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みんなでご飯?

「さぁ、兄さん!さっきの事の説明をして下さい!」


「そうだよ春くん!いくら、春くんでも、彼女なんて作ったらダメなんだからね!」


「なんでだ……。とにかく落ち着けって二人とも。頂きますくらいしてからにしろ。」


目の前に用意された我が家の晩御飯、ビーフシチューにサラダ、付け合せのフランスパンとこれら全て真冬が調理したものだ。

男の俺からしたら少し物足りないが、女子が2人の3人兄妹のご飯なんてこんなものなんだろう。

後でおかわりでもすればいい。


「いただきまーす」


「はい、召し上がってください」


ビーフシチューをスプーンでひとすくいし、口へと運ぶ。


「うん。美味しい」


「うぬぬ、やっぱり美味しい……。」


「ありがとうございます、兄さん!これで兄さんの胃袋は私なしでは生きられないですね!つまり、私がお嫁に行くしかないということですね!」


我が妹ながら、発想と結論が怖い。


「秋山さんとは今日知り合ったばっかだ。だから、何もないよ。それに、俺が学校ではあんまり話してないの知ってんだろ?」


「それはそうだけど、でも」


「兄さんの良さはわかる人には分かってしまうものなんですよ!あ、でも、それだとその女狐もわかる人ということに……!?」


「落ち着けって真冬。さっきからエキサイトしすぎだぞ?」


「落ち着いてなんていられませんよ!だって!兄さんが!あの兄さんが!私たち以外の女子と話してるんですよ!?こんなのどうして落ち着いていられますか!」


バンバンとテーブルを叩き力説する


「やめろ真冬。めっちゃテーブル揺れてるから。」


「で、でも〜……。」


「とにかく秋山さんとは何ともないし、これからなにかになる予定もない。だから安心しろ。」


そういや、真夏まほとが静かなのが気になるな?


「大丈夫か?まほ姉?」


「お、お姉ちゃんは寛大な心で許してあげるよ。うん。その代わりに新しいシナリオを……」


「書かない。」


「はうぅ……!」


「結構食い下がるな?どうしたんだよこの件に関しては。」


「私はほんとに書いて欲しいよ。春くんに。他の人も書いてくれたりしてくれるけどやっぱり春くんのが1番だから。」


「そ、そうか。でも、書かないから。」


「……残念だけど、待つよいつでもね。」


そう言って、少し残念そうにまほ姉は笑った。


真夏まほとはこうですが、私はまだ認めてないですからね!」


「そう。……ごちそうさま。今日も美味しかったよ、真冬。じゃあ、俺は自分の部屋に戻るから。食器は置いといて、後で俺が洗っておくから。今日は風呂、最後でいいから。」


そう言ってリビングを出ていく。


「あっ、兄さん!もう!」


「やめよ真冬。」


真夏まほと!でも!」


「あなたも知ってるでしょ。今の春くんは……。」


そこで言葉は区切られた。しかし、真冬はその先の言葉をまるで真夏まほとの口から聞いたかのように顔を歪める。


「分かりました……。流石に本気で兄さんに嫌われたら私生きてく価値なくなっちゃいますし、ここでやめておきます。」


「賢明な子で良かったよ。理由はともかく……。」


「でも、真夏まほとに諭されたのはちょっとムカつきます。」


「ごちそうさま。私も疲れてるし部屋に戻るね。お風呂どっち先にする?」


「お先にどうぞ、、、。私はちょっと兄さんに謝ってくるので、、、、。」


「了解っと。うまくやりなねー。」


真夏まほとに言われなくても、上手くやりますよ。」


真夏まほとがリビングを出ていった。


「、、、。」


「私は兄さんがいないと、生きてく自信がありません。歪んでいるでしょうか?でも、それでも、私には兄さんが。」


残った真冬は一人そんなことを呟いた。

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