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異世界転移かゾウリムシ

「驚かれる気持ちは大変よくわかります。たいていの方は、転生ですし・・・。実は、今年度から試験的に始まった制度でして。文化発展のため、該当者には異世界転移もおススメしているんですよ~。小田さんラッキーでしたね。私もほっとしました」


いやいや異世界転移って意味わからないでしょ?そんな漫画とかラノベみたいなことを。

普通に生まれ変わりが良いにきまってるし。赤ベコ肉太郎行きたいし。

それに弟の奥さん、いま妊娠中だし。そこに生まれ変わるのだし!


「とっても残念ですが、弟さんのお子様は、5丁目のポチ君にきまっているのですよ。どうしても『転生』がよろしいのであれば、そちらも、もちろんご選択できますよ。私は絶対にお勧めいたしませんが。小田さんの場合、なんせゾウリムシですからね。これから何度転生したとしても・・・」


と真顔ですごいことを言いだしたのだ。




カワイさんがいうには、私が『転生』を選択すると、ゾウリムシへの転生をただ繰り返すという謎ループに入ってしまうそうで。(なんだそれ)なんでそんな謎ループに入ってしまったかっていうと、おそらく隕石の直撃が原因じゃないかって。それって、変動係数が計測不能なくらいで。宇宙人襲来とか地球壊滅とかそのくらいありえないことらしく(そりゃそうだ)。しかも、その『ありえないこと』は原因不明ときちゃあ、もはや、神様の上層部としては、放置はできないわけで。その結果、この先の転生を極端に制限するしかなかったんじゃないかって。要は、臭いものには蓋をしろってことだよね。その制限は絶対に解除することはできないらしく、このままでは、ゾウリムシとして転生するしかなかったそうなのだけど・・・。

たまたま異世界転移っていう制度がはじまっていて、調べてみたら、たまたま私とスキルマッチする異世界があって、良かった!該当してるってなって、で、確認してみたら、ゾウリムシの呪いも回避することができるってわかったんだって(そもそも異世界なので、システムも違うし、ゾウリムシの呪いが及ばないんだろうって。)

カワイさんもホッとしたんだって。

自分の担当がゾウリムシ縛りだなんて面談どうしよう・・ってなるもんね。

そこまで分かってなお、修羅の道『ゾウリムシ縛り』を歩む気は、さらさら無くて。『異世界転移』を選択するしかないわけで。うん仕方ないよね・・・。って本日2度目の衝撃事実を受け入れたのだ。




そういや、『異世界転移』ってどういうことだろう?

異世界で、また赤ちゃんからスタートするってことなのかな?

スキルマッチがどうのこうのって言ってたけどさ。


「説明がまだでしたね。小田さんを、新しい世界にお運びし、そこで新たに生命活動をリスタートしていただくのです」


なるほど。海外移住みたいなものかな?・・・って、いやいや困るでしょ!

それ絶対無理ゲーでしょ?

私、いたって普通の会社員だし。変わった技能とか何にも無いし・・・・



「・・・私、特にこれといったスキルも無いと思うんですけど・・・」


「大丈夫です!小田さんには、料理という素晴らしいスキルがありますよ!」


ん?料理がスキル?どういうこと?

いやいや、やっぱ大丈夫じゃないでしょ?人間生きていくのに大事なものは他にいっぱいあるでしょ。


「・・・・食べ物とか住むところとか仕事とか・・いきなり異世界転移って言われても・・・。このまま身一つとか無理ですって。仕事とかどうするのですか?最低限の衣食住がないと行き倒れますって」


だって、絶対無理でしょ。身一つなんてありえないって。そもそも、異世界ってどんなところなんだろ?言葉通じるのかな?情勢は安定してるのかな?戦時中とかだったら最悪だよ。迫害とかないよね・・・

どんどん不安が押し寄せてくる。っていうか、不安しかない!


「大丈夫ですから~。ちゃんと用意してありますよ~。できるだけサポートいたしますし」

ニヤリと笑うカワイさん。


「では、順に説明していきます。そうですね。まずは、転移先についての情報からはじめましょうか。とりあえず、こちらが資料です。」とA4の資料を渡される。


表紙には、明朝体で『◇転移先概要◇』とある。


「どうも・・・」

ペラリとめくり、読み始めて私は、またまた叫んだのだ。


「ええええええええええええええええええええええええええ!」


だって、転移先はエルフの国だったのだから。



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