぱりきみが噓をついているっていう可能性が一番高いんじゃないかなって思う」


この答えが一番しっくりとくる。これ以上考えるのもおっくうだしとかは決して思ってなどはいない。


「なるほどね。やっぱり私が見込んだ生徒だわ。考え方が普通すぎる。でもそこがいいわ!」


「言ってる意味がわかんね~」


こんなことを言うのも今日二回目くらいじゃね?そう思いながらの発言だった。


「あなたの言いたいことは手に取るように分かるわ。今日は始業式。もし合併の話が本当だとしても連絡がある。結論から言えば私が嘘をついてる60%その他40%ってとこで(なや)んで、やもえず答えを出したってとこかしらね」


「きみはエスパーか!!」


思わずツッコミをいれてしまった。


「いいわね~凡人って感じのツッコミで」


「悪かったな!凡人で」


おれは吐き捨てるようにそう言った。


「謝ることないわ。私が探していたのはあなたのような人だったからね」


「そりゃあどうもありがとうございます」


少し嫌味交じりに言っているとは分かっていてもそう言わずにはいられなかった。


「今はこんな話してる場合ないんじゃないの?もし、平山が開校してたらの話だけどね」


おれは咄嗟(とっさ)に時計を確認した。時計は平山の登校しなければならない時間の10分前だった。現在地からは走らなければ間に合わない時間だった。


「やっべ、急がないと遅刻(ちこく)しちまう」


茂一は後ろに待たせていた二人を連れて走り出そうとする。


「私の話が噓かどうかは行ってみたら分かるわ」


「ご忠告(ちゅうこく)ありがとな」


「あっそういえば自己紹介(じこしょうかい)がまだだったわね。私は神宮寺高校二年神代(じんだい)美琴(みこと)よ」


「おれは平山高校二年鈴木茂一だ」


「これからも会うことになると思うわ。改めてよろしくね茂一」


「あーまあよろしくな。とりあえず今は急いでるから。さよなら神代さん」


適当に挨拶をしておれは二人のところに戻る。


「あの子なんだって?」


おれが戻ってくると莉奈が声をかけてくる。


「いや、まあ少し変わってる子だったっよ」


「え~それだけ~?なんかさっき抱き合ってるようにみえたけど」


つかさず野乃葉も口を開く。


「そうだよお兄ちゃん!あれは普通に抱きしめあってたよね!!絶対なんかあったでしょ」


「そんなことより、早くいかなきゃ遅刻しちまうぞ」


話が長くなったら面倒だし、本当に遅刻してしまうからおれは早急に話題を変えた。


「ホントだヤバい。早く行こ!お兄ちゃん」


野乃葉がおれの手を引く。少し強引(ごういん)だったため痛かったが口には出さない。


「二人とも待ちなさいよ~!!」


莉奈がそう言って追いかけてくる。


おれたちは神代さんの隣を過ぎ去っていく。おれはしばらく離れてから振り返った。神代さんは微笑(ほほえ)みながら「またね」と言ってることが口の動かし方で分かった。おれは先を急いだ。


誰もいなくなったという平山高校を目指して。



お読みただきありがとうございます。

次回の更新をお楽しみに!

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