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第八話「初登校前日」

「・・・では、明日から宜しくお願い致します。」

深々とお辞儀をして部屋を出るローラ。


ここは明日からお嬢様が通う学院。

今の時代、従者を連れて学院に通う訳にはいかない。

明日からお嬢様は一人。

協力者が必要であった。

旦那様の意見で決まったことだ。

ローラとしては全く不本意なのだが・・・


静まり返った部屋の中では一人の少女が・・・

「そう・・・ついに会えるのね・・・」

彼女の名前はニナ シード。ここ、私立シード魔術学院の3年生。生徒会長にして理事長の娘。

文武両道に秀で生徒からの信頼も厚い正に完璧な生徒であった。

・・・・表向きは。

「・・・ふふふ、うふふふふ・・・」

・・・・そう、表向きは、である。

「うふふふふ・・・・ふふふははははははは!あーーーーっははははは!!ぐぇほっ!げほっ!!」

・・・・笑すぎである。

「はぁはぁ・・・・すぅーーーーっ、はぁぁーーー・・・」

深呼吸して落ち着いた様である。

「長かったわ、やっと・・・うふふ、私がしっかりと面倒見てあげますわ。いろんな意味で♪」

生徒としては優秀だが・・・変態だった。

「うるさいわね!!」

・・・・・・

「・・・・・・・」

・・・・・解説に突っ込んでも無駄である。

かつてニナは一度だけトーヤにあった事がある。

その時に自分のモノにすると誓ったらしい。

立派なペドフェ・・・

「うるさいわね!!!」



ニナが色々と妄想の羽根を広げている頃・・・

クラーク家では・・・


「どうかしら?メイ?」

「とてもよくお似合いです、お嬢様」

「制服なんて、なんか恥ずかしいわね。おかしなところ・・・ない?」

「完璧です、お嬢様!押し倒してもよかですか?」

「やめなさいって」

明日から着ていく制服を試着。メイにチェックしてもらってるんだけどさっきから発言が・・・

しかし、なんだねぇ。この制服、どーみてもセーラー服にしか見えん。

何?異世界でも共通なの?こういうのって?

まぁ、デザイン的には見慣れたものの方が気が楽なのは間違いないんだけど・・・まさか自分がセーラー服着る時が来るとは・・・

「・・・ねぇ?メイ?・・・さっきから気になってるんだけど・・・この穴ってなに?」

そうなのよ、穴、空いてるのよ。背中の辺りに・・・

「え?・・・あぁ、羽根を出す為の穴ですね。」

羽根!?

「・・・誰の?」

「お嬢様のですよ?」

「・・・・・生えるの?」

「はい。そろそろじゃないかと奥様が仰ってましたので先に開けておきました。」

・・・どんどん人間離れしていくな・・・

「スカートも後ろのプリーツ部分を二重にして尻尾穴も用意しておきました。」

そっちも生えるんか、やっぱり・・・

気になったので振り返りつつプリーツの上側をまくってみた。


・・・メイが前屈みにうずくまった。あぁ、おっきしちゃったのね。

「ただいま戻りました!お嬢様♪」

めりっ

「きゃー!!!お嬢様!!素敵です!!!!」

「ありがとう・・・・・ねぇ、ローラ?」

「はい、なんでしょうか?」

「・・・・足元・・・・」

「え?」

メイの頭、踏み潰してるよ?・・・・

(つД`)ノ

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