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天界司書 結城沙織ですが何か?  作者: 苦労猫
一章 天界司書誕生 
4/39

欲望上等! 周りを巻き込まないならねっ!

 天界司書の職を手に入れたあたしは、今天界図書館にいる。

 今日も楽しくお仕事中。

 暇な時は、カウンターで寝るのも、たまには(何時もだけど)良いよね?



 先日の件以来、神様二柱は図書館の外で相互理解の為、親睦(なぐり合い)をしているし、

 その上司は相変わらず、やる気ENDってるみたいで何処かにエスケープしてる。

 (たまには、働けよ!!)

 仏は何時も変わらず図書館で瞑想してるし、まあ静かにするなら許すか・・・。

 

 そんな中であたしは、可愛い寝顔で(自称)お客様にアイドルとして、

 サービス活動を行っていたの。(間違ってもサボってるんじゃ無いからねっ)。

 そんな最中、アイドル活動を妨害する脳筋がお見えになったの。(注 来やがった。)




 「サムライの本あるか?

 サムライの勇敢さの真髄を学びたいのだ」

 

 不意に話しかけて来た声で、カウンターで寝ていたあたしは目を覚ました。

 目に前には、マッチョで頭まで筋肉の様な男が居た。

 このムサい男も神々の一柱、テュール様だ。



 「武士道なんかはどうでしょう?

 サムライファイターの心意気が良く判りますよ」


 勇敢で知られるこの神様、フェンリルの口に手を突っ込んで、

 食いちぎられると言う、勇敢か馬鹿か判らない事やってるのよねぇ・・・。

 あたしから言わせると、タダのアホウだけど。

 危ないのが判ってる中に手を突っ込む、アホウが何処に居るかと?

 いや、すぐ目の間にアホウが居るか・・・。



 「それを頼む」

 「かしこまりました、少々お待ち下さい」



 そう言うと、あたしは書架まで飛んで行った。

 

 探す事数分・・・。


 有った! 

 見つけた本を手に取ると、スグにカウンター前に戻り本を手渡そうとした。

 

「この本になります、どうぞお受け取り下さい」

 「ありがとう」

 「ご返却は一四日以内にお願いしますね」


  

 本を渡そうとしたあたしは、ティール様の違和感に気が付いた。

 手が未だ有る?

 たしか、犬にかじられて無くなった筈?



 「どうした?」

 「手、まだ無事なの?」

 「そりゃ、どう言う意味だ?」


 ティール様はあっけにとられている。

 そりゃそうだ、いきなり言われて唖然としない方が変だよね。



 「まだ、この犬に食いちぎられて居ないって事だろ?

 そもそも、あの話自体が人間の欲望の比喩だからな」

 

 突然背後で声がして振り返ると、ロキがフェンリルを撫でながら此方を見ている。

 

 「教えて欲しいか? 

 教えて欲しいなら、教えてやらない事も無いぞ!」

 なんか威張り腐ってあたしを舐め腐った、偉そうな態度をとってやがる。


 「あんたからは、聞きたくないね」



 「知りたいなら、あたしが教えてあげるよ、沙織お姉さま」

 静かにネコを撫でている、フレイヤが口を開いた。

 「ありがとう、フレイヤちゃん」


 「フェンリルって言うのは、人の欲望の象徴なの」

 

 「欲望?」

 「そうよ、人より有名になりたい、独占したいとか、お金持ちになりたいとかの気持ちね。

 その気持ちは、生きて上でも大切な感情だけど、時には暴走するの」

 「暴走か・・・」

 


 有名になって賞金が欲しい為に、何でもやるのを見ると

 欲望が暴走してるって思う・・・。

 確かにそうよね。



 「その欲望を暴走させない為に、最初は「レージング」と例えられる、

 その人の良心で押さえようとしたの」

 「それで、どうなったの?」

 「最初は押さえれたけど、本気になった欲望はそれを容易に引きちぎった」



 「次は?」

 「次は「ドローミ」と例えられる、罰の無い掟書きで押さえようとしたの。」

 「なんとなく判るけど・・・どうなったの?」

 「最初は上手く行って居たけど、欲深い人間の本気になった欲望は、それを引きちぎったわ」

 

  最期はどうなるか大体は判った気がする。

  

 「最後の手段として、「グレイプニル」と例えられる、罰のある厳格な法で欲望を抑える事で、

 やっと本気となった人間の欲望を縛る事が出来たの。」

 

 「でも、その代償も余りに大きくて自由を失った、 手を失ったと表現される位ね

 それがこの話の真相よ、沙織お姉さま。」

 「良く判ったわ、ありがとう、フレイアちゃん」


 

 「欲望暴走させたほうが、頑張れるって事だろ? 

 その方が人間にとって都合が良くないか?」ロキが不思議そうにしている。


 「大きくなり過ぎた欲望は、

 最後は周りを巻き込み、自分すらも飲み込んで破滅させる末路になるのよ」

 フレイヤは冷たく澄んだまなざしで見ている。

 「それを受け入れるも、止めるも自分次第よ」

 「そう言う物か?」



 まあ、天界司書のあたしには、欲望にまみれた人様がどうなろうと知った事じゃ無いけど。

 図書館を巻き込まない限りねっ! 

 

 天界図書館 今日は乱闘も無く静かに営業中。

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