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1.出会い

初めての投稿となります!

思いつき次第お話を書いていくので遅くなりますが楽しんで頂けたらと思います!

いつからだろう、

頑張ることに頑張れなくなったのは。

いつからだろう、

興味を持つことに興味がなくなったのは。

いつからだろう、

心のどこかがぽっかりと空いたような感じがし始めたのは。





「兄さん!起きてください!」


鼻がむずむずする。


「朝ですよー!早く起きないとー」


なんだ、このおっとりした声は、、、


「兄さん!早く起きてください、もー」


起きたくない、、、、しかし、


ゆっくり目を開けると、黒髪ロングでタレ目、雰囲気がおっとりとした女の子が俺にまたがりつつ、肩を揺らして起こしている。

可愛いぞ

、、、、、、あ、俺の妹だった。


で、なんで、またがってんだ?


「あっ、起きましたね!兄さん!」


「あぁ、おはよ、でさ、なんでまたがってんのかな?」


質問をしたら、きょとんとした


「決まってるじゃないですか、起こすついでに既成事実というものをですね、、、痛い!!」


とりあえず、デコピンを食らわす。


「痛いですよー、可愛い妹に起こしてもらえるなんて、そうそう他の家庭ではありえませんよ!なのに兄さんは」


「どこの家庭に、兄貴の貞操を奪おうとしながら起こすやつがいるんだ、、、」


半分呆れながら言う。


「ここにです!、、、痛い!!」


今度は強めにデコピンを食らわした。


「ほんとにそれ痛いです、、、」


「痛くしないとやめないだろ、真冬まふゆは」


外見ではおっとりとした雰囲気なのだが、内面は結構アクティブだ。

このやりとりも、今となっては日常茶飯事。


しかし、今日は過激すぎる。


「心外ですね兄さん!私は痛くても止めませんよ!」


「余計に悪いわ!」


「それより兄さん起きなくていいんですかー、学校遅刻しますよー」


「!」


時計を見ると7時を切っていた。


「ちょっ、真冬早くどいて、遅刻する」


のそりとどく真冬がどいた瞬間速攻で着替える。服を脱いだところで真冬がくねくねしつつ「兄さん、ついに私と初めてを迎える気になったのですね!」と言っていたが、無視した。


着替えが済むと、急いで部屋を出て1階へ向かう。

朝ごはんはしっかり用意されていた。

食卓について、ご飯をいただく。


おそらく、真冬が朝のうちに用意してくれたのだろう。


基本的に料理をするのは真冬か、母さんだ。


両親は画家の仕事をしている。


正確には、父さんが画家で母さんがそのアシスタントとして。


ちなみに姉が居て、その姉も絵がうまい、だから今は美術系の大学に通っている。


この間、といってもつい一昨日のことだが、置き手紙で

『パリにいってきまーす!お土産期待しててね♡

P.S.お姉ちゃんも大学の修学旅行行くから、お留守番よろしくね〜

真冬に襲われないように!o(`・ω・´)o』

と書かれていた。


単なる絵文字すら上手いな。


てか、俺もう襲われかけてるし、、、前途多難。


両親は世界的に風景画が有名な画家で、よく海外に行くため、今回のようにかなりの間家にいないことが多い。いない時の方が下手をすれば多いかもしれない。


姉は、風景画がとてもうまい、というわけではなく、どちらかというとアニメーションなどの絵が上手い。


姉が手がけたコミックは(文才が全くなかった姉の代わりに俺がシナリオ書いたのだが)大人気で、続編か新編も期待されてる。


どちらかのシナリオを作らないかと、お願いされているが、返事はしていない。


大学卒業したら、会社を作るから!とか言ってるけど、誘われても俺は入らないって、決めてる。


真冬は、そこら辺の才能に恵まれなかった。

俺と真冬以外の家族の才能が大きすぎるため、学校ではいじめられて、現在、絶賛ひきこもり中だ。


しかし、家事や機械などの使い方を教えたり、説明書を読むとすぐに理解し、できるようになる。


覚えが早いというのが真冬の取り柄なのかもしれない。


それにしても、連絡も無しに海外へ行ってしまうのは流石に困るといったのだが、こんな雑な置き手紙になったか。


いいのだが、せめて、何日間か、くらい書いておいてくれ、、、


そういや時間、、、、、、、、、

遅刻だな、、、、、、


「ごちそうさまでした。」


「食器は私が片付けておきますから。兄さんは学校行ってもらって構いませんよ」


真冬がいつの間にか2階から降りてきていて、俺の隣に座っている。

これも、いつも通りだ。


「ありがとう、じゃあ、行ってくる。」


数十分後、、、


「、、、、、、間に合った」


自分席に座って、一休み。

席は、窓際の1番後ろ、絶好のお休みポイントだ。


今日も、今日とて寝る。


[キーンコーン カーンコーン]


