第十九話「家族会議」
安定の迷走感・・・
誤字発見!
Win8.1のデフォIMEも結構お莫迦さん。
『・・・さて、皆の者よ。』
食堂にドルガーの声が響く。
「もう少し小さな声でお願いします。」
『・・・すまん、まだでかかったか・・・・こほん!こんなもんでよいか(ひそひそ)』
この場にはメイド三兄妹、ドルガー、父 ヴィクター クラーク、母 キャサリン クラークの
六名・・・いや、五名と一匹がそろっていた。
ドルガーが大きすぎるため、普段使っているテーブルは端によけられ
全員で円陣を組むように座り込んでいる。
『では、そろそろ始めるか・・・(ひそひそ)』
「んじゃぁ~、"第二十七回、トーヤちゃんを陰から守ろう会議♪"はじめるよ~?」
緊張感のない声でキャサリンが宣言し、会議が始まった。
「今後のトーヤちゃんの護衛をどうするか?ってことでいいのよね?」
全員の顔を順に見つめ、ミミが答える。
「うむ、今回、わしの情報収集ミスもあって皆には迷惑をかけた。すまない。」
申し訳なさそうに家長であるヴィクターが頭を下げる。
教師側からの情報で信用し会長であるニナ シードに協力を依頼したことを反省しているのか
威厳が全く感じられない。
「いえ、旦那様。あれはあの会長がそれだけズルかっただけです。お気になさらず・・・」
メイが答える。服装はいつも通りメイド服。なのに今日はしっかりと男の顔をしている。
「でも~、やっぱりこのままミミちゃんだけに護衛をまかせるのは無理があるわよね~」
相変わらずののほほんとした喋り方の母 キャサリンではあったが声の響きから心配していることが伝わる。
「そうだねぇ、今回みたいにちょっと目を離した隙にやられちゃうとねぇ」うんざり気味のミミ。
「変態の執念を甘く見ていました・・・」
「そうだね、メイ兄ぃ見てて、慣れちゃってたかも。もっと警戒するべきだった・・・」
「ミミ?お・ね・え・ちゃ・んって・・・」
「黙れ変態。」
「・・・その蔑むような視線がイイ!!」
『話がすすまんのう・・・(ひそひそ)』
「しかし、今後もあるかもしれんんし、用心しておくに越したことはない。」
話を戻すように真面目な顔で話すヴィクター。
「正直な話、次期党首とかどうでもいいんじゃよ。娘が自分で決めた相手なら・・・心から『幸せだ』と思える相手と一緒になるなら文句も言わんし。ただ、あのまま引き籠っているのは良くない。もっと色々見て、自分で判断してほしかったのだ・・・」
「とは言え、お嬢様の力は強大です。本人に自覚はありませんが・・・ほぼ間違いなく、お嬢様の心を射止めた相手が"次の王"といっても過言ではないかと・・・」
今回ばかりは真面目なメイ。
「いざとなればまた私が・・・」
一瞬で背後にオーラを立ち昇らせるローラ。
『そうならないようにせねば・・・のう(ひそひそ)』
少々あきれ顔のドルガー。
『ところで党首殿よ、学院に一人くらい・・・無理やり同じクラスにねじ込むことは出来るか?(ひそひそ)』
「ん?それは別に・・・訳ないことだが・・・」
『ならば、わしを・・・』
「「「「「えっ!?」」」」」
『声がでかいぞ。(ひそひそ)』
「・・・さすがにその・・・教室に入りきらないとおもうよ?」
『それはわかっておる。まぁ見ておれ・・・(ひそひそ)』
言い終わると同時に全身からまばゆい光を放つドルガー。
「「「「「!!!」」」」」
あまりの眩しさに全員視線をそらす。
光が収まるとそこには・・・
トーヤとそっくりの幼女が・・・全裸の幼女が立っていた。
髪の色はトーヤは金髪なのに対して真っ赤な髪。
目の色はトーヤが燃えるような真っ赤な瞳に対して水のように澄んだ蒼。
角、しっぽ、羽根もトーヤと同じようであった。
「これなら問題なかろう?(ひそひそ)・・・・この身体だと小さすぎるか。問題はなかろう?」
「「「「「・・・・・」」」」」
全員、絶句・・・・
「・・・どるちゃん・・・」
「なんじゃ?ミミ?」
「最初からその恰好ならテーブルどかすことなかったね・・・」
「・・・そう・・・じゃな・・・」
「・・・・あの、ドルガー様?」
「なんじゃ?ローラ、様付けはせんで良いと・・・」
「・・・女性だったの?」
「ん?一応、わしも”神"の端くれ、性別なんてものはないのじゃよ」
「では早急に手配しておこう。」
ヴィクターが席を立ち、今日の会議は終了となる。
全員が退席した食堂。今は幼女になったドルガーだけが残っている。
「・・・・これで取りあえずは大丈夫か。」
そう、取りあえずは・・・取りあえずは守れる。
だが・・・真意がわからん・・・
「・・・近いうちに奴に問い質してみるか・・・」
聞こえるか聞こえないかの声で呟き食堂を後にする。
ふと、廊下で立ち止まる。
「・・・・この格好で庭で寝たら風邪ひくか・・・」
|д゜)




