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4、一条家

結構早めにおもいつきました。


リビングを出て、すぐに階段を登った。


一段一段登るたびに何かしらの不快感が俺を襲う。


そのまま階段を登りきり部屋に入って寝転んだところで不快感は消えてくれない。


ココ最近同じような状態が続いてる。


何もしたくない。何も出来ない。


何をしても満たされるとこなく、何をしても減っていく訳でもない。


「寝よう。」


寝れば少しは気は紛れる。今の気持ちもリセットできる。目を閉じて意識を手放せばこの、不快感か、、ら、、、、、。


プルルプルルっ!


「くそっ、、、うるさいな。」


すこし、口が悪くなった。


「もしもし、どちら様ですか。」


『もしもし、わたしだけど。』


「わたしわたし詐欺ならお金振り込んどくんで口座番号お願いします。」


『別に詐欺じゃないけど振込むのはだめでしょ、てか、酷くない?あんたなんかに電話してくれる女子をそんな扱いとか。』


「そうだな、悪かった。電話してんのも申し訳なくなってきたし、切るな、じゃ、、、」


『ちょっとまってよ!、、、ごめん、言いすぎたから、切らないで。』


「で、なんの用?下垣したがき


『もう、ほんとに調子狂う。、、、今日電話かかってこなかった?秋山さんから』


「あぁ、かかってきた。」


『なんてかかってきたの?』


「ごめんって。俺としてはなんで謝ってんのかわかんなかったけど。」


『なんで謝られてんの、、、。でも、良かったわね、あんな可愛い子から電話してもらえて。で、それだけだったの?』


「それだけって言えばそれだけだな。あとはなんか、明日、学校までの道のり忘れたから案内してくれって頼まれたけど。それだけ。」


『はぁっ!!!?』


「うるさいな。そんな大声出すなよ。夜だぞ」


『いやだって!なんでそんなことになってるのよ!』


「だから、頼まれたんだって。」


『学校までの道のりを忘れるわけないじゃない!』


「よく言いきれるな。根拠は」


『あんたの電話番号よ。一回で覚えたのよ。メモもなんも取らずに、ただ番号全部いい並べたら。』


「番号くらい簡単に覚えるでしょ。」


『私だって覚えれるわよ!だからこそ、学校までの道のりを忘れたことは不自然でしょうが。』


確かにな、、、。学校までの道のりは割と難しくない。何よりも学校が結構でかいため少し近づけば見える位置にあるのだ。


「まぁ、考えてみれば不自然だな。でもそれ、下垣に関係なくね?道分かってても俺と行きたいというならそれでいいじゃないか。」


『そうゆう訳には行かないでしょ!』


「なんで。」


『なんでって、、、。』


「理由もなさそうだし、もういいだろ?」


『っ!もういい!』


ガチャ。


携帯を見ると通話終了の文字。


どうやら切られてしまったらしい。


後半からのやり取りを思い出すが、下垣が何をしたいのかよく分からなかった。


「ともかく、これで寝れる、、、。」


寝よう。明日になれば全部、明日の俺が解決してくれるから。


くぅぅ、くうぅ、くぅぅ。、、、カチャ。


「、、、真冬、一緒はダメだから。」


「いや、真冬じゃないよ。春くん。」


居たのは自分のマイ枕を抱えたまほ姉だった。


「まほ姉?だとしてもなんでこの部屋に、、、。」


また睡眠を邪魔された。中々今日は寝付けないな。


「ごめんね。でも、なんか久しぶりに春くんと寝たくなって。」


「寝たくなってって、、、。そうゆうことは彼氏作って彼氏にでも言ってあげなよ。絶対喜ばれるから。」


まだ、冗談を言える頭は働くみたいだ。


「作らないよ。私は春くん一筋だからね。」


「それはそれでどうなのさ。」


「それより、春くんお風呂は?」


「明日入る。今は眠いし。」


「そっか。なら私も寝るね。だめ?」


「、、、、別にいいよ。真冬で慣れたし。」


「やった」


まくらを抱えて布団にもぞもぞ入ってくる。


「すぅぅ。んぅ。春くんの匂い強くて落ち着く。ん?あ、そっか。ちょっとまってて。」


枕を置いて部屋を出ていく。後で戻ってくるらしいがどうしたんだ?


