2.姉と妹
続きの更新です。
放課後、外に出ると、夕方になっていた。
何のことだったんだ、、、?
色がない、確かにそう聞こえた。
そのことが頭から離れない。
結局あの後、何事もなく授業がすすみ何事もなく、休み時間が過ぎた。変だと思えた所は秋山さんの俺への態度が変わったことだ。
声をかけても、っびくっと驚くし、質問する時も、おどろおどろしい感じがした。
やはり、色となにか関係があるのだろうか、、、、。
「ああ、くそ」
考えても、考えても答えなんて見つからない。
そうこうしているうちに家に着いたようだ。鍵は、真冬がいるが万が一のためにしめてある。
「ただいま、」
「おかえりなさい、兄さん!」
鍵を開け家に入ったとたん、2階から真冬が駆け下りてきた。しかし、さいごから、3段目くらいで足を踏み外して、お尻で階段を滑り落ちる。
「あいたたた、、、」
デニム生地のズボンにゆったりしたブラウスという、完全な家コーデ。デニムの硬い生地でも、お尻をさすっている姿は、本当にいたそうだ。
とりあえず、無視して部屋行こう。
まっすぐ、真冬に声をかけずに部屋へ。
「さ、流石に、痛がってる、いもうとの心配くらいなら、、、してくれてもいいと思うのですが。」
「いや、なんか、めんどくさくなったからさ。、、、えーと、、、大丈夫か?」
未だに、お尻をさすっている妹に一応のねぎらいくらいなら、してもいいだろう。
「そうですね、、、、兄さんに一緒にお風呂入ってもらったら大丈夫なきがします!」
うん、いらなかった。
「じゃあ、部屋にもどるから。」
「もっとかまってくださいよ〜。」
といって、腕に絡み付いて来る真冬をどうにかどけようと、余っている手でおしのていると、[ピンポーン]と家のベルが鳴り響いた。
「誰か来ましたね?では、お部屋に一旦戻ります!兄さん、あとはよろしくお願いします!」
いじめのせいもあり、真冬は家の外での関わりをすべて嫌う。
だから、今みたいに誰か来ると部屋にこもってしまうのだ。
真冬が部屋に戻るのを確認してから、玄関の扉をあける。
「ただいま〜」
開けた途端、明るいが疲れているような声がいえにこだます。
「えっ、、、、、まほ姉!、帰ってくるなら事前に連絡してっていってんじゃん。」
家に入ってきたのは、美術大の旅行に行っていた一条 真夏だった。
「春くーん!!会いたかったよー!!!」
「ごはっ、、、いきなりだきつくな」
「あはははははっ!!」
いや、笑い事じゃないんだけど、、、、。はぁ、。
でも、こうして抱きつかれると改めて思う。
まほ姉は、小柄だ。体の至るところが。
身長は160cm行ったか行ってないかくらいだった気がする。それに比べ真冬は、身長は170cm行かないくらいあるから、まほ姉と並ぶとよく真冬の方が年上に見られることが多い。まあ、いろいろと真冬に持っていかれてるのは確実だ。
「どこ見てるの?春くん」
こ、こえぇ、、、、、。
「べ、べつに、、。」
そういや、髪の色、まほ姉だけ父親似の茶色だな。サイドテールにしてるからか身長のわりには大人びて見える。学校では雰囲気や態度でお姉さんのように慕われてるらしいが、、、、
「まほ姉離れて。」
「ぃゃだぁぁぁぁぁぁぁぁ」
と言いつつ顔を胸でぐりぐりさせる。
「すぅーーー。はぁーーーー。」
「匂いを嗅ぐな!!!」
俺と居るとこうなってしまう、、、。
真冬や、家族の前ではもうちょっと和らぐのだが、2人きりの時は歯止めがきかない。
あえて言わなかったが、真冬もまほ姉も、100人いれば100人が可愛いというくらい、可愛い。しかし、兄妹だ、そういう事は良くない。
「まほ姉。いい加減」
「何してるんです!真夏!!」
離れて、と言おうとしたら、真冬が階段をものすごい勢いで降りてきて、止めに入ってくれた。
「春くんの独り占めだけど?どうしたの?真冬」
「兄さんを早く離して下さい、兄さんが困ってますよ?兄さんを困らせたい、そんなことあるわけないですよね?真夏」
『むむむ!!!』
火花が!真冬とまほ姉の間で火花が散ってる!!
