プロローグ
これはこの世界はお金で生きているのプロローグです。なので話しはほとんど進まず、主人公が何故死んでしまったのかを書かれた内容であり、本格的なのは第一章からとなっております。あまり面白くないかもしれませんが、精一杯書かせてもらいましたので、最後まで読んでいただければ作者冥利に尽きます。
プロローグ
この世界で皆は何を考え、そして行動し、何を生きる糧や喜びを感じて生きているのだろうか。そんなことを考えながら霧雨勇樹は仕事を終え、会社を出た。
歩道を歩き、真っ直ぐに家へと向かう。金曜日の夜だからだろう。繁華街の飲み屋の前では、ほろ酔いになっているサラリーマン達が二件目の店の話しをしていた。
そんな彼等を見て、勇樹は彼等にとっては週末の飲みが生きる糧や喜びなのだろうと考える。
勇樹はお酒は飲むが店の中のお客達のように酔っぱらうまでは飲まないし、付き合い程度でしか飲みには出かけないぐらいの真面目な人間だ。
それに将来のことを考え、社会人になってから二十九歳になるまでの十一年間は貯金を欠かさずに貯め続け、結構な額になっている。
だが、その代償のせいか、彼は娯楽というものはほとんど行っておらず、つまらない人生を送っていた。
朝、目が覚めては朝食を取り、家を出て会社の仕事を行い、仕事が終われば家へと帰り、風呂に入って夕食を食べてはニュースを見て適当な時間に就寝する。そんなことの繰り返しだ。休日もどこかに遊びに行くことなどなく、テレビ番組を観賞したり、本を読んで読書をするぐらいだ。
勇樹はこの世界で生きる意味や楽しみを失い、毎日同じことを繰り返す機械へと化していた。
「俺って、何で生きているのだろうな。生きるってどういう意味なんだろう。どうすれば生きているって実感するのだろう」
そんなことを呟きながら繫華街を抜け、横断歩道へとやって来た。信号は丁度、青になったばかりで赤になるまでは十分に横断歩道を渡り切ることができる。
横断歩道の白線を跨ぎ、三メートルほど歩いたところで勇樹は車が近づいて来る音を聞き、車道の方へと首を向ける。一台のトラックがこちらに来るのが見えた。
だが、そのトラックはおかしい。スピードを緩めることなく時速六十キロのスピードを保ったまま勇樹に接近して来た。
運転手は完全によそ見をしており、信号が赤であることに気が付いていない。直ぐに逃げないとあのトラックに轢かれてしまう。
しかし、勇樹の足は竦み、先に進むことも引き返すこともできない。
気が付いたときには全身にライトの光を浴びたかと思うと自分が宙に浮き、瞳が夜空を映し出していた。
――ああ、俺死ぬんだ。短い人生だったけどまぁ良いか。こんな腐った世界で生きているぐらいなら、いっその事生まれ変わって別の人生を生きた方が良いに決まっている。
勇樹は両の瞼を閉じ、硬いアスファルドに身体を打ち付ける前に意識を失った。
始めまして、時雨と申します。この世界はお金で生きていますはどうだったでしょうか。まだプロローグだけですが、取り敢えず四章までの物語の流れは考えてありますので少しづつ書いていく予定です。まだプロローグの段階で判断に困るかもしれないかもしれませんが、面白いのかな?と思った方は一章の投稿まで待っていただけると幸いです。ちょっとだけネタばらしをしますとこれから勇樹はあの世で神の使いと出会い、神の作ったゲームに参加することになります。では、短い後書きですが、これからよろしくお願いします。