先生が教室にはいってきて、教卓に立つ。


「起立!礼!」


クラス委員長の遠山とおやま 華鈴かりんが号令をかけて今日も学校が始まっていく。


遠山はこのクラス一番の責任感の持ち主で、クラス一致で遠山を委員長に推したのだ。


『おはようございます』


「ああ、おはよう、今日は転校生を紹介するぞー、、入れー」


先生が入ってきたほうの扉に呼びかけた。


いきなりの先生の言葉にクラス中で騒ぎが起きた。


「し、失礼します」


ドアから転校生が入ってくる。


皆がまず、目を奪われたのは、見たものを引きつける、長い白髪だった。


さらに、眼鏡をかけていることがインドアな雰囲気を醸し出している。


それがあったとして、綺麗だとおもう。


呼ばれた転校生はペコペコしながら教卓にたち、黒板に名前を書き始める。


───秋山 ここみ───


「あきやま ここみっていいます。

あまり、体が強くないですが、みなさんの迷惑にならないように気をつけますのでよろしくお願いします」


秋山さんの自己紹介?が終わったあと、クラス全員が拍手と可愛いだとか、綺麗だとかいって、褒めたたえた。


騒ぎが一応、ひと段落付いたところで、先生がしきる。


「秋山の席は、、、一条いちじょうのとなりなー、一条しっかり世話しろよー。じゃあ、ホームルームを閉めるから。挨拶は会議あるからいいよー

じゃっ、解散」


がた、がた、と、周りの人が立ち始め、秋山さんに質問をしに行ったので、俺は先生の元に文句を言いに行く。


「ちょっ、先生」


「なんだ、一条?会議あるって言ってんだろー。」


「なんで俺なんすか?、もっと、頼りになる奴いるじゃないですか」


「お前の隣の席が空いてたから、以上。

もういいか?てか、あっても、後でな会議だから」


「わかりました。、、。」


はぁ、まじか、、、


「め、迷惑でしょうか?」


振り向くと、秋山さんが泣きそうな目で俺を見ていた。


後ろでは『そんな役得な仕事をほうきするとかありえないよな?』と言ってそうな目をクラス中、主に男子から向けられた。

やだ、とか言ったら殺されそう。


「はぁ、分かった。俺は一条いちじょう はるだ。

わかんないことや気になったことはあそこにいるクラス委員長に聞いてくれ。」


だいたい、クラス委員長がいる位置を指さす。これなら、問題無いはずだ。


「え?、一条君が教えてくれる訳ではないのですか?」


、、、そんな、泣きそうな目の上目遣いで俺を見ないで欲しい。


「あぁ、俺は基本、人付き合いと言うものをしたくない。」


「あ!、それ、わかります!

私も、迷惑をかけてしまうので、なるべくひとりでいようと心がけています!

一条君とは気が合いますね。」


秋山さんは屈託のない笑顔を向けてくれるが、

そういうことじゃ、ないんだよなぁ。


しかも、後ろでは今にも突っかかってきそうな、血(美女)に飢えた獣(男子)が血眼で俺を見ている。


「仕方ない、秋山さん。わかんないことがあったら俺に聞いてくれ、答えるから。」


なぜか、それを聞くと嬉しそうな顔秋山さんはした。


「ありがとうございま…きゃ!」


こっちに来ようとして、机の足に足を引っ掛けた。


「危ない!」


間一髪、受け止める。


しかし、メガネが見事にはずれ落ちてしまった。


「秋山さん大丈夫?」


メガネをかけていない秋山さんは本当に儚げで、それを見た俺は、何故か兄弟のことを思い出した。


「だ、大丈夫です。、、、、、」


そう言って俺を見上げて来た彼女が


──────色がない──────


と、言ったのを聞いた。




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