ガチャ。


「思ったよりってか、すぐ戻ってきたな」


「誰がですか?兄さん。」


「真冬か。なんだ、今日は立て続けにくるんだな。」


「なんのことかわかりませんよ?」


「ならいい。」


「そうですか。」


数秒の沈黙。真冬にしては珍しい。


「真冬。なんか用あったんだろ?どうした?」


「あ、えっと、、、、その、さっきはごめんなさい。兄さんを不快にさせる気はなかったんです、、、。」


「なんのことだか分からないけど、少なくとも俺は全く真冬を怒ってないし、嫌ってない。だからもう寝ろ。夜も遅い、かわいい女の子が起きてる時間じゃないぞ。」


「兄さん、、、。ありがとうございます。」


「おう。」


「じゃあ、寝ますね!兄さんの隣で!」


「えっ、ちょ、真冬!ダメだって」


「いいじゃないですかぁ。」


もぞもぞともう、俺の隣を確保。しかも、追い出しずらい扉と反対側の場所を。


「じゃあ、おやすみなさいです。兄さん。」


その声は、最近聞いたことのなかった真冬の心底甘えた甘い声だった。


その後まほ姉が帰ってきたのは5分後だった。


「ただいまー。」


「、、、随分遅かったね?寝ようかと思ったけどなんか用あったんでしょ?」


「あはは、春くんさっき、食器自分が洗うからって言ってたのに忘れたの?」


あぁ、そんなこと言った気がする。すっかり忘れてたな、、、。


「ありがと。」


「うんうん。家族は助け合ってこそだよー。」


全くこの姉は頼りになりすぎる。


「でね、用は特にないよ。ただ一緒に寝たかったから。」


「そ、そうなんだ。えっと、それは、無理かもしれな、い。」


「なんで!?」


「いや、うん。、、、!ごめん!泣かないでくれ。こっちならいいから!」


さっき真冬が寝た場所とは反対の位置を開ける。


「あれ?その固まりは、、、。なるほど。」


「早速バレたか、、、。つーか、嘘泣きかよ。まぁいいけど。まほ姉が出てったのと丁度入れ違いで来たんだ。謝りたかったんだって。」


「そっか。そのまま一緒に寝ちゃうあたり真冬らしいね、、、。」


「今日は3人でもいいか?ベッドかなり狭くなっちゃうけど。」


「春くんのベッド、ダブルだっけ?」


「よく覚えてないな。でも、1人だと大きく感じる。」


そういや、両親が「真冬が春に伸び伸び寝てほしいそうよ」ってやたらニヤニヤしながら言ってたな。


意味わからないけど。


「でも」


今度こそもぞもぞとベッドに入って落ち着く。そして、俺の体に腕全体を回す形になる。


「こうして、くっついて寝れば広くなるし、あったかい。ゼロ石二鳥だね。」


「そうか。お得だな。」


「ふふ。ついでに春くんのなでなでがあると三鳥になるんだけどなー。」


「それやると興奮して寝れなくなるだろ?だからやらない。」


ちっ。


結構まじの舌打ちだと、、。


「おやすみ。春くん。」


「あぁ、おやすみ。まほ姉。」


────────────────


ビービービー!ビービービー!


目覚ましか。


そういやこの音久しぶりに聞いた気が、、、。?


なんで俺の顔こんな濡れてるんだ。、、、。


「兄さーん、もっとキスしましょうよォ。えへ、えへへへへ。」


「あぁ、春くーん。もっとぉ。もっとぉぉ。」


右手にいたまほ姉は顔の右半分にキスしながら俺の右手を太ももで挟んでいた。


更に左手にいた真冬からはベロ頬チューなるものを受けて顔左半分はすごいことになってる。


2人とも方法こそ違うものの痴女まっしぐらな行為だ。


そして、、、。


『んぅぅ。』



『唇がいい (です)』


ギュイイッッッ。


「痛い痛い痛い痛い痛い!両側からホールドし合うな!そして、早く起きろぉぉぉおおお!!」


俺の叫びは鳥の鳴き声が清々しい朝に響き渡った。

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