第十八話「伝説の・・・真の勇者?」
ローラ無双?
5年前の話し・・・・
「ふはははははは!その程度か、貴様の力は」
頭に大きな角を生やした全身、黒ずくめの大男、魔王がふんぞり返って笑う。
凶悪な笑顔で・・・
「く、くそっ・・・・」
魔王の目の前には如何にもと言う感じの勇者然とした若者。
しかし、先ほどまでの魔王との戦いで全身傷だらけ。
ついには力尽き膝をついたまま立ち上がることも出来ない。
魔王と勇者の最後の戦い。よくあるおとぎ話だと
ここで勇者が勝利し世界に平和が訪れることになっているが・・・
対する魔王はほとんど無傷。
あまりにも実力の差がありすぎた。
そこへ来て魔王は卑怯にも人質を盾にしていたため
勇者にはなすすべもなかった。
完全に勝利を確信しているためか中々とどめを刺さない。
散々、屈辱を味合わせてから殺すつもりでいるらしい。
ゆっくりとした動作で・・・まるで勇者に見せびらかすかのように
今まで人質にしていた子供の襟首をつかみ目の前に持ち上げる。
「ほう、よくみればこの小娘、サキュバスではないか・・・」
この戦い、元々は人間と魔族の戦いであった。
サキュバスは人間の精気を糧として生きる。
そんな性質もあり人間との争いを好まなかったサキュバスは魔族側ではなく
人間側に付いていた。
「裏切り者の一族か、丁度いい。我もそろそろ転生の時期だ。
我の新たな身体、この小娘に産ませることにしよう。」
「くっ!外道が!!」
「ふっふっふっ。幼女のまま調教し自らカラダを開かせ、孕ませて・・・」
「・・・・言いたいことはそれだけか?」
「「!!!」」
今にも倒れそうな勇者の背後に一人の獣人が立っていた。
・・・・メイド服で。
「なんだ?このケダモノメイドは・・・・?」
全身、怒りのオーラをまとい、ゆっくりと進むメイド。
「お、おい、危ないからさがって・・・へぶっ!」
勇者を踏みつぶしまっすぐ魔王の元へと進む。
「な、なんだ!貴様は!!」
この状況にあまりにも不釣り合いなメイド服。
それでいて発せられるオーラは強大で魔王が怯む。
「汚い手で私のお嬢様に触れるんじゃない!」
「くっ!」
片手に人質の子供、もう片手には巨大な魔剣。
対するメイド、手に持っているのは竹ぼうき。
たかが竹ぼうき一本で魔王を威圧するメイドとその迫力に飲み込まれる魔王。
「魔王、あんたは今、触れちゃいけないものに触れたんだ。」
「・・・・・ま、まて」
とてもかなわない・・・・そう判断し懐柔しようと言葉を選ぶ。
そんな魔王を無視してゆっくりと竹ぼうきを振りかぶる。
「目ぇ食いしばれや!ごるぁ!!」
「とまぁ、そんなことがありまして・・・・国の上層部しか知らないのですが
5年前、勇者と相打ちで魔王が亡くなり平和が訪れたって言われてますが、
実際は・・・勇者を踏みつぶし、魔王を撲殺したのはローラなのです。」
そう説明するメイの横でローラが恥ずかしそうに真っ赤になっていた。
「先日の記憶喪失事件でお嬢様も忘れていたのですし、
このまま闇に葬るつもりでしたのに・・・お恥ずかしい。」
すげーなローラ。しかし、真の勇者が実はメイドだったって・・・・
|д゜)