「二人とも落ち着け」
プルルプルル。
ものすごい剣幕で、睨み合っていた2人を他所に俺の携帯が鳴り響く。
「誰からだ?、、、、、、、秋山さん?」
とりあえず出てみる。
「、、、もしもし、一条です。」
『も!もしもし!秋山でしゅ!あっ、噛んじゃった、、。』
あまりにも大きい声だったので携帯を耳から少し遠ざけるが、それでもはっきり聞こえる。
もちろん、ほんの少しまで睨み合っていた2人にも聞こえている。
怖いんで無言でこっち見んのやめてほしい。
『え、えーと、、、、、一条、、君?』
「そうだけど、どこで俺の電話番号を?」
『それは、同じクラスの下垣さんから聞きました』
「あいつ、勝手に、、。」
下垣とは長い付き合いだ。小さい頃からの腐れ縁が今も続いてる。、、よくよく考えると、家族以外で俺の電話番号しってんのあいつだけじゃないか!
『これも、迷惑だったでしょうか、、、、。』
「あー、いや、大丈夫大丈夫。それよりもどうかした?、なんかあった?」
『これも』という言葉が気にかかるが、とりあえず本題だ。
声も段々小さくなってきたので耳に当て直す。
『きょ、今日のこと謝りたくて、、、その、お電話させていただきました。分からないことがあったら教えてほしいと、お願いしたのはこちらなのに、わざと距離をとって、一条君に迷惑を、。ほんとに、すみませんでした。』
これもはそういう事だったのか。
「俺としては大丈夫だよ、電話も家族と下垣以外する相手がいないから迷惑って程でもないし」
『それはよかったです!』
「じゃあ、もういいかな?わざわざ連絡してくれてありがとうね秋山さん。じゃあ、また明日。」
『今日はありがとうございました!それで、あの、ご、ご迷惑で無ければなのですが……。明日一緒に学校いきませんか?』
「別に構わないけど、なんで?」
『それは、その、、、そうです!道!道がまだよくわかんなくて』
ん?なんか、取ってつけたみたいな感じだぞ?
でも、別に登校するだけだしいいか。
「分かった。じゃあ、、、秋山さんの家どこだが教えてよ。明日迎えにいくから」
「それはダメだよ!春くん(兄さん)!!」
「ええぇ、、、。ごめん、家族から反対されたからどっかで待ち合わせでもいいかな?」
てか、いつまで2人は会話聞いているのかな?
『分かりました!ええと、大きなスーパーがあるじゃないですか。そこで待ち合わせはどうでしょう?』
大きなスーパー、、、、、あそこのことか、、。
「じゃあそれで。時間は7時半でどう?」
『問題ないです!じゃあ、明日の7時にスーパーで!』
「うん。じゃあ、秋山さんまた明日ね。」
『はい!また明日です!』
「、、、ふぅ。」
ようやく一息つけるな。
「誰 (です)!?今の女は!」
電話が終わった途端、まほ姉と真冬に絡まれる。
まだ一息つけそうになかった、、、。
「早く説明してください!」
「分かった分かった。落ち着け2人とも。説明はするからとにかく、まほ姉は荷物を片付けてこい。真冬はご飯を作ってくれ。そうしたらご飯食べながら話すから。」
「分かった(分かりました)。」
この時の俺は気づいていなかった。この選択により、食事の時間が大波乱に満ちることに。